ごちうさSS ここあ「ユラちゃんと吹き矢勝負」

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

――PM6:21 ラビットハウス 厨房――

 

 

ここあ「わぁ……!」キラキラ

 

チノ「明日はこれで煮込みハンバーグを作りましょう。あとマカロニサラダと、きんぴらごぼうも」

 

ここあ「うん!」

 

チノ「この前の卵焼き、おいしかったですよ。上手になりましたね」

 

ここあ「こんどはちのちゃんのおべんとうもつくってあげる」エッヘン

 

チノ「楽しみです、でも一人だと危ないですから使用人さんと一緒に料理してくださいね」

 

ここあ「いえっさー!」

 

チノ「いい返事です。では、明日はリゼさんをびっくりさせてあげましょう」ヒソッ

 

ここあ「わたしにまかせなさーい♪」ガシッ

 

――ガチャッ

 

リゼ「ここあ、そろそろ帰るぞ」

 

ここあ「あっ、まって~」

 

リゼ「じゃあなチノ、お疲れさん」

 

チノ「はい、お疲れ様です」

 

ここあ「チノちゃん、またね!」ブンブン

 

チノ「ここあさん、また明日」フリフリ

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

リゼ「今日もたくさんお手伝いしたな、偉いぞ」ポンッ ナデナデ

 

ここあ「んっ……♪」

 

リゼ「明日も学校が終わったら一旦家に戻るから、おうちで待っててくれ」

 

ここあ「りぜちゃん?」クイッ

 

リゼ「んっ?」

 

ここあ「あした……――おべんとう、とどけてもいい?」

 

リゼ「!」

 

リゼ「……また、作ってくれるのか?」

 

ここあ「」コクリ

 

リゼ「そうか」

 

ここあ「…………」

 

リゼ「――よっと」ヒョイ

 

ここあ「!」

 

リゼ「明日のお昼――学校で待ってるぞ」ニコッ

 

リゼ「ありがとう、ここあ//」ギュッ

 

ここあ「ぁ……//

 

ここあ「うん……ちのちゃんといっしょに、おいしいのつくっていくね//

 

 

ここあ「――まってて、りぜちゃん//」ニヘラ

 

 

 

――

――――

――――――

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

――翌日 AM 5:42外――

 

 

ここあ「♪」

 

使用人「今日は何をお作りになるんですか?」

 

ここあ「えっとね、はんばーぐと、ごぼうと、まろにかのさらだだよ」

 

使用人「まろにか……?マカロニサラダですかね」

 

ここあ「あと、はんばーぐはなべでにこんで、ごぼうはきんぴかにするんだって」

 

使用人(煮込みハンバーグときんぴらごぼうかな……)

 

ここあ「ゆうしゃさんもいっしょにつくる?」

 

使用人「いえ、あっしは……」

 

ここあ「ちのちゃん、すっごくりょうりじょうずなんだよ。いっしょにおしえてもらおう」

 

使用人「えと……でしたらご友人から学んだこと、またあっしに家で教えて頂けたら」

 

ここあ「わたしが?おしえるの?」

 

使用人「ええ。覚えたこと、たくさん教えてください」

 

ここあ「まかせて!こんどゆうしゃさんに、たこさんういんなーのつくりかたおしえてあげるね!」

 

使用人「フッ……ありがとうございます」ナデナデ

 

ここあ「ん……♪」

 

使用人「作り終わったらご一報ください、すぐに迎えにいきますので」

 

ここあ「いつも、ありがとう」ニコッ

 

使用人「//

 

 

――

――――

――――――

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

――天々座家 PM12:15――

 

 

ここあ「ゆうしゃさん」ガチャッ

 

使用人「?」

 

ここあ「りぜちゃんにおべんとう、とどけてくるね」フンス

 

使用人「今日も自転車ですかい?」

 

ここあ「うん!ひとりでだいじょうぶだよ!」

 

使用人「そうですか。くれぐれも車には気を付けてくださいね、ゆっくりですよ」

 

ここあ「いえっさー!」ビシッ

 

ここあ「いってきます」タタタ

 

使用人「いってらっしゃいませ」

 

使用人「………………」

 

使用人「っ!」シュバッ!

 

 

 

 

――PM 12:20――

 

 

ここあ「♪~♪♪」

 

使用人「ただいま小さいお嬢が公園の前を通過、どうぞ」Tell

 

リゼ『変な奴はいないだろうな?』

 

使用人「はい、今のところ」

 

使用人(ストーキングしているあっし以外は……)←変装中

 

リゼ『ここあは意外と鋭いから、くれぐれもバレないようにしてくれ』

 

使用人「承知しました」

 

リゼ『不審な奴がここあに近付いてきたらかまわん、ライオットガンで撃っていいぞ』

 

使用人「ダメですよっ!」

 

リゼ『親父から許可も下りてる、遠慮するな』

 

使用人「」

 

リゼ『今度親父に頼んで12ゲージの十字ゴム弾薬でも支給してもらうか』

 

使用人「テロリストと戦うんじゃないんですから……」

 

リゼ『仕事で忙しいのに、いつもすまないな』

 

使用人「いえ……きっと我々に手間をかけさすまいと、最近は自転車で行かれるのでしょう」

 

リゼ『まぁ結果的には余計に迷惑をかけてしまってはいるが』

 

使用人「お気持ちだけで充分です」

 

リゼ『…………』

 

使用人「お嬢、お気遣いなさらず。我々もお嬢と同じ気持ちですので」

 

リゼ『ありがとう』

 

使用人「あっ……あと4分で到着します、ご準備を」

 

リゼ『わかった、任務ご苦労』

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ここあ「♪」タタタ

 

ここあ「…………」キョロキョロ

 

ここあ(りぜちゃん、どこかな……?)

