ごちうさSS リゼ「ここあ、千夜シャロとお留守番」

 

 

――――――

――――

ーー

 

――AM:8:25 天々座家 リゼの部屋――

 

 

リゼ「ここあ、そろそろ出てこい」

 

ここあ「んーん、やっ」inベッド

 

リゼ「もう出かけるぞ、準備しないと」

 

ここあ「さむいからやだ~」

 

リゼ「わがまま言ってるやつは誰だ?」ヒョイ

 

ここあ「やっ~♪」キャッキャッ

 

リゼ「ふふっ//」ギュッ

 

リゼ「――んっ……?」

 

ここあ「ふぉぇ?どうしたの?」

 

リゼ「少しジッとしてろよ」

 

――ピタッ

 

ここあ「?」

 

リゼ(……体温が高いな)

 

リゼ「どこか辛くないか?身体が痛いとか」

 

ここあ「だいじょうぶだよ」

 

リゼ(布団に入っていたからかな……でももし風邪だったら……)

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

リゼ「ここあ、今日は家で安静にしていよう」

 

ここあ「いっしょにいっちゃだめ?」

 

リゼ「風邪のひきはじめかもしれないし、酷くなったりしたら大変だ」

 

リゼ「お留守番しててくれるか?」

 

ここあ「わかった、おうちでりぜちゃんのことまってる」

 

リゼ「ありがとう、寂しい思いさせてごめんな」ナデナデ

 

ここあ「はやくかえってきてね?やくそくだよ」

 

リゼ「ああ、ラビットハウスが終わったらすぐに戻ってくる」

 

リゼ「くれぐれも外に出ちゃダメだぞ?家の中もあまり動き回らないようにな」

 

ここあ「りぜちゃんの『べっど』であそんでもいい?」

 

リゼ「いいぞ、ここあの自由にしててくれ」

 

ここあ「うん//」ニコッ

 

リゼ「それじゃあ行ってくる、使用人たちにはわたしから伝えておくからな」

 

ここあ「いってらっしゃい」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ここあ「わいるどぎーす?りぜちゃんでかけちゃったね」ギュッ

 

ここあ「かえってくるの、ゆうがたくらいかな?」

 

ここあ「それまでみんなであそんでいようね」

 

ここあ「りぜちゃん、おいで」ヌイグルミ ヒョイ

 

ここあ「なにしよっか?」

 

ここあ「――おうたうたってくれるの?」

 

ここあ「――うん!おひるしよっ♪」

 

ここあ「わいるどぎーすも」ヒョイ

 

ここあ「んっ……」バサッ

 

ここあ「あったかいね//

 

ここあ「それに、りぜちゃんのにおい……//」スンスン

 

ここあ「おやすみなさい……」スッ

 

ここあ「………………すぅ」

 

 

 

ここあ「すぅ…………すぅ…………」Zzz

 

 

ヌイグルミ リゼ ニコッ//

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

――甘兎庵 千夜の部屋――

 

 

千夜「♪~♪♪」カキカキ

 

千夜「あら、答えが1247……?」

 

千夜「あっ、たし算がかけ算になってたのね。うっかりしてたわ」

 

千夜「割り算して……答えは67」

 

Prrrrrrrrrrrrr

 

千夜「あら?」

 

千夜(リゼちゃんのおうちの電話番号ね)ピッ

 

千夜「もしもし?」

 

『………………』

 

千夜「ここあちゃんかしら?わたしよ」

 

『………………』

 

千夜「ここあちゃん?」

 

プチッ

 

千夜「?」

 

千夜(切れちゃったわ……どうしたのかしら?)

 

千夜(こっちからかけ直してみましょうか)ピッ

 

Prrrrrrカチッ

 

千夜(?)

 

ツー ツー

 

千夜(切られた?)

