ごちうさSS チノ「ここあさんの誕生日」night:特別なキス

 

前→ evening:レッツパーティー!

 

―――――――――――――――――――

 

 

――PM10:00 リゼの部屋――

 

リゼ「――ああ、乗れるようになったって喜んでたよ、チノのおかげだ」

 

リゼ「怪我の方大丈夫か?シャロがずいぶん転んでたって言ってたけど……」

 

リゼ「――そうか、明日は無理しなくていいぞ。わたしとここあに任せろ」

 

リゼ「プレゼントもありがとう、喜んでたぞ」

 

リゼ「――わたしも楽しかった、また来年もできるといいな」

 

リゼ「そろそろ寝るか?」

 

リゼ「――おやすみ、チノ。明日もよろしくな」

 

プチッ

 

リゼ「ふぅ……」

 

ここあ「りぜちゃん、ちのちゃんなんていってた?」

 

リゼ「んっ?ここあのこと、たくさん褒めてたぞ」

 

ここあ「ほんと?でも、いちどだけ ないちゃった……」シュン

 

リゼ「仕方ないよ、転んで痛かったもんな」

 

リゼ「よっと」ヒョイ

 

ここあ「わわっ……」

 

リゼ「少しじっとしてろよ」

 

ここあ「?」

 

リゼ「浴室でも見たけど……やっぱり青くなってるな」

 

リゼ「ここも痣になってるし」

 

ここあ「いっぱいころんじゃったから」

 

リゼ「痛くないか?」

 

ここあ「うん、もうへいき!」

 

リゼ「…………」ナデナデ

 

ここあ「りぜちゃん?だいじょうぶだよ?」

 

リゼ「……ああ」

 

リゼ「頑張ったんだな……本当に」

 

ここあ「だからのれるようになったよ」エッヘン

 

リゼ「そんなに乗りたかったのか?自転車に?」

 

ここあ「うん!だってじてんしゃにのれるようになったらね、りぜちゃんのことがっこうまでむかえにいけるから」

 

リゼ「!」

 

ここあ「とおいばしょにふたりであそびにいったり、わすれものをもっていったり、りぜちゃんがいっぱいえがおになってくれるとおもって」

 

リゼ「……ここあ」

 

ここあ「これからはがっこうまでむかえにいくね。わたしにまかせなさーい」ニヘラ

 

リゼ「………………」

 

リゼ「……そうか」

 

リゼ「ここあは、わたしのために一生懸命頑張ってくれたんだな……傷だらけになって……」

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「ありがとう……うれしいぞ」ギュッ

 

リゼ「でも、迎えに来るのはダメだ」

 

ここあ「ふぇ?」

 

リゼ「ここあが事故に遭ったり、何かに巻き込まれないとも限らない……だから、これからもここで待っててくれないか?」

 

リゼ「家に帰ったらお前が迎えてくれる……それだけで充分幸せなんだ、わたしは」

 

ここあ「……うん、わかった」

 

ここあ「りぜちゃんのこと、おうちでまってるね」ニコッ

 

リゼ「言うこと聞いてくれてありがとう、おりこうだな」スリスリ

 

ここあ「りぜちゃんもふもふっ」ギュッ

 

リゼ「もう10時か……今日は疲れたし、そろそろ寝るか」

 

ここあ「ふぁぁ……」ポワポワ

 

リゼ「ははっ、ここあもおねむか?」

 

ここあ「うん、すこしだけ」

 

リゼ「歯磨きして、いっしょに寝よう」

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

リゼ「電気消すぞ?」

 

ここあ「あっ、まって」

 

ここあ「わいるどぎーす、おいで」ヒョイ

 

ここあ「えいっ」ポスッ

 

ここあ「いいよ~」

 

リゼ「消灯だ」カチッ

 

リゼ「……」ポスッ

 

ここあ「まっくらだね」

 

リゼ「すぐに目が慣れるよ」

 

ここあ「りぜちゃんのおかおはみえるのに」

 

リゼ「二人で同じ枕だもんな……いい加減ここあの枕を買わないとな」

 

ここあ「ううん、いい」

 

ここあ「……はんぶんこのほうが、りぜちゃんとくっつけるもん//

 

リゼ「ここあ……」

 

ここあ「りぜちゃん……んっ――」

 

――ホッペ チュッ

 

リゼ「――!」

 

リゼ「え……あ……」

 

リゼ「な……なっ……!//」カアァ

 

ここあ「りぜちゃんに、さぷらいずのおかえしだよ//

 

リゼ「……!」

 

ここあ「おどろいた?あした、ちのちゃんやちやちゃん、しゃろちゃんにもするの//

 

リゼ「えっ……」

 

ここあ「きすさぷらいず、りぜちゃんにはせいこうだね//」ニコッ

 

リゼ「……………………」

 

リゼ「……みんなにも、するのか」

 

リゼ「わたし以外にも……」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

リゼ「なら、これだと嫌だな……わたしは、ここあの特別でありたい」

 

リゼ「……」グイッ

 

ここあ「きゃっ……」

 

 

――ウマノリ

 

 

ここあ「りぜ…ちゃん……?」

 

リゼ「ここあ……キスしてもいいか?」

 

ここあ「え……//

 

リゼ「ほっぺじゃなくて、口にだ……」

 

ここあ「ほんとうの、きす……?//

 

リゼ「……ああ」

 

ここあ「……うん//

 

ここあ「いいよ……?//

 

リゼ「……んっ――」

 

――チュッ

 

ここあ「!」

 

ここあ「ん……//

 

リゼ「ちゅ……はぁ……//

 

ここあ「っ……//

 

リゼ「……ここあ」

 

ここあ「えへへ……りぜちゃんとほんとうの『きす』するの、ひさしぶりだね//」ニコッ

 