 

ここあ(このまえはおそとにいたから――)

 

リゼ「ここあ」

 

ここあ「!」

 

リゼ「よく来たな」ニコッ

 

ここあ「りぜちゃん……!りぜちゃん!」ポスッ

 

リゼ「おっと……ふふっ//」ヒョイ

 

ここあ「おべんとうもってきたよ、たべて!」

 

リゼ「ああ、朝からずっと楽しみにしてたぞ//」スリスリ

 

ここあ「んにぅ…//ほんとう?」

 

リゼ「ここあのお弁当が待ち遠しくてな、今日一日ずっとお前のことを考えてた」

 

ここあ「えへへ、わたしといっしょだね//」ニコッ

 

リゼ「お弁当ももちろんだが、こうしてここあに会えることが一番嬉しいんだっ!ここあぁ~!!//」スリスリ

 

ここあ「りぜちゃん、くるしい……//

 

リゼ「ふへへ……ここあ……//――ハッ!

 

ザワザワ…… リゼセンパイ……? リゼセンパイノイモウト……?

 

リゼ「~~っ//」プシュウ

 

リゼ「……こほん!//」スッ

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

リゼ「ここあ、お弁当ありがとう。あとで教室でゆっくり食べさせてもらうよ」

 

ここあ「きょうはおそとでたべない?」

 

リゼ「ああ、ごめんな」ナデナデ

 

ここあ「……そっか」シュン

 

リゼ「ここあ……うぅ……」

 

リゼ(自分の分のお弁当まで……わたしといっしょに食べるつもりだったんだろうな……)

 

リゼ「せっかく持ってきてくれたのに……すまない」

 

ここあ「ううん、だいじょーぶ」

 

リゼ「帰ったらおいしかったかどうか教えるから。先におうちに戻っててくれ」

 

ここあ「うん、りぜちゃんのことまってるね」

 

リゼ「言うこと聞いてくれてありがとう、おりこうさんだな」ナデナデ

 

ここあ「ばいばい!はやくかえってきて」フリフリ

 

リゼ「ああ」フリフリ

 

ここあ「……」

 

リゼ(ここあの背中が遠くなっていく……)

 

リゼ「…………」

 

ここあ「…………」チラッ

 

リゼ「!」

 

ここあ「………………」チラッ

 

リゼ(ダメだ、堪えろわたし……)キリキリ

 

ここあ「…………」

 

リゼ(なんとか耐えた……)

 

リゼ(しかし、大きな犠牲も伴なった……)

 

リゼ「ここあとのお弁当タイムが……うっ……」ガクッ

 

女生徒「リゼ先輩!?」

 

 

 

 

ここあ(りぜちゃんといっしょに、おひるごはんたべたかったな……)

 

ここあ「…………」

 

ここあ(しゃろちゃん、いないかな……?)キョロキョロ

 

ここあ「…………」

 

ここあ「……」シュン

 

ここあ(おうちにかえってからたべないと……)

 

??「あれぇ?」

 

ここあ「?」

 

??「どうしてこんなところに小さい子が~?」スッ

 

ここあ「おねえちゃん、だあれ?」

 

ユラ「ん~?お姉ちゃんはね、ユラお姉ちゃんって言うんだけど」

 

ここあ「ゆらおねえちゃん?」

 

ユラ(あれ~……この子、どこかで見たような気が……)ジー

 

ここあ「?」

 

ユラ「あっ、思い出した~。リゼのスマホの待ち受け画面」ポンッ

 

ここあ「――!」

 

ここあ「おねえちゃん、このまえりぜちゃんとおべんとうたべてたひと!」

 

ユラ「おべんとう?ああ、この前のミールレディトゥイート?」

 

ここあ「れでぃてゅーいーと?」

 

ユラ「レーションのことだよ~」ナデナデ

 

ここあ「?」

 

 

 

――学校内 ガーデン ベンチ――

 

 

ここあ「♪」モグモグ

 

ユラ「それ、ここあちゃんが作ったの?」

 

ここあ「はやおきして、ちのちゃんといっしょにつくったんだよ!」

 

ユラ(おともだちかな?)

