↓
↓
ここあ「……?」
ここあ「ここ……よーよーつりのばしょ……?」
ここあ「………………」
ここあ「」グスッ
ここあ「ちやちゃん……」ジワッ
千夜「――ここあちゃん!」
ここあ「!」
――ギュッ
千夜「よしよし……遅くなってごめんなさいね……」ハァハァ
ここあ「ちや…ちゃん?」ジワッ
千夜「怖かったでしょう、もう大丈夫……」
ここあ「ぁ……!」
ここあ「ちやちゃん……ひっく…ぇぐ……!」ポロポロ
千夜「ここあちゃん……よく一人で頑張ったわね、偉いわ」ギュッ
千夜「大丈夫よ……もう、心配ないから」
千夜「たくさん泣いたら、また笑いましょう」
ここあ「ちやちゃんっ……ちやちゃん…!」ポロポロ
千夜「よしよし、ここあちゃんの怖い気持ち、早く飛んでいきますように」ナデナデ
ここあ「んっ……」グスッ
千夜「たくさん歩いて疲れたでしょう……ここあちゃん、おいで」スッ
ここあ「ふぉぇ?」
千夜「抱っこは長い間は無理だけど、おんぶなら大丈夫だから」
ここあ「でも……」
千夜「今は二人きりだから、思う存分甘えていいのよ」
ここあ「……!」
千夜「リゼちゃん以外にも――わたしにも、ね」ニコッ
ここあ「――うん//」
ここあ「ちやちゃん……//」ピタッ
千夜(報告メールだけ、済ましておきましょうか)ピッ
―――――――――――――――――――――――
――甘兎庵――
お婆「…………」チラッ
お婆(あと5分かい……)
アンコ「…………」ジーッ
お婆「分かってるよ、今年も見るんだろ」
アンコ「」コクコク
お婆「そろそろ外に行くよ。まったく、こんなむし暑い日に」
アンコ「」ピョコピョコ
お婆「んっ……?」
アンコ「…………」ジーッ
お婆「抱っこかい?」
アンコ「」コクコク
お婆「……今日だけだよ」ヒョイ
アンコ「」フンス
―――――――――――――――――――――
千夜「♪~♪♪」
ここあ「すぅ……すぅ……」Zzz
千夜(たくさん遊んで、泣いて、疲れちゃったのね……)クスッ
千夜(……もうすぐかしら)
千夜「ここあちゃん、起きて?」
ここあ「ふぇ……?」
千夜「もうすぐ、花火があがるわ」
ここあ「んっ……ほんと?」ゴシゴシ
千夜「――!」
ここあ「!」
千夜「あがったわね……今年も」
千夜「……綺麗」
ここあ「……!」
千夜「ここあちゃん、どう?」
ここあ「あかるい……こんなにきれいなんだ……」
千夜「お気に召したかしら?」
ここあ「うん……すき//」
千夜「そう、良かったわ」クスッ
ここあ「はなびも……――みんなも、ちやちゃんも……//」
千夜「え……」
ここあ「ちやちゃんのせなか、あったかい……」
千夜「ここあちゃん……?」
ここあ「すごくあんしんできるの……//」
ここあ「いつもわたしのこと、みまもってくれて……」
ここあ「ちやちゃんがいるから、わたし……いろんなことしたいっておもえるよ」
ここあ「だって……ちやちゃんはぜったい、わたしのことおうえんしてくれるから……」
ここあ「わたしの、こころのいばしょ……//」スリスリ
千夜「…………」
ここあ「ちやちゃん……――すき……」
千夜「ここあちゃん……」
ここあ「………………」Zzz
千夜(寝ちゃったわ……)
千夜「………………」
千夜「ここあちゃん……わたし、ここあちゃんにとって心の拠り所になれてるのかしら」
千夜「もしそうだと、嬉しいな」
千夜「わたしも、好きよ」
千夜「小さくなっても……変わらず優しくて、いつもみんなを笑顔にしてくれるここあちゃんが」
千夜「あっ……また花火ね」
千夜「……明るいわ」
千夜「…………//」ポロポロ
千夜(ずっと……このまま……//)グスッ
千夜(幸せな毎日が、続きますように……//」
――おしまい♪
感想
千夜の視点でお話が進むと、若干暗い雰囲気になるんだなと思いました。千夜の希望と涙が強く印象に残っています。
私は花火大会のお話がまさかの明るくないエンドになるとは思わなかったので、衝撃を受けました。
花火大会や楽しいことが終わった後は、寂しさから少ししんみりしてしまうものだとわたしは思っているのですが。
明るくない結末、というつもりはわたし自身としては全くありませんよ。