ごちうさSS プンスカチノちゃん

 

――――――

――――

――

 

――ラビットハウス 早朝――

 

 

 

――ガチャッ

 

リゼ「ふぅ…………」

 

リゼ「おはよう、遅くなってすまな――……?」

 

 

チノ「」プクー!

 

 

リゼ「?」

 

 

チノ「●`ε´●」プンプン!

 

 

リゼ「………………」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「………………」

 

 

リゼ(なぜか分からないが、チノの機嫌がすごく悪そうだ……)

 

 

リゼ「お、おい……チノ?」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「どうしたんだよ……何かあったのか?」

 

チノ「」ピクッ

 

チノ「なにもありませんっ!」バンッ!

 

リゼ「わっ!?」

 

チノ「今日のわたしはイライラしてます!その証拠に今朝もプリンを2口で完食しました!」

 

リゼ「落ち着けって!というかプリンを2口ってイライラとどういう関係が……」

 

チノ「とにかく、これ以上神経を逆なでするようなら例えリゼさんであろうとプンプンです!」バタバタ!

 

リゼ「分かった!分かったから暴れるな!」

 

チノ「」フンス

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ(一体なにがあったんだ……?)

 

リゼ(理由も聞けそうにないし、とりあえずココアが起きてくるまで放っておくか)

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

リゼ「……………………」

 

リゼ(とは言ったものの……)チラッ

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ(あれじゃあお客さんも寄り付きそうにないな……)

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ(仕方ない、チノの機嫌が良くなるように色々とやってみるか)

 

リゼ「…………」ピッ prrrrrrr

 

 

 

千夜「リゼちゃん、お待たせ」ガチャッ

 

リゼ「千夜。すまない、朝から呼び出して」

 

千夜「チノちゃんのご機嫌が悪いって聞いたけど」

 

リゼ「ああ……」チラッ

 

チノ「」プンプン!

 

千夜「あらあら、ぷんすかチノちゃんね」

 

リゼ「頬が膨らんで、まるでリスだな……」

 

千夜「チノちゃん、おはよう」

 

チノ「おはようございます千夜さん、今日のわたしはプンプンです」

 

千夜「なにかあったの?」

 

チノ「」プンプン!

 

千夜「ココアちゃんと喧嘩しちゃった?」

 

チノ「」プンプン!

 

千夜「黙秘みたい……ダメだわ」

 

リゼ「頼んだもの持ってきてくれたか?」

 

千夜「甘兎庵の特製モナカよね」スッ

 

リゼ「ああ、まずは食べ物で釣ってみよう」

 

千夜「チノちゃん捕獲作戦ね」クスッ

 

 

 

――作戦1 モナカで釣ろう――

 

 

コトン

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「………………」

 

リゼ(反応なし、か)

 

千夜「リゼちゃん、向こう行きましょう」グイッ

 

リゼ「あっ、おい」

 

 

ササッ

 

千夜「ここで隠れて見てれば食べてくれるかも」シーッ

 

リゼ「なるほど……」

 

千夜リゼ「………………」ジー

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「無反応だな……」

 

千夜「モナカの方を見向きもしないわね」

 

リゼ「やはり食べ物じゃダメか」

 

千夜「」クシュン!

 

リゼ「っと」

 

千夜「ごめんなさい、チノちゃんにバレちゃったかも……」

 

リゼ「寒いか?少し温度を上げよう」ピッ

 

リゼ「どうせ作戦失敗だし気にするな」

 

千夜「今度は千夜月でも……――!?」

 

リゼ「モナカが無くなってる!?」

 

 

チノ「」モグモグ!

 

 

千夜リゼ「」

 

 

チノ「」ゴクン!

 

 

千夜リゼ「………………」

 

 

チノ「」プンプン!

