ごちうさSS リゼ父のとある1日

 

本作は『幼いココアシリーズ』を拝読の上、お楽しみください。

 

――

――――

――――――

 

 

――AM 11:00 休日――

 

リゼ父「………………」

 

リゼ父「……暇だ」

 

リゼ父(せっかくの休日、充実させなくては明日の俺に申し訳が立たん……)

 

リゼ父「……よし、娘たちと遊ぼう」ガタッ

 

リゼ父(休日のお昼前に子供と遊んであげる父親……我ながら完璧だ)

 

リゼ父(ちゃんと構ってあげないと、良い父親の面目丸つぶれだしな)

 

リゼ父(ふっ、世話のかかる娘たちだ)フフ

 

リゼ父「さて、あいつらの部屋に突撃をかけるか」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――リゼの部屋――

 

リゼ父(今日はこのS&Wでいこう)ジャキ

 

リゼ父(小さい娘の方は最近リボルバーにハマっているらしいし、S&Wとコルトの回転式弾倉の違いでも教えてやるか)

 

リゼ父「………………」ゴクリ

 

 

――ガチャッ!

 

 

リゼ父「動くな!全員両手を頭の上に――」

 

ガラーン

 

リゼ父「……?」

 

リゼ父(出かけたのか……?まさか、俺にあいさつの一言もなく!?)

 

リゼ父「……うぅ」ガクッ

 

リゼ父(リゼがお父さんと呼んでくれなくなった時以来のショックだ……これはしばらく立ち直れん)

 

リゼ父(仕方ない、娘たちのベッドにこっそりダイブしてメンタルを回復――)フラフラ

 

使用人B「あの……?」

 

リゼ父「うぉぉ!?」ビクッ

 

使用人B「すいません、お嬢の部屋が開いていたもので……」

 

リゼ父「ごほん!あいつらは?出かけたのか?」

 

使用人B「いえ、お嬢たちでしたら裏庭の方に」

 

リゼ父「外にいるのか?」

 

使用人B「プールの用意をされていましたよ」

 

リゼ父「プールだと?」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

――ガーデン――

 

 

ここあ「りぜちゃんにはっしゃ~♪」

 

リゼ「おっと、やったなぁ」

 

ここあ「こっちだよ~!」

 

使用人「足を切るので草むらには入りませんように」

 

リゼ父「こんなところにいたのか」

 

ここあ「あっ、おとうさんだ!」

 

使用人「どうも」ペコリ

 

リゼ父「ビニールプールか、懐かしいな」

 

リゼ「なんだ親父か、何しに来た?」

 

リゼ父「お前たちの様子を見に来たんだ」

 

リゼ「ほう、水着姿を堂々と見に来たのか。この変態め」ビシャッ

 

リゼ父「違う!やめろ服が濡れるだろう」

 

ここあ「おとうさんもいっしょにあそぼっ」

 

リゼ父「やっぱりお前は優しいな。いいぞ」

 

リゼ「どこかに隠しカメラとか仕込んでないだろうな」

 

リゼ父「リゼ、俺を何だと思ってるんだ!?」

 

リゼ「まぁいい、特別に許可してやる」

 

リゼ父「俺は特別許可なのに、あいつは別にいいのか?」

 

使用人「へっ?」

 

リゼ「あいつは千夜以外には興味が無い」

 

使用人「ひでぇ誤解だ!?」

 

リゼ父「あの甘味処の子か、なるほどな」シュル

 

使用人「納得しないでくださいっ!」

 

ここあ「おとうさんかっこいい……!」

 

リゼ父「そうか?これでも鍛えてるからな」グッ

 

リゼ「ポーズをとるな!」

 

リゼ父「水鉄砲での模擬戦か」

 

リゼ「親父、下は脱がなくていいのか?」

 

リゼ父「いや……娘たちの前とはいえ、さすがに外で全裸は……」

 

リゼ「ズボンのことを言ってるんだ!誰も下着まで脱げとは言ってない!//

 

リゼ父「心配無用だ、お前たち二人の攻撃など当たらないからな」

 

リゼ「ほう、大した自信だな」

 

リゼ父「2対1でいいぞ、かかってこい。戦い方を教えてやる」

 

リゼ「だそうだ、ここあ。遠慮することは無い、いくぞ!」

 

ここあ「いえっさー!」

 

リゼ父(この水鉄砲は水圧が強いタイプか、顔に当てないようにしないと)

