ごちうさSS チノ「ここあさんとチョコレート作り」

 

――

――――

――――――

 

 

 

――PM 2:14 天々座家――

 

 

リゼ「うぅ……」オロオロ

 

千夜「5時までにはちゃんと帰ってきましょうね」

 

ここあ「うん!」

 

シャロ「ほんとに一人で大丈夫?」

 

ここあ「わたしにまかせなさーい」エッヘン

 

千夜「ふふっ、偉いわここあちゃん」ナデナデ

 

リゼ「なぁ、やっぱりわたしたちも付いていっちゃダメか?」ヒソッ

 

シャロ「ダメですよ、今日はここあとチノちゃん二人きりにしてあげましょう」ヒソヒソ

 

ここあ「それじゃあ、いってきます!」

 

千夜「いってらっしゃい、信号に気を付けてね」フリフリ

 

リゼ「やっぱり行くのか……はぁ……」

 

シャロ「ここあ……頑張って」

 

ガチャッ バタン

 

千夜「さて、あとはチノちゃんに任せましょう」チラッ

 

シャロ「ええ、そうね」グッ

 

千夜(上手くいったわ♪)

 

シャロ(後は5時までここで待機ね)

 

千夜「リゼちゃん?ここあちゃんが帰ってくるまで3人で何しときましょうか」

 

リゼ「昼寝しよう……そうすればすぐ5時になる」トボトボ

 

シャロ「リゼ先輩!?」

 

リゼ「ここあと離ればなれ……仲間外れ……」ズーン

 

千夜「別れて3秒で既にここあちゃんシックね……」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――ラビットハウス――

 

チノ「…………」

 

チノ「…………」チラッ

 

チノ(もうすぐ2時半……そろそろここあさんが来る頃……)

 

チノ「………………」

 

チノ(……上手く、できるでしょうか)

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

―― 一昨日 ラビットハウス――

 

ここあ「ちのちゃん、ちょこづくりおしえて!」

 

チノ「チョコ作り、ですか?」

 

ここあ「あっ、リゼちゃんやみんなにはないしょだよ?」シーッ

 

ここあ「ひみつでつくって、『さぷらいず』するの」

 

 

チノ「なるほど……日頃の感謝を込めて手作りチョコを。ここあさんは優しいですね」

 

ここあ「でも、つくりかたがわからなくて……ちのちゃんならしってるとおもって!」パアァ

 

チノ「わたし……?ええっと……」

 

ここあ「ちのちゃんおねがい、いっしょにちょこつくって?てつだって?」ギュッ

 

チノ(うっ……正直、シャロさんたちの方がずっと詳しいし上手だと思うけど……)チラッ

 

ここあ「?」

 

チノ(でも、わざわざわたしを頼ってくれたここあさんの期待を裏切るわけには……)

 

チノ「……分かりました」スッ

 

ここあ「!」

 

チノ「明日中に材料を揃えておきますね。明日の明日、二人で一緒にここで作りましょう」ナデナデ

 

ここあ「ほんと!?」

 

チノ「はい、二人でこっそりサプライズ作戦です」シーッ

 

ここあ「……!ありがとうチノちゃんっ!」

 

チノ「わたしに、任せてください」ガシッ

 

ここあ「ちのちゃんだいすき♪」ギュッ

 

チノ「きゃっ…ふふっ……」

 

チノ(ここあさんのお姉ちゃんとして、頑張らないと……っ)

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

チノ(昨日は千夜さんとシャロさんと一緒にたくさん練習したし、大丈夫なはず……)

 

チノ「……………………」

 

チノ「…………」チラッ

 

チノ(29分……大丈夫でしょうか、まさか途中でなにかあったんじゃあ……)

 

チノ「…………」ソワソワ

 

ガチャッ

 

チノ「!」

 

ここあ「ちのちゃん、こんにちは!」

 

チノ「ここあさん……」ホッ

 

ここあ「ふぉぇ?どうしたの?」

 

チノ「いえ、なんでもありませんよ。ちゃんと一人で来れましたね」

 

ここあ「ひみつでさぷらいずだもんね」

 

チノ「さっそくつくりますか?厨房に用意してありますよ」

 

ここあ「うん!ふたりでがんばろうね」

 

――ギュッ

 

チノ「!」

 

ここあ「ちゅうぼうまで、『て』つなごう」ニコッ

 

チノ「……はい//」ニコッ

 