 

シャロ「千夜」トントン

 

千夜「シャロちゃん?どうぞ」

 

ガラッ

 

シャロ「いまリゼ先輩の家から電話がかかってきたんだけど」

 

千夜「シャロちゃんにも?」

 

シャロ「千夜にもかけてたのね、なんて言ってた?」

 

千夜「それが、無言のまま切れちゃって」

 

シャロ「千夜も?わたしもよ」

 

千夜「かけ直してみたけど、鳴ったらすぐに切られちゃった」

 

シャロ「たぶんここあだろうけど……どうしたのかしら」

 

千夜「電話の使い方くらいは知ってるでしょうし……」

 

シャロ「気がかりね、見に行ってみる?」

 

千夜「そうね、でもシャロちゃん寝ておかなくていいの?」

 

シャロ「今日は休みなの。千夜こそ課題やってるならいいわよ」

 

千夜「もう少しで終わるわ、二人で行ってあげましょう」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――ラビットハウス――

 

 

チノ「ここあさん、大丈夫でしょうか」

 

リゼ「使用人やメイドがいるから心配ないぞ」

 

リゼ「元気そうだったし、もしかしたらわたしの思い過ごしかもしれないしな」

 

チノ「そうだといいんですが」

 

リゼ「一人で寂しがってないか、むしろそっちが気がかりだ」

 

チノ「リゼさんのぬいぐるみがあるから平気だって言ってましたよ」

 

リゼ「あれか、でもぬいぐるみは喋らないだろう」

 

チノ「ですがこの前、ユラさんがあのぬいぐるみは喋ると……」

 

リゼ「いつものあいつの冗談だ、チノもいちいち本気にしなくていいぞ」

 

チノ「は、はい……」

 

チノ(ここあさんも言ってたような……怖いから触れないでおこう)ススッ

 

ティッピー「ふむ」←喋るうさぎ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

――天々座家 正門――

 

 

千夜「こんにちは」ペコリ

 

使用人B「あっ……どうも」

 

使用人C「お入りください」

 

千夜「おじゃまします」

 

シャロ「何度来ても緊張するわ……」

 

千夜「ここあちゃんと仲良しの使用人さんはどこかしら?ご挨拶しておかないと」

 

シャロ「いつもはよく庭で作業されてるわよね」

 

千夜「――あっ、あの後ろ姿……」

 

シャロ「寒そう……ハーブティー持ってきてあげて正解ね」

 

千夜「ありがとうシャロちゃん、助かるわ」

 

シャロ「日頃ここあがお世話になってるんだし、これくらい当たり前よ」

 

シャロ「あの――モゴゴ」

 

千夜「せっかくだから少しイタズラしましょう」シーッ

 

シャロ「またイタズラ?懲りないわね」

 

千夜「使用人さん、反応が可愛いから」クスッ

 

シャロ「どうするの?後ろからこの温かいマグボトルでもピタってする?」

 

千夜「そうね……――あっ、メイドさん、ちょっといいですか?」

 

メイド「?」

 

 

 

 

使用人「………………」ザクザクッ

 

使用人(昔はしゃがんだままの体勢なんて何でもなかったが……最近は腰にくるな)

 

使用人(もう歳か……)フゥ

 

使用人「…………」ザクッ

 

使用人(これが終わったら小さいお嬢の様子を見に行こう)

 

使用人(一人で寂しがってないといいが……)

 

 

――ピタッ

 

 

使用人「?」

 

??「だーれだ?」

 

使用人「……?どうされたんです、お昼の買い出しに行かれたはずじゃあ――」スッ

 

千夜「♪」バァ

 

使用人「っ!?//

 

使用人「わっ……っとと!」

 

千夜「大丈夫ですか?」

 

使用人「は、はい……」

 

シャロ「すいません、千夜がイタズラしたいと言ってメイドさんに協力して頂いて……」

 

メイド「」クスッ

 

使用人「声が違うかったもので……失礼しました」スッ

 

千夜「ごめんなさい、まさかこんなに驚かれるなんて」

 

使用人「あっ、いや……その……//

 

メイド「」ニコニコ

 

使用人「っ……昼食の準備が遅れます、早く行ってください//

 

メイド「」フリフリ

 

使用人「あっ、いつもよりも多めにお願いします」

 

メイド「」グッ

 

シャロ「いってらっしゃいませ」

 

千夜「ご協力ありがとうございました」

 

使用人(さっきの、この子の手か……あったかいな)

 

使用人「………………」ジッ

 

シャロ「使用人さん?」

 

使用人「!」ハッ

 

千夜「もしかして怒ってます?」

 

使用人「いえ、全くお気になさらず」アセアセ

 

使用人「本日は遊びに来られたんですか?あいにく今はお嬢は留守ですが小さいお嬢が部屋におります」

 

使用人「一人で退屈されているでしょうし、顔だけでもお見せして頂けると喜ばれるかと」

 

千夜「はい、二人でリゼちゃんのお部屋にいますね」

 

シャロ「寒い中お疲れ様です。これ、よろしければどうぞ」スッ

 

