ごちうさSS チノ「ここあさんと花火大会」 当日

 

 

 

ごちうさSS チノ「ここあさんと花火大会」 前夜

 

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――天々座家 PM6:00 ドレスルーム――

 

 

リゼ「千夜?まだか?」トントン

 

千夜「もう少しよ」

 

千夜「ここあちゃん、きつくない?」キュッ

 

ここあ「うん、だいじょーぶ」

 

千夜「最後にここを結んで――はい、オッケーよ」

 

ここあ「わぁ……!ありがとうちやちゃん!」

 

千夜「すごく似合ってるわ、ここあちゃん素敵よ」

 

ここあ「これね、りぜちゃんにかってもらったの」

 

千夜「可愛いわ、リゼちゃん良いセンスね」

 

使用人『お嬢、お止めください……!』

 

ここあ「?」

 

千夜「あら……?」

 

リゼ『離せ!もう限界だ!』

 

リゼ「はぁっ!」ガチャッ!

 

ここあ「!」

 

千夜「リゼちゃん、ちょうど今終わったところよ」

 

リゼ「ここあ……――!」

 

ここあ「りぜちゃん、みて」ニコッ

 

リゼ「」

 

千夜「りぜちゃん?」

 

リゼ「」

 

使用人「あの、お嬢?」

 

リゼ「」

 

ここあ「……?」

 

リゼ「……か……か」ブルブル

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

リゼ「かわいいぞここあぁ!!」ギュッ

 

ここあ「きゃっ……!」

 

リゼ「やっぱりわたしのここあは世界一だぁ!可愛い、可愛いな!//」スリスリ

 

ここあ「うにぅ……くるしいよ//

 

千夜「着崩れしちゃうわ。リゼちゃん、どうどう」

 

リゼ「ここあは何を着ても似合うなぁ、ふへへ//」ニヘラ

 

使用人「帯が崩れてしまいますから」アセアセ

 

リゼ「おっと、すまないつい」ジュル

 

シャロ「これでみんな着終わったわね」

 

チノ「ここあさん、上手く着れましたか?」

 

ここあ「うん!ちやちゃんにかみかざりもらったよ~」

 

チノ「可愛いです、似合ってますよ」ナデナデ

 

千夜「マヤちゃんとメグちゃんは?」

 

リゼ「さっきトイレに行くって――んっ?」prrrrr

 

リゼ「マヤからだ」ピッ

 

リゼ「もしもし?」

 

マヤ「リゼ、迷子になったよ助けて~」

 

メグ「変なところに迷い込んじゃったぁ」

 

リゼ「迷子?いまどこだ」

 

マヤ「武器がたくさん置いてあるよ」

 

メグ「これ、バズーカかな?」

 

リゼ「武器庫か。反対側じゃないか、いま迎えに行くからそこで待っていろ」ピッ

 

チノ「家の中で迷子ですか……」

 

シャロ「無理もないわ、この広さだもの」

 

千夜「使用人さんも浴衣どうですか?」

 

使用人「いえ、本日は留守番ですので……」

 

ここあ「みんなでおまつり……たのしみだね//

 

チノ「ここあさん……――たくさん楽しみましょうね」スッ

 

ここあ「うん//」テ ギュッ

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

――

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――花火大会 会場――

 

 

ここあ「わぁ……!」キラキラ

 

リゼ「今年も賑わってるな」

 

千夜「去年よりもかなり人が多いわね」

 

シャロ「はぐれないように注意しないと……」

 

チノ「これがお祭りですよ。ここあさん、どうですか?」

 

ここあ「すごい……すごい!」

 

ここあ「おみせがいっぱい!いいにおい!」ピョンピョン

 

マヤ「そっかぁ、小さくなってからは初めてだっけ」

 

メグ「3日前からずっとたのしみにしてたみたい」ニコッ

 

ここあ「リゼちゃん、はやくいこう!」

 

リゼ「はぐれないように、みんなでゆっくりな」

 

千夜「ここあちゃんの行きたいところ、ついていくわ」

 

シャロ「なにが食べたい?それとも先に遊ぶ?」ナデナデ

 

チノ「まずは一通り見て回りますか?」

 

マヤ「ええ~そんなのじれったいって!ここあ、行こう!」グイッ

 

ここあ「うん!」

 

マヤ「チノもメグも!目指すは金魚すくいだ~!」タタタ

 

メグ「マヤちゃん待って~」タタタ

 

チノ「ここあさんが転んでしまいます……!」タタタ

 

リゼ「あんまり遠くに行くなよ~」

 

