ごちうさSS ここあ「チノちゃんのお誕生日をお祝いするよ」

 

――

――――

――――――

 

――PM 1:14 天々座家 客室――

 

 

メグ「今年はどうしよっか」

 

マヤ「ここあもいるし、去年以上に盛大にいかないとね」

 

ここあ「ちのちゃんのためにごはんをつくるよ!」ピョン

 

メグ「そっかぁ~ここあちゃんは料理が出来るもんね」

 

マヤ「まずはディナーの準備か、さすがにここあ一人じゃ無理だよね」

 

ここあ「りぜちゃんもりょうりじょうずだよ?」

 

マヤ「リゼとここあ……あと二人くらい欲しいな」

 

メグ「リゼさんのおうちのメイドさん達にお願いする?」

 

マヤ「それだと反則っぽくない?やっぱり私たちの輪でなんとかしないとさ」

 

メグ「それじゃあ千夜さんとシャロさんにも手伝ってもらおう」

 

マヤ「結局いつものメンバーかぁ」

 

メグ「みんなで力を合わせれば作れるよ」

 

マヤ「よーし、それじゃあまずは人材集めだ!」

 

ここあ「でもりぜちゃん、きょうはらびっとはうすだよ?」キョトン

 

マヤ&メグ「え…………」

 

 

マヤ&メグ「ええ~っ!!?」

 

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

マヤ「どうりでさっきからリゼの姿が無いと思った~!」

 

メグ「休日でもわたしたち以外はみんな普通にお仕事だもんね、うっかりしてたよ」

 

ここあ「きょうは『ゆうがた』までだっていってた」

 

マヤ「ということは、まさか……!」

 

ここあ「?」

 

 

 

――甘兎庵――

 

 

千夜「いらっしゃいませー」

 

 

マドノソト

 

マヤ&メグ「………………」

 

 

――フルール ド ラパン――

 

 

シャロ「1名様ですね、どうぞこちらにー」

 

 

マドノソト

 

マヤ&メグ「」

 

 

――ラビットハウス――

 

 

リゼ「今日も暇だな……」

 

チノ「お客さん、来ませんね」

 

 

マドノソト

 

マヤ&メグ「」

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

マヤ「みんな仕事じゃん!?」

 

メグ「どうしよう、わたしたちはほとんど戦力外だし」オロオロ

 

ここあ「………………」

 

マヤ「うぅ……やっぱりリゼの家のメイドさんにお願いするしかないか」ガックリ

 

メグ「リゼさんが頼んでくれたらきっと手伝ってもらえるよ」

 

マヤ「しょうがない、まずはリゼに電話して――」

 

ここあ「まって、まやちゃんめぐちゃん」

 

マヤ「?」

 

メグ「ここあちゃん?」

 

ここあ「おてつだいしてくれるひと、ほかにもたくさんいるよ」

 

マヤ「ほんとか!」

 

メグ「心当たりあるの?」

 

ここあ「うん!わたしにまかせなさーい♪」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

――ラビットハウス――

 

 

ここあ「こっちこっち」

 

メグ「ラビットハウスの裏口?」

 

マヤ「リゼを引き抜いたらチノにバレちゃうぞ?」

 

ここあ「ううん、りぜちゃんじゃないよ」

 

マヤ&メグ「…………?」

 

ここあ「おじゃまします」ガチャッ

 

 

 

マヤ「ここって……」

 

ここあ「たかひろさん」コンコン

 

メグ「!」

 

タカヒロ「入っていいよ」

 

ここあ「おじゃましまーす」スッ

 

タカヒロ「おや……ここあくん?」

 

ここあ「しーっ」

 

タカヒロ「ふっ……了解だよ」

 

ここあ「あのね、たかひろさん?きょうはちのちゃんのおたんじょうびで、わたしたち『おいわい』したいの」

 

ここあ「でもね、りぜちゃんたちがいそがしくて、てつだってくれるひとがだれもいなくて」

 

タカヒロ「なるほど……」

 

ここあ「おねがいします、いっしょにてつだってください」ペコリ

 

タカヒロ「………………」

 

マヤ「ここあ……」アセアセ

 

メグ「……お願いします、チノちゃんのお父さん」ペコリ

 

マヤ「!……メグ」

 