 

ユラ「この前も本当は届けに来てたんだよね、ごめんね~」

 

ここあ「ううん。おねえちゃんとりぜちゃん、たのしそうだったからいいの」ニコッ

 

ユラ(良い子だね~……)

 

ユラ「今日は無事お弁当届けられたんだって。リゼ喜んでた?」

 

ここあ「うん!だっこしてもふもふして、たくさんぎゅってしてくれたよ、えへへ//

 

ユラ「よかったね~」ナデナデ

 

ここあ「りぜちゃん、すごくやさしいんだよ//」ニヘラ

 

ここあ「えほんよんでくれたり、いっしょにおえかきしてくれたり。あとおふろにはいったり、いっしょにねたり――」

 

ユラ(確か一緒に住んでる親戚の子だっけ。リゼずいぶん慕われてるね~)

 

ユラ(最近部活の助っ人来ないのも、わたしに音沙汰なしなのもこのせいか~、なっとく)

 

ここあ「だめなことしたらおこっちゃうけど、でもごめんなさいっていったらたくさんよしよししてくれて――」

 

ユラ(うーん……――! そうだ~……ふふっ)

 

ここあ「おやすみのひも、いつもいっしょにあそんでくれるんだよ」

 

ユラ「そうなんだ~、ここあちゃんは、リゼと仲良しなんだね~」

 

ここあ「うん!//

 

ユラ「リゼのこと、好き?」

 

ここあ「だいすき!りぜちゃんのこと、すき//」ニコッ

 

ユラ「どれくらい~?」

 

ここあ「これくらい、もっともっと!」バッ

 

ユラ「ふーん♪」

 

ユラ「ユラお姉ちゃんは、これくらいかな~?」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

ユラ「ここあちゃんより大きいから、わたしの勝ちだね~」

 

ここあ「!」

 

ユラ「ユラお姉ちゃんのほうが、リゼのこと想ってるよ~?」

 

ここあ「……っ!そ、そんなことないよ……!わたしもりぜちゃんのことおもってるもん!」

 

ユラ「でも~これくらいでしょ~?ここあちゃんのほうがちいさいし」

 

ここあ「あ…ぅ………ち、ちがうよ!わたしのほうがりぜちゃんのこと、ずっとずっとすきだもん!」

 

ユラ「どうかな~?」

 

ここあ「だってりぜちゃんも、わたしのことすきっていってくれるから」

 

ユラ「お姉ちゃんも言われたことあるよ~?」

 

ユラ(昔だけど)

 

ここあ「ぅっ……いっしょにおふろはいったり、べっどでねたりするもん!」

 

ユラ「わたしもしたことあるよ~、何回も」

 

ユラ(小さい頃にだけど)

 

ここあ「で、でも……!」

 

ユラ「ここあちゃん、リゼの誕生日覚えてる~?」

 

ここあ「えっ……!えっと……2がつの、えっと……」

 

ユラ「リゼが好きなものは?嫌いな食べ物は?得意料理は~?」

 

ここあ「きらいなもの、りぜちゃんの……」アセアセ

 

ユラ「好きな銃は?好きな戦車は?」

 

ここあ「あぅ……すきな、じゅう……」

 

ユラ「ユラお姉ちゃんは全部知ってるよ~」

 

ここあ「ぅ…………」

 

ユラ「ここあちゃん、本当にリゼのこと好きなのかな~?」

 

ここあ「………………」

 

ここあ「」グスッ

 

ユラ(あっ、やりすぎちゃった……?)

 

ここあ「っく……ちがうもん……わたし…ぐすっ、りぜちゃんのことすきだもん」ポロポロ

 

ここあ「おねえちゃんよりも、ずっと……りぜちゃんのこと、だいすきだもん……っ」ポロポロ

 

ユラ「……そっか」

 

ユラ「それじゃあ、ここあちゃん?ユラお姉ちゃんと勝負しない?」

 

ここあ「ふぇ……?」

 

ユラ「明日の明日、もう一度ここにおいでよ~。その時、これで対決しよう?」スッ

 

ここあ「これ……なに?」

 

ユラ「吹き矢筒だよ~。吹き矢、知らない?こうしてフッて息を吐いて、矢を的に飛ばすの」

 

ユラ「的に書かれている数字の場所をねらって、その数字の大きかったほうの勝ちだよ~」

 

ここあ「まとあて……?」

 

ユラ「そう、的当て。ただし、使うのは銃じゃなくてこの吹き矢~」

 

ユラ「どっちがよりリゼのことを好きなのか決着つけよう~。ここあちゃんが勝ったら、わたしよりも誰よりも、ここあちゃんがリゼのことが好きだって認めてあげる~」

 

ここあ「ほんと……!?」

 

ユラ「ただし~わたしが勝ったら、ここあちゃんのリゼへの想いは、わたしよりも下だってことを認めないとダメだよ~?」

 

ここあ「……!」

 

ユラ「どうする~?怖いなら断ってもいいよ?その代わり、ここあちゃんの想いは認めてあげられないけど」

 

ここあ「………………」

 

ここあ「…………」グッ

 

ユラ「?」

 

ここあ「……しょうぶ…する……あしたのあした、もういっかいくる……!」

 

ユラ「……!」

 

ここあ「おねえちゃんにかって、わたしがりぜちゃんのこといちばんだいすきなのをみとめてもらうもん!」

 

ユラ「……ふふっ♪」

 

ユラ「さすがだね~、りぜのしんせきなだけあるよ~」

 

ここあ「しんせき……?」

 

ユラ「じゃあ、あしたのあした。土曜日。えっとね~お昼ご飯を食べた後、時計の短い針が2になったら~」メモ ピッ

 

ユラ「はい、これ挑戦状。裏に部室までの地図も描いてるからね~」スッ

 

ここあ「…………」

 