シャロ「大丈夫かしら?」

 

千夜「水を差さないでおきましょう」クスッ

 

 

 

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――金魚すくい――

 

 

ここあ「さかながいっぱいいるね!」

 

チノ「これは金魚ですよ。こっちの黒いのがデメキンです」

 

マヤ「ほらここあ、これ持って」

 

ここあ「これ、なに?」

 

メグ「この網でお魚をすくうんだよ~」

 

チノ「網がなるべく濡れないようにすくうのがコツです」

 

マヤ「やってみればわかるって。誰が一番多くすくえるか競争だ!」

 

メグ「でもマヤちゃん、それだと初めてのここあちゃんが不利だよ」

 

チノ「なら、みんなで協力しませんか?4人でどれだけすくえるか」

 

マヤ「ちぇ~しょうがないなぁ、ここは共同戦線といこう」

 

ここあ「これで、おさかなをすくう……」

 

チノ「大丈夫ですここあさん、一緒にやりましょう」

 

チノ「こうして、網がなるべく濡れないように、ゆっくり……」スッ

 

――チャポッ

 

ここあ「!」

 

チノ「できますか?」

 

ここあ「うん……!やってみる!」

 

ここあ「こうして……」

 

チノ「もう少し、この辺です」

 

ここあ「こう……!」

 

チノ「そのままお椀へ」

 

ここあ「……!」

 

――ポチャッ

 

ここあ「ぁ……!ちのちゃん、できたよ!」

 

チノ「上手ですよ」

 

ここあ「きんぎょすくい、たのしいね」ニコッ

 

マヤ「よーし!ここあ、その調子で全部取りつくそう!」

 

メグ「そんなにお椀に入るかな?」

 

チノ「ここあさん、時間はありませんからゆっくり楽しんでくださいね。頼りにしてます」

 

ここあ「わたしにまかせなさーい♪」

 

 

 

マヤ「これで7匹目!」

 

メグ「逃げていくよ~待って~」

 

チノ(これで4匹……)チャポッ

 

ここあ「――あっ……!」

 

チノ「!」

 

ここあ「やぶれちゃった……」

 

チノ「デメキンを狙ったんですか、さすがに難しかったですね」

 

ここあ「ごめんねちのちゃん、3ひきしかとれなかった」

 

チノ「いいんですよ、よく頑張りましたね」ナデナデ

 

ここあ「んっ……」

 

チノ「ここあさん――はい」スッ

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

チノ「もう一度、デメキンにチャレンジしましょう」

 

ここあ「でも……これ、ちのちゃんのだよ?」

 

チノ「わたしの代わりに、ここあさんにデメキンを取って欲しいんです。お願いできますか?」

 

ここあ「……!」

 

チノ「リゼさんもきっと驚いてくれますよ、二人で頑張りましょう」

 

ここあ「うん!わたしにまかせて!」

 

 

チノ「さっきのデメキンは――あれですね」

 

ここあ「かべによせて、ゆっくり……」

 

チノ「もう少しです……!」

 

 

――ビリッ

 

 

ここチノ「あっ……」

 

チノ(破れてしまいました……)

 

ここあ「……うぅ」

 

チノ(まずいです……余計にここあさんが責任を感じて……)オロオロ

 

メグ「――はい」スッ

 

ここあ「!」

 

メグ「ここあちゃん、わたしのも使って」ニコッ

 

チノ「メグさん……」

 

メグ「取れなくてもいいから、できる限り頑張ろう」

 

ここあ「めぐちゃん……でも」

 

マヤ「まだわたしの分もあるよ!」スッ

 

チノ「!」

 

マヤ「ここあ、諦めたらそこでおしまいだ!」

 

ここあ「まやちゃん……」

 

マヤ「デメキンに、チマメコ隊の底力をみせてやれー!」

 

ここあ「……!」

 

ここあ「うん……がんばるっ!」

 

メグ「それでこそここあちゃんだよ♪」

 

チノ「……マヤさん、メグさん」

 

マヤ「ここあに良い思い出、作らせてあげないとさ」ニシッ

 

メグ「わたしたちも、チノちゃんと同じ気持ちだよ」

 

チノ「――!」

 

チノ「……ありがとうございます//

 

 

ここあ「ちのちゃん、まやちゃん、めぐちゃん!」

 

チノ「ここあさん……!」

 

マヤ「ここあ、もう少しだ!」

 

メグ「そのままゆっくり引きあげて……!」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

リゼ「ほら、かき氷だ。好きな味を選んでいいぞ」

 

マヤ「コーラ!」

 

メグ「これレモンかな?」

 