マヤ「…………っ」グッ

 

マヤ「わたしからも、お願いします」ペコリ

 

タカヒロ「……………………」

 

タカヒロ「ふっ……」スッ

 

――ポンッ

 

ここあ「?」

 

タカヒロ「ここあくん、お手柄だね」

 

タカヒロ「マヤくんもメグくんも、顔を上げなさい」

 

メグ「!」

 

マヤ「チノのお父さん……」

 

タカヒロ「こちらからもお願いするよ、ぜひ手伝わせてほしい」

 

ここあ「ほんと!」

 

タカヒロ「ああ、チノのためにわざわざこうやって頼みに来てくれたことが嬉しくてね」ヒョイ

 

ここあ「わわっ」

 

タカヒロ「ここあくん、ありがとう。二人も、連れてきてくれてありがとう」

 

タカヒロ「俺で良ければ、力になるよ」キラン

 

 

マヤ&メグ「……!」パアァ

 

マヤ「やったぁ!」

 

メグ「マヤちゃん、しーっ……!」

 

ここあ「たかひろさん、ありがとう//」ギュッ

 

タカヒロ「可愛い娘の頼みだからね」ナデナデ

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

――甘兎庵――

 

 

マヤ「千夜のおばあさんはさすがに無理じゃね……?」

 

メグ「一度会ったことあるけどすごく優しい人だったよ、きっと大丈夫」

 

ここあ「おばあちゃん?」ガチャッ

 

お婆「んっ……誰だい?」

 

ここあ「わたしだよ~。はいっていい?」

 

お婆「裏口から来るんじゃないよ。いいよ、上がんな」

 

ここあ「おじゃまします」

 

お婆「千夜に用かい?」

 

ここあ「ううん、おばあちゃんだよ」

 

お婆「?」

 

ここあ「しーっ、ちやちゃんにはないしょにしてて?」

 

お婆「……話しな」

 

マヤ&メグ「…………」ゴクリ

 

ここあ「あのね――」

 

 

 

 

お婆「つまり、友達の誕生日を祝うために人手が欲しいってことかい」

 

ここあ「ちのちゃん、あまうさあんの『もなか』がだいすきなの。でも、つくれるのはちやちゃんとおばあちゃんだけだから」

 

お婆「用件はわかったよ」

 

ここあ「おばあちゃん、おねがいします」ペコリ

 

お婆「………………」

 

お婆「甘兎庵の味はね、そう簡単に安売りできるもんじゃないんだ」

 

お婆「振舞うからにはそれ相応の見返りが必要だ、あるのかい?」

 

ここあ「みかえり……?おれいのこと?」

 

お婆「そうさ、高くつくよ」

 

ここあ「………………」

 

マヤ(お、お金……?)ビクビク

 

メグ「ここあちゃん……」

 

ここあ「わかった……てつだってもらうかわりに、おばあちゃんのおねがいなんでもひとつきいてあげる」

 

お婆「なんでも……なるほどね」

 

ここあ「それじゃあだめ?」

 

お婆「…………」スッ

 

ここあ「?」

 

お婆「今度、また泊まりに来な。破ったら承知しないよ」ポンッ

 

ここあ「……!」パアァ

 

ここあ「うん……!おばあちゃん、ありがとう//」ニヘラ

 

お婆「用意しておくから、夕方ごろに取りに来な」

 

ここあ「またいっしょにあそぼうね♪」ギュッ

 

お婆「…………」ナデナデ

 

マヤ(優しい……さすがは千夜のおばあちゃん)

 

メグ(みんなここあちゃんのこと大好きなんだろうな)ニコニコ

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

マヤ「ここあのおかげで人手が揃ってきたよ!」

 

メグ「あとはパーティーグッズの準備とプレゼントかな」

 

ここあ「ううん、もっとたくさん」

 

ここあ「つぎはこっち」タタタ

 

マヤ「まだいるのか?」

 

メグ「もしかしてリゼさんの幼馴染の人?」

 

 

 

――シャロの家 玄関前――

 

 

メグ「シャロさんのおうち……」

 

マヤ「こんなところでどうするんだ、ここあ?」

 

ここあ「わいるどぎーす」

 

ワイルドギース「…………」ヒョコ

 