ユラ「あっ、あとお友達に相談してもいいけど、くれぐれもリゼには内緒だよ~?」

 

ユラ「リゼに頼ったり、当日に来なかったりしたらここあちゃんの負けだからね~」

 

ここあ「わかった……りぜちゃんにはいわない」

 

ユラ「吹き矢の詳しい使い方はお友達に学んで~。それじゃあね、待ってるよ~」フリフリ

 

ここあ「………………」

 

ここあ「……」グッ

 

ここあ「……!」タタタ

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

――PM4:08天々座家 リゼの部屋――

 

 

使用人「失礼しやす」ガチャッ

 

使用人「おや……?」

 

ここあ「ゆうしゃさん、りぜちゃん、もうかえってくる?」

 

使用人「ええ、もうじき。それよりどうされたんです、腕まくりなんて」

 

ここあ「りぜちゃん、かえってきたらすぐにらびっとはうすだよね?わたし、きょうは『あまうさあん』にいたい」

 

使用人「お嬢のお友達のところですか。承知しました、ではあっしが車で」

 

ここあ「ううん、だいじょーぶ。ゆうしゃさんはここでおるすばんしてて」

 

ここあ「いってきます!」タタタ

 

使用人「あっ、お待ちを……!」

 

使用人(まずはお嬢に)ピッ

 

使用人「――もしもし、お嬢」

 

使用人「小さいお嬢は甘兎庵に行くらしいので、今日は学校帰りにそのままラビットハウスに」

 

使用人「――お任せください、責任を持って送り届けます」

 

使用人「帰りはお嬢が迎えに……承知しました、では」ピッ

 

使用人(一応、お友達のほうにも……)ピッ

 

使用人「………………」

 

 

千夜『ここあちゃんやリゼちゃんのことで何かあったら、いつでもかけてきてください♪』

 

 

使用人「…………//

 

使用人「……」ピッ

 

使用人「あっ、もしもし……――」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

――甘兎庵――

 

 

ここあ「こんにちは!」ガラッ

 

千夜「あらここあちゃん、いらっしゃい」ニコッ

 

ここあ「…………」キョロキョロ

 

千夜「遊びに来てくれたの?今はお客さん誰もいないからちょうど良かったわ」ナデナデ

 

ここあ「ちやちゃん、あのね」

 

千夜「?」

 

ここあ「おねがいがあるの……りぜちゃんに、ひみつにしててくれる?」

 

千夜「ないしょのお願い?分かったわ、リゼちゃんには秘密ね」シーッ

 

ここあ「えっとね――」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

千夜「リゼちゃんのお友達と吹き矢で?」

 

ここあ「あしたのあした、しょうぶするんだ」

 

千夜「これが挑戦状ね」

 

ここあ「りぜちゃんのことだから、まけられないの……!」

 

千夜(吹き矢……シャロちゃんと仲良くしてくださってる吹き矢部の部長さんかしら)

 

千夜(話を聞く限りだと、ここあちゃんの反応が可愛いからからかっている線が濃厚……)

 

ここあ「ちやちゃんおねがい、わたしに『ふきや』おしえて?」

 

千夜「ここあちゃん……」

 

ここあ「…………」ジッ

 

千夜(真剣ね……リゼちゃんのことだし無理もないけど)

 

千夜(………………)

 

千夜「……わかったわ」

 

ここあ「……!」

 

千夜「わたしにまかせなさい♪」ガシッ

 

ここあ「ぁ……!ありがとうちやちゃん!」

 

千夜「ふふっ、でもここあちゃん、やるからには全力でいきましょう?」

 

千夜「厳しい修行になると思うわ、覚悟はいい?」

 

ここあ「うん、なんでもこいだよ!」

 

千夜「それじゃあ力を合わせて、勝利をもぎ取りましょう!」

 

ここあ「おーっ!」ピョン

 

 

 

千夜「吹き矢も色々な構え方があるけど、基本はこうね」

 

ここあ「こう?」

 

千夜「右手は吹き口より少し前あたりを、左手はこうして軽く添えるだけでいいわ」

 

千夜「的より少しだけ上を狙うのがポイントよ」

 

ここあ「ここだね」

 

千夜「コツは強く吹き込むんじゃなくて、一瞬だけフッと吹きこむの」

 

千夜「フッ!」ビュッ

 

ここあ「フゥ!」ビュッ

 

千夜「上手くいったわ♪」

 

ここあ「わたしの、はずれちゃった……」

 

千夜「初めてにしては上出来よ、リゼちゃんが迎えにくるまで練習しましょう」

 

ここあ「いえっさー!」ビシッ

 

千夜「ここあちゃんならすぐに上手になれるわ」ニコッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――PM6:52 帰り道――

 

 

リゼ「今日は甘兎庵でお手伝いしてたのか?」

 

ここあ「んーん、ちがうよ」

 

リゼ「千夜と遊んでたのか?」

 

ここあ「ううん」

 

リゼ「じゃあ、なにをしてたんだ?」キョトン

 

ここあ「ん~――ないしょ♪」

 

リゼ「おっ、隠し事する気か?」ヒョイ

 

ここあ「わわっ」

 

リゼ「白状しないと尋問だぞ~」コチョコチョ

 

ここあ「ひゃ!りぜちゃんだめぇ!//

 