使用人「?」

 

シャロ「ハーブティーです、まだ温かいので冷めないうちに」

 

千夜「ハーブ、苦手じゃありませんか?」

 

使用人「ええ、平気です」

 

使用人「わざわざありがとうございます。洗って帰り際にお返ししますね」

 

使用人「ご厚意、ありがたく頂きます」ペコリ

 

シャロ「はい、ではまた」

 

千夜「使用人さんも時間が空いたらリゼちゃんのお部屋にきてくださいね、一緒に遊びましょう」フリフリ

 

シャロ「ちょっと千夜……!」

 

ナレナレシスギルワヨ  デモ コノマエノパーティーデオトモダチニナッタノヨ?

 

使用人「………………」キュポ

 

使用人「……」ズズッ

 

使用人(……おいしい)

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

千夜「ここあちゃん?」トントン

 

シーン

 

シャロ「寝てるのかしら?」

 

千夜「おじゃまします」ガチャッ

 

 

ここあ「………………」Zzz

 

千夜「ベッドで熟睡だわ」

 

シャロ「待ちくたびれて寝ちゃったのね」

 

千夜「布団まで被って?お昼寝してるように見えるけど……」

 

シャロ「そういえば不自然ね。まぁいいわ、目を覚ますまでそっとしておいてあげましょう」

 

千夜「一人でお留守番出来てここあちゃんは偉いわね。よしよし」ナデナデ

 

ここあ「んっ……」Zzz

 

シャロ「今日はリゼ先輩とラビットハウスに行かなかったみたいね」

 

千夜「眠たかったのかしら?」

 

シャロ「でもそれだと、かかってきた電話は誰が?」

 

千夜「ここあちゃんに聞けばわかるわ、とりあえず待ちましょう」

 

ここあ「ふぇ……?」

 

シャロ「あっ」

 

千夜「ここあちゃん、おはよう」

 

ここあ「ちやちゃん……?」ポワーン

 

シャロ「まだ眠たいでしょう?寝てていいわよ」

 

ここあ「しゃろちゃんも……」

 

千夜「お昼寝してたのね」

 

ここあ「ん……」クシクシ

 

ここあ「ふたりともあそびにきてくれた?」

 

シャロ「ええ……」チラッ

 

千夜「ここあちゃんへのサプライズ、成功かしら?」

 

ここあ「うん!//」ニコッ

 

シャロ「!」

 

千夜「そう、良かったわ」

 

ここあ「ちやちゃんしゃろちゃん、きてくれてありがとう//

 

ここあ「かおあらってくるね、まってて」ピョン

 

千夜「一緒に行かなくて平気?」

 

ここあ「だいじょうぶだよ~」

 

 

ガチャッ タタタ

 

 

シャロ「……あの電話、ここあじゃなかったの?」

 

千夜「違うかったみたいね」

 

シャロ「じゃあ誰が?使用人さんたち?」

 

千夜「うーん……――お化け?」

 

シャロ「いやぁ!!」

 

千夜「リゼちゃんの残留思念かも」

 

シャロ「妙なリアリティ持たすなぁ!!」

 

千夜「ここあちゃんが喜んでくれたし、結果オーライよ」

 

シャロ「それで済ませるの!?これってかなりホラーな出来事じゃない!?」

 

千夜「事実は小説よりも奇なりって言葉があるわ、安心してシャロちゃん」

 

シャロ「どこをどう安心するのよ!」

 

使用人「あの」スッ

 

千夜「あっ、使用人さん。お仕事終わりましたか?」

 

使用人「いえ、小さいお嬢のぬいぐるみが廊下に落ちていたので」スッ

 

シャロ「?」

 

千夜「リゼちゃんぬいぐるみですね、ここあちゃんに渡しておきます」

 

シャロ「どうして廊下なんかに?いつもポシェットに大事にしまってるのに」

 

ここあ「おまたせー」タタタ

 

千夜「ここあちゃん、おかえりなさい」

 

ここあ「ふぉぇ?それ……」

 

千夜「廊下に転がっていたらしいわ、はい」

 

ここあ「りぜちゃん、かってにどこかいっちゃだめだよ?」

 

シャロ「え…………」

 

ここあ「ゆうしゃさんありがとう、りぜちゃんもちゃんとおれいいおうね」ペコリ

 

使用人「い、いえ…………」

 

千夜「………………」

 

シャロ「千夜……?」

 