 

――――――――――――――――――

 

 

チノ「あの……ここあさん、これは……」

 

ここあ「このえぷろん、りぜちゃんにかってもらったんだよ~」

 

チノ(どう見てもメイド服……リゼさん、純真なここあさんになに着せてるんですか)

 

ここあ「じゅんびおっけーだね」

 

チノ「では、まずはチョコレートを湯せんしましょう」

 

ここあ「ゆせん?」

 

チノ「暖かいお湯でチョコレートを溶かす作業です」

 

チノ「お湯を沸かしますので、その間に溶かすチョコレートを粉々にしておきましょう」

 

ここあ「わたしもてつだえる?」

 

チノ「今回作るのは簡単な型抜きチョコレートですので、ここあさんでもできますよ」

 

チノ「わたしはデコレーション目的のホワイトチョコを。ココアさんはメインのミルクチョコレートをお願いします」

 

チノ「こうして、板チョコを砕くんです」パキッ

 

ここあ「こう?」パキッ

 

チノ「いいです、上手ですよ」

 

ここあ「わかった、ばらばらにするんだね!」

 

チノ「お願いできますか?」

 

ここあ「まかせて!」

 

 

ここあ「それがありえるかも、みーるくいろのいじげん~♪」

 

チノ(楽しそうです、良かった……)

 

チノ(お湯の温度は50度くらい……これくらいかな)

 

チノ(ホワイトチョコはデコレーションなので、砕いてから後で湯せん)

 

 

 

チノ「ここあさん、バラバラにできましたか?」

 

ここあ「みて、こんなになったよ」

 

チノ「これなら大丈夫です、上手くできましたね」ナデナデ

 

ここあ「えへへ」ニヘラ

 

チノ「次はこれを空のボウルに移して……」

 

チノ「お湯を入れたボウルの上につけておきます」

 

ここあ「そっかぁ、ばらばらにしたちょこをとかすんだね」

 

チノ「少しすると温度で溶けてきますので。あっ、熱いのでまだ触っちゃダメですよ」

 

チノ「その間に型を選んでおきましょう」

 

ここあ「かた?」

 

チノ「たくさんありますよ、どれがいいですか?」

 

ここあ「『はーと』に『ほし』!これ『うさぎ』だ!『ことり』もあるよ!」

 

チノ「こっちは大きい型ですね」

 

ここあ「みんなこれがいい」

 

チノ「大きなハート形ですか、確かにこれならメッセージも入れやすいですね」

 

ここあ「ちょこれーとたりるかな?」

 

チノ「だいじょうぶです、たくさん用意しましたので」

 

チノ(練習用とはいえ買い込み過ぎたので……これなら消費できそうですね)

 

 

 

ここあ「わぁ……とけてる」

 

チノ「そろそろいいですね。次はこのボウルのお湯を捨てて、水を汲みます」

 

チノ「この上にまたボウルをつけて……」

 

ここあ「こんどはひやすの?」

 

チノ「冷やしすぎるとまた固まってしまうので、少しだけです。ここからがここあさんの出番ですよ」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

チノ「このヘラでかき混ぜて、固まらないようにゆっくりチョコを冷やしてください。テンパリングといって、チョコを作る上で一番大切な作業です」

 

ここあ「かきまぜるんだね!わかった!」

 

チノ「あっ、待ってくださいここあさん」

 

ここあ「?」

 

チノ「少しだけ、これを」サラサラ

 

ここあ「ちのちゃん、それなに?」

 

チノ「これですか?ココアです」

 

ここあ「!」

 

チノ「ココアを入れると、型が綺麗にはがれるんですよ」

 

チノ「あとはここあさんの気持ちです。みんなのために、おいしいチョコにするために、心を込めてかき混ぜてください」

 

ここあ「うん、たくさんこめる!」

 

ここあ「ちのちゃん、ちやちゃん、しゃろちゃん、りぜちゃん、みんなだいすき……おいしくなあれ……!」

 

チノ(可愛い……)

 

チノ(あとは型を用意して、チョコを入れて冷蔵庫で固めた後、ホワイトチョコでデコレーション……完璧です)

 

 

 

チノ「ここあさん、できましたよ」

 

ここあ「はーとちょこになってる……!ちのちゃんすごいね!」

 

チノ「仕上げは、コルネを使ってホワイトチョコでお絵描きです」

 