リゼ「ふふっ、冗談だ」クスッ

 

リゼ「ここあ、お弁当ありがとう。すごくおいしかったぞ」ギュッ

 

ここあ「んっ……ほんと?」

 

リゼ「ああ、料理もだんだん上手になってきてるな」ナデナデ

 

ここあ「えへへ♪」

 

リゼ「また作ってくれるか?」

 

ここあ「うん!こんどはちのちゃんと、もっとおいしいのつくるね!」

 

リゼ「楽しみだ」ニコッ

 

ここあ「…………」

 

 

――ギュッ

 

 

リゼ「ここあ?」

 

ここあ「……りぜちゃん」

 

ここあ「わたしのこと、すき……?」

 

リゼ「当たり前だろう!だいすきだぞ」ギュッ

 

ここあ「……!」

 

ここあ「……うん」

 

ここあ「わたしも――すき//」ニヘラ

 

リゼ「ここあ~っ!かわいいなぁお前は!」スリスリ

 

ここあ「りぜちゃん……//」ポスッ

 

ここあ(わたし……がんばるね)

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

――翌日 早朝 甘兎庵――

 

 

ここあ「がっこう?」

 

千夜「ごめんなさいねここあちゃん、終わったらすぐに帰ってくるから」ナデナデ

 

ここあ「まってるあいだ、ちやちゃんのおへやでれんしゅうしててもいい?」

 

千夜「もちろんよ。でも大丈夫、一人じゃないわ」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

お婆「来たのかい」

 

ここあ「おばあちゃん、おはよう♪」

 

お婆「挨拶はいいからとっととあがりな、朝ごはんは食べてきたかい?」

 

ここあ「たべたよ、たまごやきとまよねーずのやさい」

 

千夜「おばあちゃん、帰ってくるまでここあちゃんのことよろしくね」

 

お婆「ふん、余計な心配しなくていいから、さっさと行ってきな」

 

千夜「ここあちゃん、おばあちゃんの教え方厳しいかもしれないけど、頑張って」

 

ここあ「おばあちゃん、『ふきや』できるの?」

 

千夜「ええ、わたしよりもずっと上手なの。きっとここあちゃんの力になってくれると思うわ」

 

お婆「千夜、聞こえないのかい、早く行きな」

 

千夜「でも――オニババアよ、ここあちゃんも気を付けて」クスッ

 

千夜「それじゃあいってきます」ガラッ バタン

 

ここあ「いってらっしゃーい!」ブンブン

 

お婆「ふん……」

 

ここあ「――おばあちゃん」クイクイッ

 

お婆「ん?」

 

ここあ「ふきや……おしえてください。よろしくおねがいします」ペコリ

 

お婆「…………」

 

お婆「よろしくされなくとも、みっちりたたきこんでやるから覚悟しときな」

 

お婆「その代わり、途中で投げ出したりしたら承知しないよ」

 

ここあ「いえっさー!」

 

お婆「辛くなったらすぐに言うんだよ、泣かれたりしたら迷惑だからね。甘いものもとったほうがいいから、和菓子でも食べながら練習しな。お昼ご飯は何がいいんだい?面倒だからあんたの好きなものにするよ」

 

ここあ「……!」

 

ここあ「うん……!おばあちゃん、ありがとう!」ギュッ

 

お婆「負けるんじゃないよ」

 

ここあ「まかせなさーい!」ガシッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――PM4:04――

 

 

千夜「ただいま」

 

ここあ「ちやちゃん!おかえりなさい」

 

千夜「ただいまここあちゃん、おばあちゃんとの練習上手くいった?」

 

ここあ「うん!みて、これ」

 

ここあ「フッ!」ビュッ

 

千夜「すごいわ!もう少しで真ん中ね」

 

ここあ「おばあちゃんにおしえてもらったの」エッヘン

 

千夜「たくさん練習したのね、偉いわ」ナデナデ

 

ここあ「えへへ♪」

 

千夜「頑張り屋のここあちゃんに、わたしからサプライズがあるの」

 

ここあ「ふぉぇ?さぷらいず?」

 

チノ「ここあさん、こんにちは」ヒョコ

 

ここあ「ちのちゃんっ!」

 

チノ「千夜さんから聞きました、リゼさんに内緒で秘密の特訓ですか」

 

ここあ「りぜちゃんにはないしょにしててね?」シーッ

 

チノ「はい、シーッです」

 

ここあ「ちのちゃんも『ふきや』できる?」

 

チノ「いえ、わたしはまったく」

 

チノ「ここあさんのことを応援しに来たんですが……これからラビットハウスの営業なのですぐに帰らないといけません」

 

ここあ「そっか」

 

チノ「すいません、お役に立てなくて」ナデナデ

 

ここあ「ううん、きてくれてありがとう」ニコッ

 

チノ「明日は必ず応援に行きますから。大丈夫、ここあさんなら絶対勝てます」テ ギュッ

 

ここあ「!」

 

千夜「もう少しでシャロちゃんも来ると思うわ」

 

シャロ「おじゃまします」ガラッ

 

ここあ「しゃろちゃん」

 

シャロ「ここあ、聞いたわよ。吹き矢部部長と対決するんでしょう」

 