シャロ「千夜って抹茶好きよね」

 

千夜「シャロちゃんはメロン?コーヒーだと去年みたいになるものね」

 

チノ「では、わたしはコーヒーを」

 

リゼ「ここあはマンゴーとイチゴ、どっちがいい?」

 

ここあ「いちご!」

 

リゼ「イチゴ味か。ほら、こぼさないように気を付けてな」

 

ここあ「わぁ♪いただきます」

 

ここあ「んっ……冷たいね」

 

リゼ「氷だからな」

 

ここあ「りぜちゃん」スッ

 

リゼ「んっ?」

 

ここあ「はい、あーん」

 

リゼ「……あーん//」ニヘラ

 

ここあ「どう、おいしい?」

 

リゼ「ああ、おいしいぞ」

 

リゼ「ほら、おかえしだ」

 

ここあ「あーん……//

 

リゼ「どうだ?」

 

ここあ「おいしいよ、えへへ//

 

リゼ「そうか~もう一口食べるか?あーん//

 

ここあ「あーん//

 

ツギハ リゼチャンノバンダヨ  マタカ? ショウガナイナァ//

 

シャロ「リゼ先輩……」

 

千夜(ほほえま~)ニコニコ

 

チノ(コーヒー味、甘くておいしいです)モグモグ

 

マヤ「あいたたたっ!」

 

メグ「マヤちゃん、急いで食べ過ぎだよぉ」

 

 

 

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――ヨーヨー釣り――

 

 

千夜「ピンク色が釣れたわ」

 

ここあ「ちやちゃんみて、むらさき!」

 

千夜「ふふっ、ここあちゃんとりぜちゃんね」

 

ここあ「わたしとりぜちゃん?」

 

千夜「なんでもないわ。次はあの水色を狙いましょう」

 

ここあ「これだね」

 

千夜「わたしはこの黄色を……」

 

ここあ「やった!」

 

千夜「わたしも釣れたわ」

 

ここあ「つぎはあかいろ!」

 

千夜「わたしは青色を……」

 

ここあ「――とれたよ!」

 

千夜「わたしもなんとか取れたわ、けど破れちゃったわね」

 

千夜「ここあちゃんの紐も次で限界かしら」

 

ここあ「これでさいご?」

 

千夜「ええ、好きな色のものを取りましょう」

 

ここあ「ううん、みどりいろがいい」

 

千夜「えっ?」

 

ここあ「ちやちゃんが、まだだもん」

 

千夜「……!」

 

ここあ「ちやちゃんだけいないの、だめ」

 

千夜「ここあちゃん……」

 

ここあ「まっててね――っ……!」クイッ

 

ここあ「もうすこし……」

 

千夜「糸が破れちゃうわ……無理しなくて――」アセアセ

 

ここあ「ん!」

 

千夜「!」

 

ここあ「やった……!やぶれちゃったけどとれたよ!みて!」

 

千夜「ここあちゃん……ありがとう、嬉しいわ」ナデナデ

 

ここあ「これでみんないっしょだね」

 

千夜「ここあちゃんは、やっぱり天使ね//」ギュッ

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

 

 

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――吹き矢――

 

 

シャロ「意外と大きい的ね、これならパーフェクトを目指せるわ」

 

ここあ「しゃろちゃん、しょうぶだよ!」

 

シャロ「手加減は抜きよ、合計点の高い方が勝ち」

 

ここあ「このふきづつ、ちょっとみじかいね」

 

シャロ「そうね、これだと照準がブレちゃうわ」

 

店主(プロ……?)

 

シャロ「まぁ、やれるだけやってみましょう」

 

ここあ「いくよ~――フッ!

 

シャロ「フッ!

 

ここあ「70てん!」

 

シャロ「90点よ」

 

ここあ「まけないよ、まだまだ!」

 

シャロ「あと4発、一緒に450点以上を目指すわよ」

 

ここあ「いえっさー!」

 

シャロ「フッ!

 

ここあ「スゥ……フッ!