 

ここあ「えいっ!」ビシャ

 

リゼ父「単調だな」ヒョイ

 

リゼ「そこだ!」ビシャ

 

リゼ父「クロスファイアか、なかなか良い手だが甘い」ダダッ

 

ここあ「おとうさん、もうにげられないよ」

 

リゼ父「そう思うか?」

 

ここあ「とりゃあ!」ビシャ

 

リゼ父「ふっ!」グイッ

 

使用人「へっ――うぷ!?」

 

ここあ「あっ!」

 

リゼ父「武器だけでなく使えるものは使う。これが一流の兵士だ」ニヤ

 

使用人「盾代わりにしないでください!」ゲホッゴホッ

 

ここあ「ごめんね、だいじょうぶ?」オロオロ

 

使用人「ちいせぇお嬢、ご心配なさらず。それより反撃が来ますから……!」

 

リゼ父「終わりだ!」ビュッ!

 

ここあ「きゃっ!」

 

リゼ「ここあっ!?」

 

ここあ「あっ……」シュル

 

使用人「っ!?」サッ

 

リゼ父「隙アリだ!」ビュッ!

 

リゼ「ひゃっ!!?//

 

リゼ父「あ……」

 

使用人「…………//

 

ここあ「りぜちゃん、うえのみずぎとれちゃった~」

 

リゼ「…………っ//」プルプル

 

リゼ父「ち、違うぞ!顔を避けようとしたら結び目に当たっただけだ!お前の胸を狙ったのもわざとじゃ……!」

 

リゼ父「おい、お前からも言ってやってくれ……!」

 

使用人「自業自得かと……あっしは何も見てません、聞いてません」

 

リゼ「わたしの着替え、どこだ」キョロキョロ

 

リゼ「あった……ふふっ……」ジャキ

 

リゼ父「リゼ!誤解だ!話を聞いてくれ!」

 

リゼ「――うるさいっ!くたばれ!//」ドガドガッ!

 

リゼ父「それ模擬弾だろうな!?実弾じゃないよな!?」

 

リゼ「ハチの巣にしてやるっ!//」ドガドガッ!

 

リゼ父「うぉおぉ!」

 

ここあ「ゆうしゃさん、みずぎなおして?」

 

使用人「へい……あっしはペ○じゃないです、ご安心を」

 

ここあ「?」

 

リゼ「二度と帰ってくるなぁ!!//

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

リゼ父(追い出されてしまった……)

 

リゼ父(しばらくは許してもらえそうにないな……夕方になったら手土産でも買ってなんとか許しを乞うか)

 

リゼ父(俺の良き父親作戦が……)ハァ

 

 

――グゥ

 

 

リゼ父「んっ……そうか、もうお昼か」

 

リゼ父(仕方がない、どこかで食べるか)

 

リゼ父「なんでもいい、腹に入りさえすれば」

 

リゼ父「おっ……ここは……」

 

リゼ父(甘兎庵……リゼの友達の……)

 

リゼ父「………………」

 

 

 

――甘兎庵――

 

 

ガラッ

 

千夜「いらっしゃいませ~――あら?」

 

リゼ父「邪魔していいか?」

 

千夜「リゼちゃんのお父さん!ようこそ甘兎庵へ」

 

リゼ父「栗羊羹をくれ、あとタイヤキと串ダンゴ2本」

 

千夜「はーい、ただいま」

 

リゼ父「なかなかいい店だな」キョロキョロ

 

千夜「お一人ですか?」

 

リゼ父「色々とあってな……」

 

千夜「いろいろ?」

 

 

 

千夜「それは大変でしたね」クスッ

 

リゼ父「娘たちと楽しく遊ぶつもりが、こんなことに……」

 

千夜「でも、リゼちゃんのお父さんの自業自得な気もしますよ?」

 

リゼ父「故意じゃないぞ、偶然だったんだ」

 

千夜「リゼちゃんもお年頃ですから。それと、ここあちゃんの水着をめくったのは致命的でしたね」

 

リゼ父「ぅ…………まぁ、そうだな……」

 

千夜「今後は気を付けましょう」

 

リゼ父「……プールくらい、近場でよければ連れて行ってやるのに」

 

千夜「おうちの庭で遊ぶから楽しいんですよ、きっと」

 

リゼ父「そんなものか?」

 

千夜「はい♪」

 

リゼ父「……難しいな」

 