シャロ「任せなさい。今日はバイト休みだし、リゼ先輩が迎えに来るまで付き合ってあげるわ」

 

ここあ「しゃろちゃん、『ふきや』できるの?」

 

シャロ「ええ、一度そのお姉さんと対決して勝ったことあるのよ」

 

ここあ「ほんと!」

 

千夜「しゃろちゃん、わたしやおばあちゃんよりもずっと上手なの」

 

シャロ「あまり時間が残ってないわ。ここあ、早速練習するわよ」

 

ここあ「いえっさー!」

 

千夜「チノちゃん、ラビットハウスが終わったら連絡だけくれる?」

 

チノ「分かりました、リゼさんにバレたらおしまいですからね」

 

チノ(ここあさん……頑張ってください)

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

――――――

――――

――

 

 

――翌日 PM1:50――

 

 

チノ「ここあさん、降りられますか?」

 

ここあ「んっしょ……」

 

シャロ「ふぅ、何度乗っても緊張するわね」

 

千夜「使用人さん、ありがとうございました」ペコリ

 

使用人「いえ、これくらいしかお力になれず」

 

千夜「少しの間リゼちゃんのことよろしくお願いします」ヒソッ

 

使用人「せいぜいもって10分かそれくらいが限界かと……」

 

千夜「その時は素直に教えてあげてください、心配いりませんよ」

 

使用人「承知しました、では……」

 

ここあ「ゆうしゃさん、いってきます!」ビシッ

 

使用人「御武運を、お祝いの準備をしてお待ちしております」ビシッ

 

シャロ「さて、いきましょうか」

 

ここあ「……!」グッ

 

ここあ(りぜちゃん、ぜったいにかってみせるね)

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――吹き矢部――

 

 

ここあ「たのもー!」ガラッ

 

ユラ「いらっしゃーい、待ってたよ~」

 

ここあ「おねえちゃん、こんにちは」

 

ユラ「こんにちは。……ふふ~その顔は、しっかり練習してきたね~」

 

ここあ「まけないよ!ぜったい、ぜったい!」

 

ユラ「久々に楽しい試合になりそうだよ~」

 

ユラ「あれぇ?誰か付き添い?」

 

ここあ「りぜちゃんじゃないよ、みんなわたしのおともだち」

 

ユラ「そう、遠慮なく入っていいよ~」

 

チノ「お邪魔します」ススッ

 

千夜「こんにちは、いつもシャロちゃんがお世話になってます」ペコリ

 

シャロ「それ前も言ってたでしょう!保護者っぽいからやめてよ//

 

ユラ「観客も満員だね~」

 

ユラ「さて、それじゃあはじめよっか~」

 

ユラ「ルールは簡単。あの的を交互に撃って、3回の合計点が高い方の勝ちだよ~」

 

ユラ「先行はここあちゃんにゆずるね~」

 

 

 

ここあ「スー……ハー……」

 

ここあ(だいじょうぶ、みんなとれんしゅうしたもん……)

 

ここあ「…………」スッ

 

チノ「…………」ドキドキ

 

ここあ「フッ!

 

――ストン

 

ユラ「90点、やるね~」

 

ユラ「次はユラお姉ちゃんの番だよ~」

 

ユラ「…………」スッ

 

ユラ「フッ!

 

――ストン

 

ユラ「70点……ちょっとずれたかな?」

 

ここあ「…………」

 

ユラ「……?嬉しくないの?」

 

ここあ「ひとのしっぱいをよろこんだりしちゃだめ」フルフル

 

ユラ「おお~……」

 

千夜「ここあちゃん、とっても良い子でしょう?」クスッ

 

ユラ「そうだね~リゼが親バカになっちゃうわけだよ~」

 

シャロ(リゼ先輩の親バカって学校にまで浸透してるんですか……)

 

ユラ「でも手加減は抜きだよ~、次はここあちゃん」

 

ここあ「…………」スッ

 

ここあ「フッ!

 

――ストン

 

ここあ「あっ……」

 

ユラ「60点……外しちゃったかな」

 

ユラ「………………」スッ

 

ユラ「フッ!

 

――ストン

 

ここあ「!」

 

ユラ「100点~ふふ~」

 

チノ「逆転されちゃいました……」

 

シャロ「吹き矢部部長、大人げないですよぉ」アセアセ

 

千夜「次で高得点を取らないとまずいわ……」

 

 

ユラ「ここあちゃんは90点と60点で、合計150点。ユラお姉ちゃんは70点と100点で合計170点、このままいけばここあちゃんの負けだね~」

 

 

ここあ「……うぅ」

 

ユラ「どうする?諦めて降参~?」

 

ここあ「ううん……あきらめない!」

 

ここあ「みんながおうえんしてくれてるもん、てつだってくれたもん!」

 

ここあ「りぜちゃんのこと……すきだもん……!」

 

ユラ「………………」

 

チノ「ここあさん……」

 

シャロ「ここあ、落ち着いて。冷静に狙って」

 

千夜「…………」グッ

 

ユラ「さぁ、ここあちゃんの番だよ」

 

 

ここあ「………………」スッ

 

ここあ(……りぜちゃん)

 

ここあ「――っ」

 

 

リゼ「ここあぁ!」ガチャッ

 

 

全「!?」

 

ここあ「!」

 

リゼ「使用人から聞いたぞ!気付いてあげられなくてごめんなぁ!」

 

ユラ「リゼ~バレちゃったか~」

 

リゼ「お前か!わたしとここあを引き裂こうとしたのか!」

 

リゼ「こんな勝負無効だぁ!ここあ、安心しろ!」

 

ここあ「りぜちゃん、だいじょうぶだよ」

 

リゼ「えっ……」

 

ここあ「みてて……わたし、ぜったいにかつから」

 

リゼ「……!」

 

ここあ「…………」スッ

 

ここあ「フッ!