リゼ「……!」

 

ここあ「りぜちゃんとおわかれしそうになったとき、ふたりでしたよね//

 

リゼ「おぼえてたのか?」

 

ここあ「わすれるわけないよ……りぜちゃんとした、はじめての『きす』だもん//

 

リゼ「……ほっぺはたくさんあるけど、口はこれで2回目だな」

 

ここあ「……もういっかい、する?//

 

リゼ「………………」

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「ここあ……実はな……」

 

リゼ「口にするキスよりも、もっと深いキスがあるんだ」

 

ここあ「もっと……?」

 

リゼ「ああ……ここあとしてみたい……いいか?」

 

ここあ「……いたいの?」

 

リゼ「痛くないよ、全然……ただ」

 

ここあ「?」

 

リゼ「お互い、変な気持ちになるかも、しれない……」

 

ここあ「…………」

 

リゼ「ここあが嫌なら、しない……」

 

ここあ「……ううん」

 

ここあ「――りぜちゃんがしたいなら、いいよ……?//

 

リゼ「……そうか」

 

リゼ「なら……しよう」ガシッ

 

ここあ「あっ……//

 

リゼ「ここあ……口を開けてくれ」

 

ここあ「んっ……こう?//

 

リゼ「もっと……あーんだ」

 

ここあ「あーん……//

 

リゼ「……っ」バクバク

 

リゼ(わたしは、なにをやろうとしてるんだ……)

 

リゼ(こんなに小さくて幼いここあに……なにを……)

 

リゼ(踏み越えてしまったらきっと……もう歯止めなんて聞かない)

 

リゼ(なのに……)

 

リゼ「…………」スッ

 

リゼ「ここあ……――」

 

Prrrrrrrrrrrrrrr!!

 

リゼ「!?」

 

ここあ「でんわ……?」

 

リゼ「……千夜からだ」

 

ここあ「でんきつけるね」カチッ

 

リゼ「もしもし」スッ

 

千夜「もしもしリゼちゃん?ごめんなさい、こんなに遅くに」

 

リゼ「いいぞ別に、どうしたんだ?」

 

千夜「いま確認したらね、明日わたしの学校創立記念日でおやすみみたいなの」

 

千夜「明日はリゼちゃん、通常授業よね?良かったらここあちゃん預かってもいいかしら?」

 

リゼ「千夜は休みか……助かる、ここあも喜ぶよ」

 

千夜「学校の行きしなに連れてきてもらっていい?」

 

リゼ「ああ、帰りに迎えに行く」

 

千夜「良かったわ、リゼちゃん寝てたらどうしようかと思って」

 

リゼ「ははっ……。――千夜」

 

リゼ「ありがとう――助かったよ」

 

千夜「えっ?」

 

リゼ「今日は疲れただろう、ゆっくり寝てくれ。おやすみ」

 

千夜「あ、リゼちゃ――」プチッ

 

リゼ「………………」

 

ここあ「ちやちゃん、どうしたの?」

 

リゼ「明日、お休みだからここあと遊びたいって」

 

ここあ「あまうさあん……!?」キラキラ

 

リゼ「ああ、学校帰りに迎えに行くから、わがまま言わないで良い子にしてるんだぞ」

 

ここあ「うん!おりこうにしてるね」

 

リゼ「明日は早いから、もう寝よう」ヒョイ

 

ここあ「りぜちゃん……?きすは?」

 

リゼ「……また、今度にしよう」

 

リゼ「いまはまだ、これでいい……」スリスリ

 

ここあ「……?」

 

リゼ「そばにいてくれるだけで、充分幸せだから……」ギュッ

 

ここあ「ん……♪」

 

リゼ「ここあ――可愛いな、お前は」ニコッ

 

 

――おまけ PM4:10――

 

 

千夜「生クリーム塗り終わったわ」

 

リゼ「イチゴを乗せて……あとはメッセージプレートだ」

 

使用人「お嬢……あの」

 

リゼ「んっ、どうした?」

 

使用人「ロウソクの数なんですが……」

 

全「?」

 

使用人「……あの子、いったい次はいくつになるんでしょう?」

 

リゼ「………………」

 

全「……………………」

 

使用人「………………」

 

シーン……

 

リゼ父「――5本だ!」クワッ

 

――おしまい♪

感想

  1. 匿名 より:

    1度に3回も‼と思ったらここあちゃんの誕生日SSだったんですね。
    細かい描写が…上手いなぁ…

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      おお……ありがとうございます!
      ところどころの描写に遊び要素を入れたり、クスリと笑えるネタを放り込んだりとわたしなりにこだわっておりますので、文章を褒めて頂けるととても嬉しいです。
      3作品とも読んで頂けたのですね、作家冥利につきますぞ!

  2. Beyond the Average より:

    幼いここあはずっと5歳児ぐらいだと思ってたのでリゼ父が8本だ!と言ったときに、えっ見た目8才なの!?って驚いてしまいました。
    それにしてもタカヒロとリゼ父が出ると、大人からの目線というもう一つの視点が出てきて読んでて楽しいですね!ごちうさの世界を鳥瞰したい私としては、タカヒロさん、そこ代わってー!と言いたくなります!
    (はっ!気を取り乱してしまった!)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      すいません、これ8本ではなくて完全に5本ですね;
      プロットから本筆に入る際に思い切りミスしております、ご指摘助かりました。

      タカヒロさんとリゼパパ、良いですよね。
      このシリーズでは『家族愛』をテーマに掲げておりますゆえ、大人目線のタカヒロさんとリゼパパ、そして使用人さんをあえてメインキャラに置く。という描写を意識しております。
      時折り出てくる大人たちのトーク描写、お楽しみ頂けたようで何よりです。

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