ここあ「おいで~」

 

ワイルドギース「」ピョンピョン

 

ここあ「あのね、わたしたちゆらちゃんのことをさがしてるの」

 

ここあ「いつも『ふきや』をもってるひとだよ」

 

ワイルドギース「…………」

 

ここあ「でもいばしょがわからなくて……わいるどぎーす、ゆらちゃんのばしょしらない?」

 

ワイルドギース「」フン

 

ここあ「しってる……?しってるんだね!」

 

ワイルドギース「」プイッ

 

ここあ「あとでにんじんあげるからおしえて?」

 

ワイルドギース「」ピクッ

 

ワイルドギース「………………」

 

ここあ「だめ?それなら2ほん!」

 

ワイルドギース「」コクリ

 

ワイルドギース「」ピョンピョン

 

ここあ「やった!まやちゃんめぐちゃん、いこっ!」

 

メグ「ここあちゃん、うさぎと話せるの?」

 

マヤ「見失っちゃうぞ!メグ、ここあ、急げ!」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

メグ「あっ……あれ!」

 

マヤ「発見!ユラ~!」

 

ユラ「ん~?」

 

ここあ「ゆらちゃーん」ブンブン

 

ユラ「ここあちゃん~マヤちゃんとメグちゃんも~」

 

マヤ「まさかほんとに見つかるなんて……!」

 

メグ「ここあちゃんとワイルドギースのおかげだね」

 

ここあ「わいるどぎーす、ありがとう」

 

ワイルドギース「」フンス

 

ユラ「うさぎの案内人~?よしよし」ナデナデ

 

ワイルドギース「」バシッ ニンジン

 

ユラ「あっ、それ今買ってきた晩御飯のおかず~」

 

ここあ「わいるどぎーす、だめだよ!」

 

ワイルドギース「?」

 

ユラ「いいんだよここあちゃん~また買えばいいしさ~」

 

ユラ「ところでユラちゃんになにかご用~?」

 

ここあ「うん!あのね――」

 

 

 

 

ユラ「チノちゃんのお誕生日会かぁ~」

 

ここあ「ゆらちゃん、いっしょにおてつだいして?」

 

ユラ「もちろん、頼りにしてよ~」

 

ここあ「ありがとう!」ニコッ

 

ユラ「今はどんな感じ~?」

 

マヤ「千夜のおばあちゃんがデザートを作ってくれてて、チノのお父さんが料理をしてくれてるよ」

 

ユラ「料理にもう一人くらい欲しいところだね~そっちにまわろっか~」

 

ここあ「ううん、りょうりのほうはだいじょーぶ」

 

メグ「え?」

 

ここあ「あとひとりいるよ!」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

――天々座家――

 

 

ユラ「そういえばリゼのお父さんが残ってたね~」

 

ここあ「おとうさん、いる?」トントン

 

リゼ父「入れ」

 

ここあ「おじゃまします」ガチャッ

 

リゼ父「んっ……小さいの二人と、お前も一緒か」バサッ

 

ユラ「やっほ~」

 

リゼ父「なにか用か?」

 

ここあ「おとうさんにおねがいがあってきたの」

 

リゼ父「俺にお願い……!なんだ、言ってみろ?」

 

ユラ(すごくうれしそう~)

 

ここあ「あのね――」カクカクシカジカ

 

 

 

 

リゼ父「タカヒロの娘の誕生日会か」

 

ユラ「リゼのお父さん料理上手でしょ~良いとこ見せてよぉ」

 

ここあ「おとうさん、いっしょにてつだって?」

 

リゼ父「娘の頼みならしょうがないな」スッ

 

ここあ「ありがとう//」ニコッ

 

リゼ父「頼れる父親である俺を真っ先に頼りにするとは」フッ

 

マヤ「ううん、リゼのお父さんは一番最後だよ」

 

リゼ父「っ!?」

 

メグ「他の人にはもう頼んできました」

 

リゼ父「!?」

 

ユラ「タカヒロさんだっけ?チノちゃんのお父さんが今頃ここのダイニングで頑張ってくれてると思うな~」

 

リゼ父「タカヒロよりも後だと!?」ガーン

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

リゼ父「……俺は、そんなに頼りにならないのか」ガクッ

 

メグ(見た目より繊細な人……?)