 

シャロ「80点か」

 

ここあ「まんなかにあたったよ!」

 

シャロ「すごいわここあ、その調子」

 

 

 

シャロ「結局お互い3等になっちゃったわね」

 

ここあ「ゆらちゃんからもらった『ふきづつ』なら450てんこえられたのに」

 

シャロ「お祭りのはわざと当てにくいようにしてあるから」

 

リゼ「おっ、戻ってきたか」

 

千夜「あら、その袋賞品?」

 

マヤ「すげぇ、大勝利じゃん!」

 

シャロ「本当は3等の賞品をもらえたんだけど……」

 

ここあ「ちのちゃんみて!」

 

チノ「可愛いお面ですね、ここあさんにぴったりです」ナデナデ

 

ここあ「ちのちゃんのぶんもあるよ、しゃろちゃんがくれたの!」

 

メグ「これ、4等の賞品?」

 

シャロ「ここあがお面が欲しいって言うから、これにしたわ」

 

千夜「ここあちゃんらしいわね」クスッ

 

リゼ「すまないなシャロ、ありがとう」

 

ここあ「ちのちゃんとおそろい//

 

チノ「はい、ここあさんといっしょです//」ニコッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

チノ「卵せんべいって、黄身のところが難しくないですか?」

 

メグ「わかるよ~、噛んだらすぐにこぼれてくるもんね」

 

マヤ「ここあ、よーく見てなよ!」ハムッ

 

ここあ「わぁ!」

 

マヤ「こうして一気に噛めば、こぼれる前に食べられるんだ」モグモグ

 

ここあ「まやちゃんすごい!」ピョン

 

ここあ「わたしも……!」

 

――パクッ

 

ここあ「っ!?」

 

ここあ「あ……」

 

シャロ「ここあ……!」

 

千夜「あらあら、黄身がこぼれちゃったのね」

 

リゼ「拭いてやるからジッとしてろよ」フキフキ

 

ここあ「んっ……ごめんね」

 

リゼ「いいんだぞ、ここあにはまだ食べにくいよな」

 

リゼ「ほら、口にソースが付いてるぞ」

 

ここあ「ふぉぇ……」

 

リゼ「ゆっくり食べろよ、こぼしても怒ったりしないから」ポンッ

 

ここあ「りぜちゃん、ありがとう//

 

リゼ「次は何が食べたい?」クスッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――射的――

 

 

リゼ「ふむ……このタイプか」

 

ここあ「りぜちゃん、あれとって!」

 

リゼ「あのヘンテコなぬいぐるみか?」

 

ここあ「うってもゆれるだけでたおれないの」

 

リゼ「わたしにまかせろ」

 

リゼ「……ふっ!」

 

――グラグラ

 

リゼ「もう少し上の方か」

 

リゼ「よっと」

 

――バタッ!

 

リゼ「よし」

 

ここあ「ぁ……!」パアァ

 

ここあ「りぜちゃん、かっこいい!」

 

リゼ「次はどれがいい?」

 

ここあ「あれ!たおして!」

 

リゼ「おっ、あれか」

 

リゼ「ここあは小さい景品を頼むぞ」

 

ここあ「いえっさー!」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

千夜「ずいぶん大量ね」

 

リゼ「すまない、調子に乗って取り過ぎてしまった……」

 

シャロ(さすがはリゼ先輩……)

 

チノ「ここあさんもたくさん取れたんですね」

 

ここあ「しゃげきならとくいだよ」エッヘン

 

メグ「リゼさん直伝だもんね」

 

マヤ「でもお菓子ばっかり~」

 

リゼ「…………」チラッ

 

リゼ「もう8時か……そろそろだな」

 

千夜「あと30分ね、今年も大きくあがるわ」

 

シャロ「去年のあの場所、行きますか?」

 

チノ「そうですね、人も多くなってきましたし……」

 

ここあ「?」

 

メグ「大きい花火があがるんだよ、どっかーんって」

 

マヤ「きっとおどろくよ、花火大会の目玉だから」

 

ここあ「おっきなはなび……」

 

リゼ「ああ、ここあにこれを見せたかったんだ。みんなで一緒に見よう」

 

ここあ「うん!」

 

千夜「確かあっちのほうだったわね」

 

シャロ「すごい人混み……ここを抜けないとダメね」

 

リゼ「よし!みんな、いくぞ!」

 

チノ「ここあさん、はぐれないように手を繋ぎましょう」ギュッ

 

ここあ「んっ」ギュッ

 

マヤ「メグ、わたしたちはチノとここあのボディガードだ」

 

メグ「らじゃー♪」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

ザワザワ ザワザワ

 

リゼ「くっ……!」

 

千夜「この混み具合、去年の何倍かしら……!」

 

シャロ「く、苦しい……!」

 

チノ「んっ……!」ギュウウ

 

ここあ「わわっ……」ドンッ

 

マヤ「ここあぁ……チノぉ……!」

 

メグ「マヤちゃん、こっちだよ!」

 

――ドンッ!