 

――ストン

 

千夜「……!」

 

シャロ「100点……やったわ!」

 

チノ「でも、次に80点以上を取られたら……」

 

ユラ「愛の力~?すごいね~」

 

ここあ「つぎ、おねえちゃんだよ!」

 

ユラ「これで80点を出せばもう一度、90点か100点を出せばお姉ちゃんの勝ち~、いい?」

 

ここあ「うん……!」

 

ユラ「…………」スッ

 

ユラ「………………」

 

リゼ「……っ」ドクンドクン

 

ユラ(リゼがあんなに真剣に……)

 

ユラ「……」クスッ

 

ユラ「――フッ!

 

――ストン

 

全「!」

 

ユラ「60点、残念~」

 

シャロ「ということは……!」

 

 

ユラ「ここあちゃんの勝ちだよ~おめでとう~」

 

 

ここあ「……!」パアァ

 

ここあ「やったぁ!かったよぉ!!」ピョンピョン

 

千夜「ここあちゃん、おめでとう!」ニコッ

 

チノ「良い試合でした」パチパチ

 

ここあ「おねえちゃん、これでみとめてくれる?」

 

ユラ「もちろん~。ここあちゃんのリゼへの想いは、本物だね~」ナデナデ

 

ユラ「ユラお姉ちゃんの完敗だよ~」

 

ここあ「ぁ……えへへ♪」

 

ユラ「また試合しようね~、してくれる?」

 

ここあ「うん!おねえちゃんとまた『ふきや』でしょうぶしたいな」

 

ユラ「吹き矢、好き?」

 

ここあ「たのしいからすき!」

 

ユラ「そっか~、それじゃあその吹き筒、ここあちゃんにあげるね~」

 

ここあ「ほんと!?」

 

ユラ「これからも時々練習して~」

 

ここあ「まかせて!こんどはもっとじょうずになってくるよ!」

 

ユラ「ふふ~その代わり、お姉ちゃんからひとつお願い事があるんだけどいいかな?」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

ユラ「ここあちゃんに、お姉ちゃんも名前で呼んでほしいな~」

 

ここあ「!」

 

ここあ「――うん//」スッ

 

ここあ「ゆらちゃん――またいっしょにあそぼうね//」ニヘラ

 

ユラ「ありがとうここあちゃん、たのしかったよ~」ギュッ

 

ここあ「んっ……//」ギュッ

 

ユラ「リゼ~?」

 

リゼ「…………」ポロポロ

 

ユラ「リゼ?」

 

リゼ「ハッ……!な、なんだ?」グスッ

 

ユラ「今度、対決しない?この子の親権をかけて~」

 

リゼ「断るっ!」カッ

 

ユラ「敵前逃亡~」

 

リゼ「ここあはずっとわたしのものだ!」ギュッ

 

ユラ「あっ、とられちゃった」

 

リゼ「まったく……。――ここあ、よく頑張ったな」ナデナデ

 

ここあ「りぜちゃん……」

 

ここあ「――だっこして?//

 

リゼ「いいぞ」ヒョイ

 

ここあ「わぁ♪」

 

リゼ「ここあ……」ナデナデ

 

ここあ「わたしがりぜちゃんのことだいすきだって、ゆらちゃんもみとめてくれたよ//

 

リゼ「そんなの誰に認められなくても、わたしは分かってるぞ~!//」スリスリ

 

リゼ「ここあの気持ち、いつもたくさん受け取ってるからな」ギュッ

 

ここあ「りぜちゃん……ふふっ、りぜちゃん……//

 

リゼ「ふへへ……//」ニヘラ

 

リゼ「帰ったらもっとたくさんギュってしよう!ここあぁ~!//

 

ここあ「きゃっ……//

 

ココア~! クルシイヨォ リゼチャン カワイイナァモウ!

 

ユラ「蚊帳の外~?」

 

チノ「あの……」

 

ユラ「ん~?」

 

シャロ「吹き矢部部長、ありがとうございました」ペコリ

 

千夜「最後、わざと外してくれたんですね」

 

チノ「後攻を選んだのも、ここあさんに合わせるために……」

 

ユラ「……ふふ~、リゼの後輩はみんな良い子だね~」

 

ユラ「ここあちゃんには内緒だよ~楽しかったのはほんとだから」

 

ユラ「みんなも吹き矢できるんだよね、今度良かったら試合しよ~」

 

千夜「はい♪」

 

シャロ「今度も負けませんよ」

 

チノ「おじいちゃん……わたしも、父に教えてもらいましょうか」

 

ティッピー「ふむ」ピョン

 

 

リゼ「また新しい友達ができて良かったな、ここあ」

 

ここあ「うん//

 

 

――おしまい?