 

 

リゼ「早食いだと……いつの間に」

 

千夜「まさか、チノちゃんにこんな特技があったなんて……」

 

千夜「ぜひわたしにも教えて欲しいわ!」

 

リゼ「おい!?」

 

 

 

リゼ「一応モナカは食べたし、作戦成功といえるか?」

 

千夜「でもチノちゃんは相変わらず不機嫌なままね」

 

リゼ「好きなものを食べてもダメか……なら逆はどうだ?」

 

千夜「嫌いなものを?ますます機嫌を損ねないかしら」

 

リゼ「とりあえず反応を見てみよう」

 

 

 

――作戦2 アスパラを置いてみた――

 

 

コトッ

 

チノ「」プンプン!

 

 

千夜リゼ「」ササッ

 

千夜リゼ「…………」ジー

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「反応無しだな……」

 

千夜「一応醤油で味付けしておいたけど」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ(ずっと頬を膨らませたままだけど疲れないのか……)

 

千夜「もう少し様子を見ましょうか」

 

 

 

――3分経過――

 

 

チノ「」プンプン!

 

千夜リゼ「………………」

 

 

 

――5分経過――

 

 

チノ「」プンプン!

 

千夜「やっぱり嫌いなものじゃダメみたいね」

 

リゼ「怒っている割には自分の欲望に素直だな……」

 

チノ「」プンプン!

 

千夜「ごめんなさいねチノちゃん」スッ

 

リゼ「せっかく作ってくれたのに悪いな」

 

千夜「それじゃあ代わりにリゼちゃんが食べてくれる?」

 

リゼ「えっ?」

 

千夜「はい、あーん」

 

リゼ「あ、あーん……」

 

千夜「おいしい?」

 

リゼ「……うまい」モグモグ

 

千夜「よかった」ニコッ

 

 

チノ「仲間はずれにしちゃイヤですっ!!」

 

 

千夜リゼ「!?」ビクッ

 

 

チノ「!」ハッ

 

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「………………」

 

千夜「チノちゃん?」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「………………」

 

リゼ(かまってほしいだけだな、これ)

 

 

 

千夜「実はそこまで怒ってないんじゃないかしら?」

 

リゼ「でも理由を聞こうとしたら逆ギレされるし……」

 

千夜「かといって、放っておいたらもっと悪化しそうね」

 

リゼ「今回も難題だ……」ハァ

 

千夜(リゼちゃん苦労してるわ)

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

千夜「ということで助っ人を呼びました」

 

シャロ「どういうこと!?」

 

リゼ「シャロ、実は――」

 

 

 

シャロ「チノちゃんのご機嫌が悪い、ですか」

 

リゼ「ああ、まだ理由も分かってなくて」

 

シャロ「またココアが余計なことでもしちゃったんじゃないですか?」

 

リゼ「やっぱりあいつの仕業か……」

 

千夜「ココアちゃんがいてくれれば解決できそうだけど」

 

シャロ「チノちゃん?」

 

チノ「」プンプン!

 

シャロ「せめて理由だけでも教えてくれない?」

 

チノ「」プンプン!

 

シャロ「わたしたちでできることなら協力するから」

 

チノ「……………………」

 

チノ「」サッ

 

シャロ「糸電話!?」

 

 

 

 

千夜シャロリゼ「……………………」

 

チノ「……聞こえますか?」

 

リゼ「聞こえるぞ」

 

チノ「…………」

 

千夜「チノちゃん、どうしたの?」

 

チノ「事件が起こったのは、昨日の夜です」

 

チノ「わたしはあることに対してずっと以前から毎晩密かに努力を重ね、ついにその努力が実を結ぶ日だったんです」

 

チノ「しかし、運命のいたずらによってその努力の全てが一瞬で水の泡となりました」

 

シャロ(全く詳細が掴めないんだけど……)

 

チノ「神様はいつもわたしに対して意地悪なんです」

 

チノ「優しかった母は亡くなり、中学まで友達にも恵まれず……挙句の果てには昨日の絶望です……」

 

千夜「チノちゃん……」

 

チノ「ずっと耐えてきましたが、もう我慢の限界なんです!」プンプン

 

チノ「プンプンです!人生ストライキです!こうなったらコーヒーやけ飲みです!」ゴクッ

 