千夜「リゼちゃんやここあちゃんのためとはいえ、少し頑張りすぎかもしれませんね。もう少し肩の力を抜いてください」

 

リゼ父「普段通りってことか」

 

千夜「そのままでも充分良いお父さんですから」ニコッ

 

リゼ父「そ、そうか……//

 

千夜「どうしても許してもらえない時はもう一度来てください、一緒に謝りましょう」

 

リゼ父「ふっ……優しいな」

 

リゼ父「だが使用人やリゼたちも世話になってるからな、俺まで頼るわけにはいかん」スッ

 

千夜「もうお帰りですか?」

 

リゼ父「ああ、久々にこの街でも見て回ろうと思う」

 

千夜「でしたら、シャロちゃんのところとかどうでしょう?」

 

リゼ父「シャロ……?あのお嬢様みたいな子か」

 

千夜「わたしの幼馴染なんです」

 

リゼ父「あの子、ご飯食べてるのか?ずいぶん痩せてたぞ」

 

千夜「無理なダイエットは止めるように言っておきますね」

 

千夜「今の時間でしたらアルバイトしていると思うので」

 

リゼ父「そうだな……行ってみるか」

 

千夜「場所を書いておきます。ふふっ、きっとびっくりしますよ」

 

リゼ父「?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――フルール ド ラパン――

 

 

リゼ父「フルールドラパン……ここか」

 

リゼ父(ラビットハウスと同じ喫茶店か……?)ガチャッ

 

シャロ「いらっしゃいませ~♪」

 

リゼ父「うぉ……!//

 

シャロ「っ!?り、リゼ先輩のお父さんっ!?」

 

リゼ父「ああ……すまない、邪魔していいか?」

 

シャロ「もも、もちろんです!こちらにどうぞ」

 

リゼ父(なんだこの衣装は……まさか、そういう店か!)

 

リゼ父「………………」ジッ

 

シャロ「あ、あの……?」

 

リゼ父「おっと……すまない//

 

リゼ父(コーヒー1杯2000円は覚悟しておかないと……)

 

シャロ「あの……お一人ですか?リゼ先輩やここあは?」

 

リゼ父「二人とも家で遊んでいる、色々とあってな……」

 

シャロ「は、はぁ……ご注文はお決まりですか?」

 

リゼ父「ハーブティーか……」

 

リゼ父「良く分からないから、おすすめのやつをくれ」

 

シャロ「かしこまりました、少々お待ちください」

 

リゼ父(メイドとは違うのか……?値段も普通の店と一緒だ……)

 

 

 

シャロ「お待たせしました」コトッ

 

リゼ父「おっ……」

 

シャロ「こちらはセットのクッキーです」

 

リゼ父「ジャムクッキーか」

 

シャロ「では、わたしはこれで」ペコリ

 

リゼ父「もうあがりか?」

 

シャロ「はい、今日はお昼までなので……」

 

リゼ父「なら、少しだけ話し相手になってくれないか?」

 

シャロ「へっ!?」

 

リゼ父「大人の男がこんな店で一人クッキーを食べているのは……少しな」

 

シャロ「あっ……な、なるほど……」

 

リゼ父「このセット、もう一つ注文だ」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

リゼ父「そうか……俺はてっきり金持ちの娘かと」

 

シャロ「良く勘違いされます、あはは…………はぁ」

 

リゼ父「生活費まで自活か、若いのに大したものだ」

 

シャロ「これはこれでやりがいがありますので」

 

リゼ父「………………」ズズッ

 

シャロ「あの……?」

 

リゼ父「?」

 

シャロ「どうして今日はフルールドラパンに……?」

 

リゼ父「いい店があると甘兎庵の娘から聞いてな」

 

シャロ(千夜の仕業……)

 

リゼ父「最初はそういう店かと思ったが、お茶はうまいしいいところだ」

 

シャロ「広告と制服が少しアレなんですけどね……」

 

リゼ父(またリゼや小さいのを連れて一緒に来るか)

 

リゼ父「次はラビットハウスに行くつもりなんだが……タカヒロの娘の他に、同じ背丈くらいのが二人いただろう」

 

シャロ「チノちゃんと同じくらい……マヤちゃんとメグちゃんですか?」

 

リゼ父「あいつらもこの辺か?」

 

シャロ「いえ、今日はラビットハウスは通常営業ですし……今頃二人で山積みの課題を終わらせてるかもしれません」

 