 

ユラ「でも挽回のチャンスじゃない~?このままだとタカヒロさんにここあちゃん取られるよ~?」

 

リゼ父「そうだった!くじけている場合じゃない!」

 

リゼ父「俺がとびきりうまいのを作ってやる、安心しろ」ポンッ

 

リゼ父「タカヒロ~!」ダダッ

 

マヤ「いっちゃった……」

 

ユラ「ここあちゃん、どうして最初にリゼのお父さんに頼らなかったの?」

 

ここあ「おとうさんやさしいから、きっとわたしたちがしなくてもぜんぶやってくれるとおもったから」

 

ここあ「わたしたちのちからでがんばるって、まやちゃんとめぐちゃんとやくそくしたの」ニコッ

 

メグ「ここあちゃん……!偉いね」

 

マヤ「それでこそチマメコ隊の一員だ!」

 

ユラ(リゼのお父さんには後で理由教えてあげよっか~)

 

ユラ「これで人手不足は解決だね~あとはプレゼントかな~」

 

マヤ「そうだ、今日中に買いに行かなきゃ!」

 

メグ「今からお店まで行く?」

 

ユラ「それがいいね~」

 

ここあ「ゆらちゃん、わたしは?」

 

ユラ「ここあちゃんはユラちゃんと一緒に料理のお手伝いしておこっか~。リゼたちの仕事が終わったらみんなで買いに行こ~」

 

マヤ「そうと決まれば行動開始だ!行くぞメグ~!」

 

メグ「あっ、マヤちゃん待って~!」

 

ユラ「さて、それじゃあわたしたちも頑張ろっか~」ヒョイ

 

ここあ「わぁ……ゆらちゃんのだっこ//

 

ユラ「ここあちゃんはあったかいね~」スリスリ

 

ここあ「んっ……//

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

――夕方 フルールドラパン――

 

 

シャロ「ふぅ…………」

 

シャロ(やっと終わった……今日は124日、チノちゃんのお誕生日)

 

シャロ(帰ったら千夜と一緒にプレゼントを買いに行かないと)ガチャッ

 

??「迷える子羊よ~」

 

シャロ「ひっ!?」

 

??「我が名はケルベロス~お主を幸福の運命に導きに参った~」

 

シャロ「だ、誰!?」

 

ユラ「そんなに驚かなくても~」ヌギッ

 

シャロ「へ……吹き矢部長?」

 

ユラ「このコスプレここあちゃんは可愛いって言ってくれたのに~」

 

ここあ「かわいいよ、ゆらちゃんのけるべろす♪」

 

シャロ「ここあ!」

 

ここあ「しゃろちゃん、ちのちゃんの『たんじょうびぷれぜんと』かいにいこう?」

 

シャロ「もしかして二人で誘いに来てくれたんですか?」

 

ユラ「そうだよ~このまま千夜ちゃんとリゼも誘っちゃおうか」

 

ユラ「急いでシャロちゃん~」

 

シャロ「ぅえ!?ちょっと待ってください!」

 

ここあ「しゃろちゃんだいじょうぶ?にもつかして?」

 

シャロ「ここあ……ありがとう、大丈夫よ」ナデナデ

 

シャロ「優しいわね」ギュッ

 

ここあ「あ……えへへ//」ニコッ

 

 

 

――甘兎庵――

 

 

千夜「おばあちゃん、どうしてそんなに和菓子作ってるの?今日はもうおしまいよ?」

 

お婆「これはお店のやつじゃない、人に贈るやつだよ」

 

千夜「そんなにたくさん?」

 

お婆「時間がないんだから向こうに行ってな」

 

千夜「?」

 

ここあ「ちやちゃーん!」

 

千夜「あら、ここあちゃんね」

 

お婆「もう来たのかい」

 

 

 

千夜「ここあちゃんいらっしゃい、遊びに来てくれたの?」

 

ここあ「ううん、ちやちゃんをさそいにきたの」

 

千夜「お誘い……もしかしてチノちゃんの誕生日?」

 

シャロ「そうよ、今から買いに行きましょ」

 

ユラ「ユラちゃん良い店知ってるからさ~」

 

千夜「くすっ、わかりました」ニコッ

 