リゼ「おいチノ!落ち着け……」

 

チノ「あつ……っ!」

 

千夜シャロリゼ「!?」

 

チノ「…………」グスッ

 

チノ「今度は火傷です……」

 

リゼ「今のはチノのせいだろ!?」

 

チノ「とにかく!しばらくの間わたしはプンプンです!」

 

チノ「わたしの神経を逆撫でしない方法で仲間外れにすることなく、みなさんで遠回しにたくさん構ってください」

 

リゼ「無茶すぎるぞ!?というかもはや隠そうともしないのか!?」

 

チノ「プンプンですっ!プンプン……!」

 

リゼ「怒ってるのは分かったから普通に話してくれよ……」

 

 

 

チノ「」プンプン!

 

千夜「困ったわ……」

 

シャロ「結局理由も分からず終いだし」

 

リゼ「くっ……どうすればチノの機嫌が直るんだ……」

 

 

ココア「おまたせー!おはよう!」

 

千夜シャロリゼ「!」

 

ここあ「あれ、みんな?」

 

千夜「ココアちゃん!」

 

シャロ「やっと来たわね!」

 

リゼ「ココア、助けてくれ。チノが――」

 

チノ「」プンプン!

 

ココア「チノちゃんおはよう!」ギュッ

 

チノ「!」

 

ココア「ん~チノちゃんは今日もモフモフだねぇ」スリスリ

 

チノ「…………//

 

シャロ(あれ……?)

 

千夜(照れてる……?)

 

ココア「あっ、そういえばチノちゃん。タカヒロさんがこれチノちゃんのじゃないかって」スッ

 

チノ「!!」

 

シャロ「それは……?」

 

 

チノ「昨日足りなかった立体パズルの1ピースです!」

 

 

千夜リゼシャロ「」

 

リゼ「……まさか」

 

シャロ「毎晩密かに努力していたことって……」

 

千夜「昨夜の絶望って……」

 

 

チノ「♪」パアァ

 

 

リゼ「それだけのことだったのか!!?」

 

 

ココア「?」

 

 

――おしまい?

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――翌日――

 

 

リゼ「………………」

 

チノ「●`ε´●」プンプン!

 

リゼ「………………」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「………………」

 

リゼ「チノ、おはよう……」

 

チノ「」プンプン!

 

リゼ「…………」スッ

 

チノ「スルーしないでくださいっ!」バンッ!

 

リゼ「何でもないってキレるだろ!?」

 

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    今回のチノちゃんえらい大噴火ですね。

  2. 匿名 より:

    読ませて頂きました

    怒っている理由が可愛すぎる

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます。
      プンプンしているチノちゃんが描きたかったのです。←なぎさちゃん風

  3. Beyond the Average より:

    結局何でもない話(これがまた難しいのだが。)は日常系アニメの醍醐味ですよね!ごちうさだからこそいいですね。
    プンスカチノちゃんがかわいい!
    嫉妬チノにかわいい要素が追加されて、さらに良くなったと思います。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      チノちゃん嫉妬シリーズの結末や事の起こりは、いつもこんな感じですね。
      このシリーズのチノちゃんは、これからも色んな人にたくさん愛されて欲しいです。

  4. ほのうみ より:

    新作のチノちゃん嫉妬シリーズ来ましたね。

    今回もカオスでした。

    もう最高です。

    後、僕がパソコンが出来るのが仕事休みしか出来ないので、拝見するのは仕事休みしか観れませんので、宜しくお願いします。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ありがとうございます。
      チノちゃんの可愛い抵抗―――もとい、傍若無人ぶりは今後もますますパワーアップしていくことかと思います。

      パソコンでご覧になられていらっしゃるのですね。
      わたくしはいつでもお待ちしておりますよ。

  5. 東方 メルティック より:

    面白かったです。チノが、めんどくさすぎで笑えました。リゼは、いいやつだと思いました。いつか、リゼに救いはあるのかと思いたいです

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