 

ここあ「きゃっ……!」

 

チノ「あっ!ここあさん!」

 

リゼ「なんだ!?ここあに何かあったのか!」

 

千夜「リゼちゃん、立ち止まったらこけちゃうわ!」

 

シャロ「チノちゃんここあ!マヤちゃんメグちゃん!大丈夫!?」

 

マヤ「いるよ!」

 

メグ「わたしも!」

 

チノ「マヤさんメグさん、ここあさんは!?」

 

マヤ「ここあ……? ――っ!いないよ!?」

 

メグ「ここあちゃん、どこ~!?」

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

ここあ「…………」オロオロ

 

ここあ(どうしよう……はぐれちゃった……)

 

ここあ(たぶんあっち……でも、とおれない……)

 

ここあ(えっと……まいごになったら、もとのばしょにもどって……)

 

ここあ(…………)キョロキョロ

 

ここあ(もとのばしょ、どっちだっけ……?)

 

ここあ(こっち……?)

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

シャロ「ここあ……!」

 

チノ「ごめんなさい……わたしが」グスッ

 

メグ「チノちゃんのせいじゃないよ!」

 

マヤ「そうだよ!わたしたちも!」

 

リゼ「違う……お前たちのせいじゃない」

 

リゼ「わたしがここあを抱っこしておけば良かったんだ……浮かれて、つい」ギリッ

 

千夜「リゼちゃんもみんなも、落ち着いて」

 

千夜「まずはここあちゃんを探しましょう、手分けして探せばすぐに見つかるわ」

 

リゼ「千夜……ああ、そうだな」

 

千夜「ここあちゃんが見つかったらメールで報告、集合場所はここね」

 

リゼ「みんな、着信音だけ最大にしておいてくれ」

 

リゼ「わたしは東、千夜は西、チノは南側を、シャロは北側を頼む!」

 

シャロ「わ、わかりました!」

 

チノ「ここあさん、待ってて下さい……!」タタタ

 

マヤ「リゼ!わたしたちは?」

 

リゼ「マヤとメグはここで待っていてくれ。もしかしたらここあが遅れて来るかもしれない」

 

マヤ「わかった!」

 

メグ「ここあちゃん、早く帰ってきて」オロオロ

 

千夜「リゼちゃん、取り乱しちゃダメよ」

 

リゼ「わかってる……っ!」

 

リゼ(くっ……ここあ……!)タタタ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

ここあ「……………」キョロキョロ

 

ここあ「ここ……どこ……?」

 

ここあ「…………」

 

ここあ「」グスッ

 

ここあ「っ……ぐすっ……りぜちゃん……」ジワッ

 

ここあ「ちのちゃん…ちやちゃん……ひっく…しゃろちゃん……」

 

ここあ「どこ……」ポロポロ

 

ここあ「…………っ」トボトボ

 

 

――

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――――――

 


→『吹き矢のお店

 

→『ヨーヨー釣りの場所

 

→『射的のお店

 

→『金魚すくいの場所

 

→『知らない場所

感想

  1. Beyond the Average より:

    何とゲームブック方式ですね!(選択肢をクリックして飛んで行ってしまうので私のこの書き込みを見てる人は少ないでしょう。)
    改めて読んでみて、ここあの浴衣姿を見たくて興奮していたリゼに千夜が「どうどう」といって落ち着かせてる場面があったので千夜はリゼより一枚上手だな~と気づきました。ここあの保護者(リゼ)の保護者的な存在? 千夜のほうが理性がしっかりしていますね。
    やっぱりマヤとメグがいると場がより盛り上がっていいですね!構成に奥行きが出るといいますか、ストーリー上、いつも年下の立場のチノに同級生で親友のマヤとメグが付くことで重心がちょっとチノに寄って、さらに千夜が「水を差さないでおきましょ」と言うことで視点がチノやここあたちに向けられるんです。チノがここあのお姉さんになれたすばらしいシーンだと思いました。(お姉さんのようになれたからこそ、ここあがはぐれてしまったときにチノは一瞬泣いてしまったのでしょう…。)
    さて、ここあはどこへ行くことにしたのでしょうか。シュレディンガーの箱じゃないですが、観測するまでまだわかりません。はじめの場所、とここあは言っていましたが読んでいた私は始めにどの屋台に行ったか覚えていません…(スミマセン)!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      千夜ちゃんはみんなの保護者、チノちゃんはここあちゃんのお姉ちゃん、シャロちゃんは親友、リゼちゃんは保護者、といった感じですね。
      分岐するそれぞれの結末にその特色を持たせています。
      この作品は描いていてとても楽しかった記憶があります、それ故に構成にも気合が入っていたのかもしれませんね。

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