 

 

 

――リゼちゃんが部室に現れる10分前の出来事 天々座家――

 

 

使用人「ただいま」ガチャッ

 

使用人「ふぅ……」

 

使用人(お嬢にはなんと言ってごまかそう……)

 

使用人(なるべく話をあいまいにして……)

 

リゼ「ここあ!?」バッ

 

使用人「!?」ビクッ

 

リゼ「お前か!ここあを知らないか!?」

 

リゼ「少し目を離した隙にいなくなってしまったんだ!まさか誘拐されたんじゃ……!」ブルブル

 

リゼ「あぁ……ここあ、どこだ!」

 

使用人「お嬢、落ち着いてください」アセアセ

 

リゼ「この中か!」ガラッ

 

使用人「それ靴箱です!?」

 

リゼ「ここか!?」ガラッ

 

使用人「引き出しに入るわけないでしょう!?」

 

リゼ「お前、ここあから何も聞いてないのかっ!?」ガッ

 

使用人「え、えっと!甘兎庵に遊びに行かれると――」

 

リゼ「嘘を付け!千夜のお婆さんしかいなかったぞっ!」

 

使用人「わざわざ見に行かれたんですか!?」

 

リゼ「まさか……!お前が誘拐したのか!?」

 

使用人「違います!」

 

リゼ「何か知ってるなら言え!隠すと命の保証はしないぞ!」チャキ

 

使用人「っ……その……」

 

リゼ「さぁ、はけ……!」ゴゴゴ

 

使用人「ひっ……!」

 

 

――カクカク シカジカ

 

 

リゼ「」

 

使用人「ですのでその、いまは学校の方に……」

 

リゼ「」

 

使用人「……お嬢?」

 

リゼ「わたしの、ために……」

 

使用人「あの……もうじき終わる頃かと思いますので、家で大人しくお待ちになられたほうが――」

 

リゼ「待っていろ!ここあっ!!」ガチャッ

 

使用人「お嬢!?」

 

リゼ「」ドドドドド!

 

使用人「……………………」

 

使用人「」

 

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    ユラさんいいキャラしてますね
    原作の漫画でまだ細かく知れてないので早く単行本の続きが欲しいです

    ここあの上達具合がすさまじい‼
    愛の力‼

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      連載中のきららMAXの方を一度買いそびれてしまうと、コミックスとは話が繋がらなくなって泣く泣く買えない状況に陥ってしまいますよね……。
      ユラ先輩、小悪魔っぽくて良いキャラですよ。わたくしかなり気に入っておりますので、またこのシリーズにも登場することと思います。

      そうです、リゼちゃんがここあちゃんのことなら階段から落ちても無傷であるように!ここあちゃんのためなら時速30キロで学校から帰ってこられるように!
      ここあちゃんもリゼちゃんのためなら!……ここあちゃんの方は5~6歳くらいですので限界ありますね、はい;

  2. ほのうみ より:

    砂水さん、お久し振りです。

    前回のSSの件ですが、僕は専門学校時代に、SSを書いたことがありますが、結局、挫折しましたね。当時、卒業課題に取り組んでたもんですから。

    今は書くより、見る方が好きなんですよ。

    ユラちゃんって、リゼちゃんの事だったんですね。

    後々、Wikipediaで調べたら、分かりました。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      ほのうみさん、お久しぶりです。
      描くのは意外と大変ですもんね……時間も取られてしまいますし。
      当サイトが続けてゆけるのも、たくさんの読者さんたちのおかげで……。

      ??
      ユラちゃんとリゼちゃんは、全くの別キャラクターですよ。
      ユラちゃんはリゼちゃんの幼馴染ですね。

      • ほのうみ より:

        そうなんですね。

        分かりました。

        Wikipedia等で調べましたが、全くユラさんに書いてませんでした。

        リゼの幼馴染なんですね。

        訳分からない事を言ってしまい、すいません。

        僕もごちうさは最近好きになったばかりで、あんまり詳しく無いんですよ。

        ご返信いただければ幸いです。

        • 砂水クジラ砂水クジラ より:

          ユラさんは現状本編でもまだ極稀に登場するキャラクターですので、確かにウィキには記載されていないかもしれませんね。

          ほのうみさんもごちうさファンに、なによりです。
          アニメに原作に、基礎知識を学び次第どうぞ当SSをお楽しみくださいね。

  3. ss見るの大好き より:

    このシリーズを全部読みました。
    これを読むと、仲間の優しさなどがとても分かりやすく面白かったです。
    このシリーズを他のごちうさのキャラで書いて欲しいです。

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      本編及びIFシリーズの拝読、ありがとうございます。
      ここあちゃんを通して、キャラクター間の絆の深さが伝わりますと幸いです。

      他のキャラクターで……?
      ロリチノちゃんや、ロリ千夜ちゃんということでしょうか?

      • SS見るの大好き より:

        チノや千夜などが幼児化してココアやシャロが面倒を見る
        というSSを読んでみたいです

        • 砂水クジラ砂水クジラ より:

          そうしますと、一からまた新たなシリーズSSを立ち上げねばなりませんね。
          需要が溜まり次第、検討させて頂こうかと思います。

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