お婆「あと少しばかり時間もらえるかい?」ヒソッ

 

ここあ「だいじょーぶ、いまからみんなで『かいもの』なの」

 

お婆「そうかい、なら帰りに取りにおいで」

 

ここあ「おばあちゃん、おひるからずっとがんばってくれてるの?」

 

お婆「大したことじゃないよ、これくらい」

 

ここあ「こんど『まっさーじ』するね、かたたたきも」

 

お婆「いいから早く行ってきな」

 

ここあ「はーい」

 

千夜「おばあちゃん、行ってきます」フリフリ

 

お婆「………………」

 

アンコ「」ヒョコヒョコ

 

お婆「……もうひと頑張りするかね、アンコ」

 

アンコ「」コクコク

 

お婆「やれやれ、老体にはきついよ」

 

アンコ「」フンス

 

 

 

――ラビットハウス――

 

 

チノ「今日も無事終わりましたね」

 

リゼ「ああ、そうだな」

 

リゼ(帰ったらここあと一緒にチノのプレゼントを買いに行くか)

 

チノ「そういえば今日は父の姿を見かけませんね」キョロキョロ

 

 

マヤ&メグ「おじゃましまーす!」ガチャッ

 

 

リゼ「!」

 

チノ「マヤさんとメグさん?」

 

リゼ「もう閉店だぞ?」

 

マヤ「だから来たんだよ。ほらチノ、外に行こう」グイッ

 

チノ「えっ?」

 

メグ「3人でゆっくりお話ししたいな~」

 

チノ「待ってください、いきなりなんですか」アセアセ

 

マヤ「」クイッ

 

リゼ「?」

 

メグ「チノちゃん行こ~」

 

チノ「あっ」

 

ガチャッ バタン

 

 

リゼ(なんだったんだいったい……?)

 

 

ここあ「りぜちゃん」

 

リゼ「!」

 

ここあ「」ヒョイヒョイ

 

リゼ「ここあ!」

 

ここあ「しーっ……」

 

リゼ「?」

 

千夜「リゼちゃん、はやく」

 

リゼ「千夜……!」

 

シャロ「マヤちゃんとメグちゃんがチノちゃんを引き付けている間に」

 

リゼ「シャロ」

 

ユラ「急いでリゼ~」

 

リゼ「ユラまで、どうしたんだ?」

 

ここあ「みんなでおかいものにいこう、ちのちゃんのぷれぜんと」

 

リゼ「!」

 

ユラ「いよいよ大詰めだね~ここあちゃん」ヒソッ

 

ここあ「かえりみちまで、みんなにはないしょにしてて」ヒソッ

 

ユラ「了解だよ~チノちゃんもみんなも、喜んでくれるといいね」

 

ここあ「うん//」ニコッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

――PM6:14――

 

 

ユラ「みんな無事に買えてなにより~」

 

リゼ「電化製品から雑貨まで……変なお店だったな」

 

千夜「ユラ先輩色んなお店を知ってるんですね」

 

シャロ「おかげさまで助かりました」

 

ユラ「ふふっ~喜んでもらえて鼻高々だよ~」ムフー

 

リゼ「それじゃあこのままラビットハウスにみんなで」

 

 

ここあ「まって!」

 

全「?」

 

ここあ「このまま『あまうさあん』と『りぜちゃんのおうち』にいこう」

 

シャロ「どういうこと?」

 

ここあ「あのね……じつは――」

 

ユラ「♪」クスッ

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

 

――公園――

 

マヤ「うぅ~寒い~」

 

チノ「こんなところでなにを話すんですか?」ブルブル

 

メグ「そうだねぇ、人生のこととか?」

 

チノ「冬ざれの公園で人生相談!?」

 

 

Prrrrrrrrrrr――

 

 

マヤ「あっ、やっときた!」ピッ

 

マヤ「遅いよ~ここあ」

 

マヤ「――よし、準備オッケーだな」

 

メグ「チノちゃん、そろそろ帰ろっか」

 

チノ「まだなにもしてませんよ!」

 

マヤ「細かいことはいいから早く、凍え死ぬじゃん」グイッ

 

チノ「マヤさんたちが連れてきたのに!?」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

――ラビットハウス――

 

 

マヤ「チノ、早く早く」

 

メグ「チノちゃんが開けて」

 

チノ「……?」

 

 

 

――ガチャッ

 

 

 

『お誕生日、おめでとう!!』

 

 

 

チノ「!」

 

マヤ「おめでとー!」パンッ!