リゼ父「家か、ならしょうがない」

 

リゼ父「くだらない話しに付き合わせて悪かったな、このクッキーも食べてくれ」ザラザラ

 

シャロ「うぇ!?」

 

リゼ父「甘いもの続きで口がおかしくなる。勘定は済ませておくからゆっくりしろ」

 

シャロ「あっ……」

 

 

――バタン

 

 

シャロ「………………」

 

シャロ(すこしだけ、リゼ先輩と似てる……)モグモグ

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

――ラビットハウス――

 

 

リゼ父「」ガチャッ

 

チノ「いらっしゃ――……!リゼさんのお父さん」

 

リゼ父「邪魔するぞ」

 

チノ「こんにちは。父に用でしょうか?すぐに呼んできますね」

 

リゼ父「いや、タカヒロはいい」

 

チノ「え?」

 

リゼ父「今日はコーヒーを飲みに来ただけだ」

 

リゼ父「今、時間あるか?」

 

チノ「あ、はい……お客さんもいませんので」

 

リゼ父「暇ならくだらない話に付き合ってくれ」

 

リゼ父「オリジナルブレンドを2つ頼む」

 

 

 

チノ「………………」ズズッ

 

リゼ父「………………」

 

チノ「………………」

 

リゼ父「………………」

 

チノ(なにを話せばいいのかな……)オロオロ

 

リゼ父「やっぱり、ここが一番落ち着くな」

 

チノ「え……」

 

リゼ父「ここに来る前、甘兎庵とフルールドラパンという店に行ってみたんだ」

 

チノ「千夜さんとシャロさんの……」

 

リゼ父「どこも趣が違うが、いい店だ」

 

チノ「今日はお一人で喫茶店巡りですか?」

 

リゼ父「ああ、家に帰れなくなってな……」

 

チノ「……?」

 

リゼ父「タカヒロと仲良くしているか?」

 

チノ「はい、最近は一緒に夕食も食べています」

 

リゼ父「自分の娘をもっと大切にしてやれと普段から言っているんだが」

 

チノ「父は優しいですよ、心配しないでください」

 

リゼ父「……リゼ、迷惑かけてないか?」

 

チノ「いえ、むしろリゼさんがいないとお昼の営業ができないくらいで……」

 

リゼ父「そうか……すまない、これからも公私ともに仲良くしてやってくれ」

 

リゼ父「俺の影響か、小さい頃から友達付き合いが苦手らしくてな」

 

リゼ父「ここを紹介したのも、タカヒロの娘となら上手くやれるんじゃないかと思って……」

 

チノ「……!そうでしたか……」

 

リゼ父「功を奏したのか、そんな娘にも良い友達がたくさんできた。お前を含めな」

 

リゼ父「最近は家に友人を連れてきてくれるまでに……嬉しくて、つい俺の方が悪ノリばかり」

 

チノ(なるほど……)

 

リゼ父「可愛くて小さい新しい家族も増えて……もう俺もリゼも、これ以上ないくらい満たされている」

 

リゼ父「だからせめて、お前たちに恩返しがしたくてな……」プイッ

 

チノ「…………」

 

リゼ父「くだらないこと、喋り過ぎたな……忘れてくれ」

 

チノ「……いえ」

 

チノ「……リゼさんのお父さん?」

 

リゼ父「?」

 

チノ「恩返しなんて思わないでください」

 

チノ「わたしたちも、みんな――充分満たされていますから」

 

リゼ父「……!」

 

チノ「リゼさんのお父さんが催してくださったサバイバルゲーム、カルタ大会、帆船。ここあさんもみんなも、すごく笑顔になっていました」

 

チノ「きっとそういう……いえ、そうやってみんなで何かをしたりするのが、何よりも楽しい時間なんです」

 

チノ「そのきっかけを作ってくださるのは、いつも……」

 

リゼ父「…………//

 

チノ「お互いのことを自然と想い合える、家族のような気持ち……それを教わったような気がして」

 

チノ「リゼさんが尊敬できる父親だと言っていたの、すごく分かります」ニコッ

 

リゼ父「……!」

 

チノ「これからもここあさんやわたしたちのこと、よろしくおねがいします」ペコリ

 

チノ「いつもありがとうございます、リゼさんのお父さん」

 

リゼ父「………………」

 

リゼ父「…………」

 

リゼ父「……」

 

チノ「?」

 