千夜「先人の言葉があるわ、事実は小説よりも奇なりって」

 

シャロ「それさっきも聞いたからっ!!」

 

ここあ「?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

千夜「リゼちゃんにお留守番するように頼まれたのね」

 

シャロ「今のところ熱は無さそうだけど」ピタッ

 

ここあ「かぜ、うつらない?」

 

千夜「ええ、心配しなくていいわ」

 

シャロ「一応安静にしておくように言われたから、今日は部屋の中で遊びましょう」

 

ここあ「うん!」

 

ここあ「ちやちゃんしゃろちゃん、いっしょにおえかきしよう」

 

シャロ「いいわよ」ニコッ

 

ここあ「みんなでりぜちゃんのべっどでねころがって」

 

千夜「ベッドで寝ながらお絵描き?でも……」

 

ここあ「りぜちゃんもじゆうにつかっていいっていってたよ」

 

シャロ「リゼ先輩のベッドで……//」ゴクリ

 

ここあ「えいっ」ポスッ

 

ここあ「こっちにきてー」バサッ

 

千夜「お邪魔しまーす」

 

シャロ「ちょっ、千夜……!」

 

千夜「お布団あったかいわぁ。ほらシャロちゃんも」

 

シャロ「うっ……リゼ先輩、お邪魔します」ススッ

 

ここあ「えへへ、3にんいっしょ//

 

千夜「さすがリゼちゃんのベッドはふかふかね」

 

シャロ「先輩の匂い……//」スンスン

 

ここあ「いつもこのまくらでいっしょにねてるんだよ」

 

千夜「仲良しね♪」ナデナデ

 

シャロ「//」スンスン

 

千夜「シャロちゃん?」

 

シャロ「ぅえ!?//」ビクッ

 

 

 

――お絵描き――

 

 

ここあ「♪~♪♪」

 

千夜「シャロちゃんのトウモロコシを侵食~」カキカキ

 

シャロ「黒色塗るなぁ!」

 

千夜「品種改良で黒色トウモロコシが出来た設定よ」

 

シャロ「それ改良じゃなくてイタズラ実験の産物でしょう!」

 

千夜「大根はオレンジ色にしましょう」カキカキ

 

シャロ「ただのでかいニンジンじゃない!?」

 

ここあ「できたよ!」

 

千夜「あら、もしかしてこれリゼちゃん?」

 

ここあ「おえかきするときはいつもかいてるの」

 

シャロ「じょうずね、うまく描けてるわ」ナデナデ

 

千夜「わたしもシャロちゃんを描いてみたんだけど……」

 

シャロ「浮世絵風!?」

 

ここあ「つぎはみんなで『あんこ』をかこう♪」

 

千夜「いいわね、確かアンコはこんな顔で」

 

シャロ「違うわ、ここはこうでしょ」

 

 

 

――読書――

 

 

千夜「旅をするうちに、桃太郎は自分がやろうとしていたことが悪い鬼たちと何ら変わりないことを悟りました」

 

千夜「俺のやろうとしていたことは、ただの強盗じゃないか……」

 

千夜「自責の念に駆られた桃太郎は日本一の旗を捨て、猿や犬、キジたちと愚連隊を結成します」

 

ここあ「」ドキドキ

 

千夜「そして自分を幼い頃より洗脳したであろう、おじいさんとおばあさんに復讐を誓いました」

 

千夜「ウェイクアップ!ザ・ヒーロー!その名もピーチジャスティス愚連隊!」

 

千夜「村の奴らども、覚悟っ!」

 

ここあ「わぁ……!」

 

千夜「はい、1分間休憩よ」

 

ここあ「ここからどうなっちゃうのかな?」

 

千夜「桃太郎はおじいさんたちと無事和解できるかしらね」

 

シャロ「…………」プルプル

 

千夜「シャロちゃん?」

 

シャロ「さっきから聞いてれば、デタラメばっかり読むんじゃないわよ!」

 

シャロ「なによそのリアルな生々しい設定!?ピーチジャスティス愚連隊ってなんなの!?ヒーローでも何でもないじゃない!」

 

千夜「いわゆるダークヒーローね」

 

シャロ「子供の絵本にダークヒーローなんか出すなぁ!」

 

千夜「ここあちゃん、シャロちゃんが怒ってるわ~」

 

ここあ「しゃろちゃんごめんね?おもしろくない?」

 

シャロ「そんなことないわ、悪いのは全部千夜よ」ナデナデ

 