 

メグ「ハッピーバースデ~♪」パンッ!

 

チノ「ぇえ!?」

 

タカヒロ「おめでとう、チノ」パチパチ

 

チノ「お父さんまで……これは……//」アセアセ

 

千夜「チノちゃんのお誕生日会よ」

 

シャロ「わたしたちもびっくりしたわ」

 

リゼ「ここあとマヤ、メグたちのおかげだ」

 

チノ「え……」

 

ここあ「ちのちゃん」ヒョコ

 

チノ「ここあさん……!」

 

マヤ「チノ、今日のパーティーは全部ここあのおかげなんだよ」

 

メグ「チノちゃんのお父さんや千夜さんのおばあさん、リゼさんのお父さんやユラさん、ここあちゃんがみんなに協力をお願いしてくれたの」

 

マヤ「チノのために頑張ったんだぞ、なぁここあ?」

 

ここあ「うん!」

 

チノ「……!」

 

ここあ「りぜちゃんたちがいなかったけど……でも、どうしても『ちのちゃん』のことおいわいしたかったから」

 

ここあ「ちのちゃん、おたんじょうびおめでとう//」ニコッ

 

 

全「」パチパチパチ!

 

 

チノ「………………」

 

ここあ「ちのちゃん?」

                 

 

チノ「」ポロポロ

 

 

マヤ「チノ、泣くなよー!?」アセアセ

 

メグ「チノちゃん、ハンカチ使う?」

 

チノ「ここあさん……」ヒョイ

 

ここあ「ちのちゃん……?」

 

チノ「ありがとうございます、嬉しいですよ……っ」ギュッ

 

チノ「今日のこと、ずっと忘れません……//」ポロポロ

 

チノ「マヤさんも、メグさんも……みなさん、ありがとうございます//」グスッ

 

ここあ「さぷらいずせいこう?」

 

チノ「はい、大成功です……//」ニコッ

 

ここあ「わーい♪」

 

 

ワイワイ ガヤガヤ

 

 

リゼ父「幸せそうだな……」

 

タカヒロ「ああ、ここあくんのおかげだ」

 

リゼ父「俺のおかげはないのか?」

 

タカヒロ「ふっ……」

 

リゼ父「あのおっかない婆さんにも、お礼くらい言っておけよ」

 

タカヒロ「千夜くんのお婆さんか。そうだな、明日にでも訪ねよう」

 

リゼ父「今日はご苦労だったな、タカヒロ」

 

タカヒロ「お前もな。また明日の夜にでも、ゆっくりきてくれ」

 

 

 

ここあ「りぜちゃん?ちのちゃんよろこんでくれたよ//

 

リゼ「良かったな♪」ヒョイ

 

ここあ「んっ……りぜちゃん……//」スリスリ

 

リゼ「どうしたんだ?」ナデナデ

 

ここあ「きょうがんばったから……おうちにかえったら、いっぱいほめてくれる?」

 

リゼ「ああ、たくさん撫でてやるぞ」

 

リゼ「チノのために……ありがとう、ここあ」

 

リゼ「お前はやっぱり天使だよ」ギュッ

 

ここあ「えへへ//

 

 

 

シャロ「今日はマヤちゃんとメグちゃん、ここあのお手柄ね」

 

千夜「…………」キョロキョロ

 

シャロ「どうしたの、千夜?」

 

千夜「ここあちゃんと仲良しの使用人さんがいないわ」

 

シャロ「今日は来てないんじゃない?」

 

千夜「せっかくだし呼んであげましょう」ピッ

 

シャロ「そんな理由で電話していいの?」

 

千夜「いつでもかけてきてくださいって言ってたわ」

 

ユラ「お待たせ~」ガチャッ

 

千夜シャロ「!」

 

使用人「あっしは今回は遠慮しますと何度も……!」グイッ

 

ユラ「呼んできてほしいってリゼの頼みなんだよ~ここまで来たなら観念しよ~?」

 