リゼ父「」ブワッ

 

チノ「!」

 

リゼ父「っぐ……タカヒロ……お前、娘にどういう教育をしたんだ……」グシグシ

 

チノ「あ、あの……!」オロオロ

 

リゼ父「いっそのことお前もウチに来ないか?タカヒロなんて捨てて」

 

チノ「いえ、それは……」

 

――ガチャッ

 

タカヒロ「チノもここあくんも、俺の大事な娘だ」

 

チノ「おとうさん……!」

 

リゼ父「……前者はまだしも、後者はまだ納得してなかったのか」ガタッ

 

タカヒロ「納得も何も、お前に預けているにすぎない。ここあくんは元からウチの家族だ」

 

リゼ父「ふん、無駄だタカヒロ……俺は決めた」

 

リゼ父「お前の娘も、リゼの友人も、全員俺の家族にしてやる」

 

チノ「!?」

 

 

タカヒロ「ほう、ここあくんに飽き足らずチノまでか……覚悟はできているな」

 

リゼ父「お前こそな……俺の邪魔をするなら、誰であろうと容赦しない」

 

タカヒロ&リゼ父「………………」ゴゴゴ

 

チノ「あうぅ……お、おじいちゃん、早く止めないとお店が壊れ――」

 

――バンッ!

 

チノ「ひっ!」ビクッ

 

リゼ父「3回勝負だ、来い」

 

タカヒロ「受けてたとう」フッ

 

チノ「チェスっ!?」

 

ティッピー「やれやれ……」

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――PM6:22――

 

 

リゼ「………………」

 

リゼ「」チラッ

 

リゼ「遅いな……」

 

ここあ「おとうさん、『いえで』しちゃった?」

 

使用人「もうじき帰ってこられると思いますが」

 

リゼ「メールを入れても帰ってこないし……」

 

リゼ「……少し様子を見てくる」

 

ここあ「りぜちゃん、わたしもいく!」

 

使用人「お待ちください、我々が探しますのでお嬢たちはここで」

 

ここあ「ううん、だめ」フルフル

 

使用人「……?」

 

リゼ「クスッ、そうだな。親父が心配だもんな」ナデナデ

 

使用人「!」

 

リゼ「よしここあ、いくぞ」

 

ここあ「うん!」

 

 

――ガチャッ

 

 

リゼ父「うぉ!?」ビクッ

 

ここあ「!」

 

リゼ「親父!?」

 

リゼ父「ただいま……どうしたんだお前ら?」

 

リゼ「どうしたって……親父の帰りが遅いから……!」

 

使用人「お嬢たちが心配されて、いま探しに行こうと……」

 

リゼ「メールを送っても返信が来ないし」

 

リゼ父「そうか……すまなかったな」

 

ここあ「おとうさん、どこいってたの?」

 

リゼ父「散歩だ、少しこの辺をな。これは土産だ」スッ

 

ここあ「くりようかん!」

 

リゼ「千夜のところに行ってたのか」

 

リゼ父「……リゼ」

 

 

――ポンッ

 

 

リゼ父「良い友達に恵まれたな」

 

リゼ「親父?どうしたんだ?」

 

リゼ父「気にするな、それより腹が減った」

 

使用人「支度は出来ています、ダイニングのほうへ」

 

ここあ「きょうは『ぱすた』だよ、りぜちゃんやめいどさんといっしょにつくったの!」

 

リゼ父「手伝ってくれたのか、偉いぞ」ナデナデ

 

ここあ「んっ……♪」

 

リゼ「親父……?」

 

リゼ父「……?どうしたんだ?」

 

リゼ「……その」

 

リゼ「昼間は……ごめん。あと……お、おかえり……//

 

リゼ父「……!」

 

リゼ父「ああ……」

 

 

リゼ父「――ただいま」

 

 

――おしまい?

 

 

 

――PM10:12――

 

 

リゼ父(結局娘たちとは昼間遊べなかったからな、深夜で挽回だ)

 

リゼ父(S&Wを持って……よし!)