シャロ「次からはわたしが読むからね、千夜のデタラメ話は教育に悪いから」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

千夜「この後鬼たちと同盟を結んで、桃太郎が村の人たちと全面的に争うことになるんだけど」

 

シャロ「血なまぐさすぎるわよっ!!」

 

 

 

――ぬいぐるみ遊び――

 

 

ここあ「わたしはまほうつかいだよ~。ねがいをなんでもかなえてあげる」

 

千夜「魔法使いさん、隣の町に住んでいるシャロうさぎさんに会わせてください」

 

シャロ「まさか、本当にもう一度会えるの……?」

 

ここあ「ちやうさぎさんを、しゃろうさぎさんのそばにとどけるよ」

 

ここあ「かふぇらて~かふぇもか~――かぷちーの!」

 

千夜「身体が……浮いてる!」

 

シャロ「千夜うさぎさん!」

 

ここあ「ふたりともしあわせになーれ♪」

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

ここあ「………………」ウツラウツラ

 

ここあ「…………すぅ」

 

ここあ「…………」Zzz

 

シャロ「………………」ナデナデ

 

千夜「……寝ちゃったわ」クスッ

 

シャロ「たくさん遊んだものね」

 

千夜「もう夕方かしら」

 

シャロ「5時41分……あと1時間くらいでリゼ先輩が帰ってくるわね」

 

千夜「お疲れ様、シャロちゃん」

 

シャロ「千夜こそね。疲れたでしょう」

 

千夜「わたしは平気よ」

 

千夜「シャロちゃんこそ良かったの?せっかくのお休みだったのに」

 

シャロ「ここあと遊べたんだもの、家で寝ているよりずっと充実してたわ」

 

千夜「3人でこうして遊んだのってなんだか久しぶりね」

 

シャロ「リゼ先輩が合宿に行った時以来かしら。あの時はここあが寂しさのあまり、リゼ先輩と電話で喧嘩しちゃって」

 

千夜「懐かしいわ、シャロちゃんと二人で泣くのを慰めたっけ」

 

シャロ「最後は千夜のおかげで無事仲直りできたけど」

 

千夜「あれはシャロちゃんのおかげよ?」

 

シャロ「わたしは何もしてないわよ。今日だって千夜に引っ張ってもらってばっかりだったし」

 

千夜「ここあちゃんのことを見に行こうって誘ってくれたのはシャロちゃんよ。使用人さんへの差し入れもね」

 

千夜「リゼちゃんシックになったあの時も、元気づけてあげたのはわたしじゃなくてシャロちゃんだったわ」

 

シャロ「…………」

 

千夜「ねっ……?わたし一人だと、結局何もできなかった」

 

シャロ「……わたしも、一人じゃそんなことできないわよ」

 

シャロ「千夜がいるからだし……//」バサッ

 

千夜「ふふっ。わたしたち、二人で一人?」

 

シャロ「……かもね//

 

千夜「それならこれからもずっと一緒ね、安心だわ」

 

シャロ「…………//

 

千夜「リゼちゃんが戻ってきたら、帰りましょうか」

 

シャロ「うん……」

 

千夜「おやすみなさい、シャロちゃん」

 

シャロ「ん……寝ちゃダメよ」

 

千夜「シャロちゃんも」

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――PM6:46 リゼの部屋――

 

 

リゼ「ただいま」ガチャッ

 

ここあ「りぜちゃん、おかえりなさい」タタタ

 

リゼ「ああ、遅くなってごめんな」ナデナデ

 

リゼ「身体痛くないか?咳も頭痛も無いか?」

 

ここあ「へいきだよっ」

 

リゼ「やっぱり思い過ごしだったか、ここあが病気じゃなくて良かった」

 

ここあ「りぜちゃん、しーっ」

 

リゼ「?」

 

ここあ「べっど、みて?」

 

リゼ「ベッド……――!」

 

千夜シャロ「すぅ…………」Zzz

 

リゼ「千夜とシャロ……遊びに来てたのか」

 

ここあ「おひるまえからずっとあそんでくれてたんだよ」

 

リゼ「楽しかったか?」

 

ここあ「うん、りぜちゃんのべっどにみんなでもぐってたの」

 

リゼ「そうか……なら、ちゃんとお返ししないとな」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

リゼ「二人に晩御飯作ってあげないか?」

 

ここあ「!」

 

リゼ「この前一緒に作った、ここあのオムライスはどうだ?」

 