シャロ「吹き矢部長!姿が見えないと思ったら、使用人さんのこと呼びに行ってたんですね」

 

千夜「使用人さん、こんばんは」ニコッ

 

使用人「あっ……どうも……」ペコリ

 

ユラ「ほっぺた赤いね~?」ムフー

 

使用人「外が寒かったからです」

 

 

 

チノ「………………」

 

マヤ「チノ、暗い顔してどうしたんだよ?」

 

メグ「もっと笑って~今日はチノちゃんが主役だよ?」

 

チノ「あっ、はい……」

 

チノ「マヤさんメグさん、今日はありがとうございました」

 

マヤ「来年はもっとすごいサプライズにするからな!」

 

メグ「コマメ隊に任せて」

 

チノ「お二人が……いえ」

 

チノ「ここあさんたち……ここにいるみんなが来年も側にいてくだされば、それで充分です」

 

マヤ「……!」

 

メグ「チノちゃん……」

 

マヤ「チノーっ!ずっと一緒だからなぁ!」ギュッ

 

メグ「チマメ隊も永遠だよ~!」ギュッ

 

チノ「きゃっ……ふふ//

 

 

タカヒロ「ガレット・デ・ロワを始めよう。みんな、おいで」

 

マヤ「おおー、王様ゲームのあれだ!」

 

メグ「チノちゃん、いこう」

 

チノ(……おかあさん)

 

 

 

チノ(わたし――こんなに幸せですよ//)ニコッ

 

 

 

――おしまい?

 

 

 

 

――深夜 甘兎庵――

 

 

千夜「おばあちゃんも一緒に来ればよかったのに」

 

お婆「そんな元気があるかい、あんなじじいの店でパーティーなんぞお断りだよ」

 

千夜「ならウチで催せば良かったわね」

 

お婆「ふん……」

 

千夜「おばあちゃん」

 

お婆「ん?」

 

千夜「ここあちゃんのお願い……聞いてくれてありがとう」

 

お婆「あくまで交換条件だからね、お礼を言われることじゃないよ」

 

千夜「ここあちゃんのこと好きなら好きって言えばいいのに」クスッ

 

お婆「千夜、久々にげんこつされたいのかい?」

 

千夜「おやすみなさーい」タタッ

 

お婆「………………」

 

アンコ「」ピョンピョン

 

お婆「…………」

 

――ナデナデ

 

アンコ「♪」

 

 

――おしまい♪

感想

  1. Beyond the Average より:

    まずこれを言わせて下さい。これは砂水クジラさんの最高傑作です!!
    特にラストのチノに感動しました!
    前回のチノの誕生日よりも盛大にお祝いできて大変良かったです!
    (以上、12/4にユ○ートでごちうさの曲をやりながらチノの誕生日を祝ったBeyondでした。)
    あと、最近ユラ先輩良いな~と思うようになってきました。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      最高傑作……!
      身に余るお言葉、ありがとうございます。
      去年は嫉妬シリーズでしたので、今年はここあちゃんシリーズで温かくお祝いしてあげようと考えました。
      ここあちゃんたちが大人たちと一緒に頑張る、というのが当初のテーマでしたが良いものになって一安心です。

      ユラ先輩、以前の活躍により見事レギュラー入りを果たしましたね。
      実はわたしも描いていて楽しいお気に入りのキャラです。
      空気が読めて裏方に回れるユラ先輩は、千夜ちゃんと同じくここあちゃんとリゼちゃんたちを今後もサポートしてくれることでしょう。
      更なる活躍にご期待ください。

  2. ラビットタンク より:

    最近全然見れる機会が無かったのでコメントを残せず申し訳ありませんでした!!
    改めて、今年ももうすぐ終わる中、チノちゃんの誕生日が訪れましたね。話を読んでる限り、ここあやチマメもみんな楽しそうな情景が思い浮かび、読んでるこちらも幸せです。
    もう一層四人組になればいいじゃないですか?少し語呂変えてコマメch…………((殴

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ラビットタンクさん、お久しぶりです。
      ここあちゃんたちの物語は、相変わらず優しい世界のままずっと続いておりますよ。

      ちなみに、ここあちゃんを含めたチマメ隊との4人組は、以前の『ここあさんと花火大会』のストーリーでチマメコ隊という名称になっています。

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