 

 

――ガチャッ

 

 

リゼ父「動くな!全員両手を頭の上に――」

 

ここあ「ふぉぇ……?」

 

リゼ父「ん……?」

 

リゼ「親父……!静かにしろ、せっかくここあが寝付いたところなのに……!」

 

リゼ父「寝付いただと?まだ10時だぞ?」

 

リゼ「昼間はしゃぎすぎて疲れたんだろう、わたしももう休むから出て行ってくれ」

 

リゼ父「いや、しかし新しいゲームを」

 

リゼ「明日みんなでやろう、今日は大人しく寝てくれ」グイッ

 

リゼ父「お、おいリゼ……」

 

リゼ「おやすみ」バタン

 

リゼ父「あっ…………」

 

リゼ父「…………」

 

リゼ父「……」

 

リゼ父「」(´・ω・)

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

――ラビットハウス AM4:03――

 

 

リゼ父「………………」ポチポチ

 

タカヒロ「何の用事で来たかと思えば……」

 

リゼ父「…………」ウルッ

 

タカヒロ「泣くな、クリアするまで付き合ってやる」ピコピコ

 

リゼ父「悪いなタカヒロ……さすがは戦友だ」

 

タカヒロ「やれやれ……」

 

ティッピー「そこに敵がアンブッシュしとるぞい」ピョン

 

 

――おしまい♪

感想

  1. ラビットタンク より:

    使用人「盾代わりにしないでください!」
    ???「近くにいた、お前が悪い。」

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      浅倉さん……;
      この描写は、ガンダムと仮面ライダー二つのパロディですね。

  2. ラビットタンク より:

    最近思い続けててしょうが無いこと、ここで打ち明けていいですか?
    ウルトラマンルーブ(現在放送されてるウルトラマン)、ココチノ説
    根拠
    1.赤(桃)と青がイメージカラーの兄弟(姉妹)
    2.どうにも敵わない姉的存在がいる
    3.現状母親がいない。そしてその母親がストーリーの鍵になっている?
    4.片方は天真爛漫の理系、もう片方は冷静沈着
    5.赤(桃)、青、紫、黄、緑といった種類の色がある。
    6.家はお店をやっているが、なかなか繁盛しない
    某先輩みたいに挙げてみました。
    自分はウルトラマンもごちうさも、それぞれの王道のスタイルを貫いているなという気がして、キャラデザもとても美しくて大好きです。一生好きでいられる自信があります。
    あと毎回よく分からないコメントすみません…

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      わたくし自身ごちうさも特撮も熟知しておりますゆえ、ラビットタンクさんのお話に共感し、興味あることに肯定的な返事をお返ししたいのが本音なのですが。
      この場はあくまで当作品に対する批評や考察、ご感想に関する場所ゆえ、私的なことはツイッターなどでコンタクト頂けますと幸いです。
      ここは幼いココアシリーズという1作品に対するための場ということを、どうかご理解いただきたく思います。m(__)m

  3. 匿名 より:

    リゼパパさん‼
    追い出されるところもみんなとの絡み方も、結局最後はやや報われない所も実にパパさんらしいです

    …いよいよここあちゃんが誰のものか分からなくなって来ましたねぇ

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      わたくしやりましたぞ相棒!
      これを機にリゼパパの魅力をもっともっと広げていきたいと思います。

      ここあちゃんは、リゼパパのものでありタカヒロさんのものでありユラちゃんのものであり--しかし、やはり最後はリゼちゃんのものに!
      P.S.返信が遅くなってごめんなさい、台風のせいで3日間停電になってしまいまして;

  4. SS見るの大好き より:

    今日で夏休みが終わりですが、このシリーズは続きますか?

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      申し訳ありません!台風のせいでしばらくの休養を余儀なくされてしまい返信が遅くなってしまいました。

      本シリーズはもちろんまだまだ続きますが、夏休み編は次回で幕を閉じます。
      ここあちゃんとりぜちゃんたちのにぎやかな夏休みを、どうか最後まで見届けて頂けたらと思います。

  5. Beyond the Average より:

    なんだか心温まるお話で良かったです。リゼ父の、いつもカッコいいけど完璧ではない、というところがまたカッコいいというか(笑)。

    そしてタカヒロさんもいるといつもお話が面白く温かく終わるのが最高!!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      Beyondさん、分かってくださっている……!
      リゼパパは、カッコいいけどどこか締まらないという素敵な父親像を意識しております。
      わたしはそんなリゼパパを『理想の父親』として作中で描写しているつもりなのです。
      タカヒロさんは唯一フォローに回ってくださる貴重な男性キャラです、今後も大切にしていきたいと思います!
      P.S.(返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありませんでした。弁解させて頂きますと、台風のせいで休養を余儀なくされた次第です)

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