ここあ「うん……!りぜちゃんといっしょにつくりたい……!」

 

リゼ「ならキッチンまで行くか。おいで、ここあ」

 

ここあ「んっ//」ギュッ

 

リゼ「よっと……」ヒョイ

 

ここあ「ちやちゃんとしゃろちゃん、よろこんでくれるかな?」

 

リゼ「きっといっぱいほめてくれるぞ」

 

ここあ「えへへ、ふたりでがんばろうね//

 

リゼ「ああ、たくさん驚かせてやろうな」

 

ここあ「ん……りぜちゃん//」ポスッ

 

 

ここあ「すき……//」スリスリ

 

 

リゼ「ふふっ//」ニコッ

 

 

リゼ「わたしもだぞ//

 

――ホッペ チュッ

 

ここあ「んっ……//

 

 

――おしまい♪

感想

  1. Beyond the Average より:

    ついにごちうさSS160作目ですね。お疲れさまです!
    ここあと千夜シャロいいですね!千夜のボケやジョークはいつも読んでて楽しいです!
    今回は気になる要素満載でした。リゼの家からの電話も気になりますが(誰がかけたかはわかりませんが喋るだけでなく動くんですね、あの人形…。ティッピー並に奇妙です。)、実は私は千夜の解いてた問題が気になってしまいまして(笑)。いろいろ試行錯誤したのですが
    29×43=1247
    29÷43=0.6744…→上2桁が67(?)
    (…掛けて1247を探すのが大変でしたが、すごい達成感(笑)。)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます、このまま200作目までノンストップで歩んでいきたいと思います!
      それと、返信遅くなってごめんなさい;

      千夜ちゃんのジョーク、今作でも見事に大うけでした。千夜ちゃんの可愛さはこういったところにあると思うのです。
      ここあちゃんがピンチに陥った時、ここあちゃんを守るためにリゼちゃんぬいぐるみは本来の力を発揮するのかもしれませんね。
      リゼちゃんの残留思念もあながち間違いでは無いのかもしれません。

      変わったところに目を付けられましたね。
      とりあえず、わざわざ計算お疲れ様でした。

  2. ss読むの大好き より:

    今回のは、少しミステリアスだなと感じました。

    結局、千夜たちに電話をかけたのは誰か気になる

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      申し訳ありません、返信遅くなりました。
      リゼちゃんのぬいぐるみが廊下に落ちていた、つまり……ゴクリ

  3. 匿名 より:

    このSSのキャラって全般的に言うとで僕からの想像としては――――

    ココア:出番はリゼと共に非常に多く、リゼとの百合ネタが多い、主なネタとしては幼少期ネタやヤンデレの加害者にするなどネタさまざま

    チノ:出番は比較的多い、ネタとしてはなんと言っても嫉妬ネタや幼少期のココアの補佐役 (?) 的な役割を担当している。

    リゼ:ココアと共に出番が多い、ネタとしては幼少期のココアとの付き添いやヤンデレの被害者になられたりすることが多い。また、たまにではあるが、激怒や大激怒することもある。

    千夜:出番は比較的少ないが、主なネタとしてはしょんぼりになってリゼと百合ネタが多い、そのためか、ヤンデレになって相手を被害者ネタにするなど、出番少ないにしてはさまざまなネタを使ってる。

    シャロ:SSの中では一番出番が少ない。(多分) 主なネタとしては原作と同じく千夜と一緒にいることが多い。またしょんぼりシリーズではたまに出てる。

    とまあ、こんな感じでしょうか?長文失礼しました。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      この場はあくまで当作品に対する批評や考察、ご感想に関する場所ゆえ、私的な見解の前にご感想を添えて頂けると助かります。

      ネタ、と表現されておりますが。
      わたしが掲げているのはあくまで作品のテーマです、百合やカップリングを主体に置く気は微塵もございません。
      ションボリ千夜ちゃんシリーズは『人の二面性』を、ここあちゃんシリーズでは『家族愛・優しさ』といった具合ですね。
      それぞれの出番の多寡はシリーズSSに影響されており、どうしても全てでメインを務めるリゼちゃんが一番多く、メインを持たないシャロちゃんが一番少なくなってしまいます。
      SSといえども、当サイトの作品には全てカタルシスを埋め込んでおります。
      キャラクターではなくその作品のテーマを読み取り、お楽しみいただけますとわたしとしましては嬉しい限りです。

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