ここあ「おえかき!させて、させて!」

 

チノ「こことここを持って、チョコが出過ぎないようにゆっくりと絞って描いてください」

 

ここあ「んっ……こう?」

 

チノ「ここあさんの好きな絵を描いて構いませんよ、文字を描きたかったら言ってください」

 

ここあ「ちのちゃん、むこうむいてて?」

 

チノ「えっ?」

 

ここあ「まだ振り返っちゃだめだよー」

 

チノ「………………?」

 

ここあ「……いいよ!」

 

ここあ「はい。これ、ちのちゃんへのちょこだよ」

 

チノ「これは……」

 

ここあ「わたしとちのちゃんだよ、ふたりで『はぐ』してるの♪」

 

チノ「!」

 

ここあ「ちのちゃんにだけ『さぷらいず』できなくてごめんね」

 

チノ「……ここあさん」

 

ここあ「ちのちゃん、やさしいしあったかい……すき……」ギュッ

 

チノ「………………」

 

チノ「ここあさん、これ」スッ

 

ここあ「?」

 

チノ「余っていたチョコで作りました、あーんしてください」

 

ここあ「……!あーん……」

 

ここあ「んっ……」モグモグ

 

チノ「どうです?おいしいですか?」

 

ここあ「うん、おいしいよ!」ニコッ

 

チノ「そうですか」

 

ここあ「ちのちゃんのぶんは?」

 

チノ「わたしは大丈夫です、こっちのチョコがありますし」

 

ここあ「でも……」

 

チノ「……そうですね、なら」

 

――スッ

 

チノ「ここあさん……顔にチョコレートが付いてますよ」

 

チノ「さっき一生懸命かき混ぜた時に飛んだんでしょうか」

 

ここあ「ふぉぇ?」

 

チノ「じっとしててください……いま、綺麗にしてあげますね」

 

 

チノ「――んっ」ペロッ

 

 

ここあ「ひゃぁ……//

 

チノ「はぁ……ん……れろっ……//

 

ここあ「ちの、ちゃん……?//

 

チノ「ちゅ……ん……れろっ……//

 

ここあ「ひゃ……ぁっ……//

 

チノ「あまいですね……ここあさんのチョコレート……//」ペロッ

 

ここあ「ぁぅ……だ、だめぇ……//

 

チノ「もうすぐ舐め終わりますよ……んっ、れろっ……//

 

ここあ「ちのちゃん……これ、いけないことだよ……?//

 

チノ「……そうですね」

 

チノ「でも、わたしとここあさんは姉妹だから……いいんです」

 

チノ「んっ……//」ペロッ

 

ここあ「ぁ……//

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

チノ「今度こそ、完成です」

 

ここあ「できたぁ!」ピョンピョン

 

チノ「お疲れさまです、ちゃんと最後まで頑張りましたね」

 

ここあ「ちのちゃん、ありがとう!これでみんなにさぷらいずできるよ!」

 

チノ「…………」

 

チノ(衝動的とはいえ、勢い任せにここあさんにあんなこと……どうかしてました……//)プシュ~

 

ここあ「ちのちゃんだいじょうぶ?おかおまっかだよ?」

 

チノ「はっ!いえ、大丈夫です」アセアセ

 

チノ「あとは綺麗にラッピングしましょう」

 

ここあ「りぜちゃんの、ちのちゃんの、ちやちゃんの、しゃろちゃんの、おとうさんの、ゆうしゃさんの……えへへ」ニコッ

 

チノ(マヤさんとメグさん、父の分はわたしの方から渡しておきましょう)

 

チノ(ここあさんの手作りチョコ……もったいなくて食べられませんね)

 

チノ(記念に写真だけでも撮っておこう)カシャッ

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

――PM 4:50――

 

チノ「本当に一人で大丈夫ですか?」

 

ここあ「うん!」

 

チノ「やっぱりリゼさんのおうちの前まで一緒に……」

 

ここあ「だいじょーぶ、わたしにまかせなさーい」エッヘン

 

チノ「そうですか……では」

 

ここあ「ちのちゃん、きょうはありがとう。またいっしょになにかつくろうね、やくそくだよ」

 

チノ「はい、やくそくです」

 

ここあ「ゆーびきーりげんまん♪」

 

チノ「ふふっ」ニコッ

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

ここあ「~♪」タタタ

 

 

ここあ(みんなよろこんでくれるかな……)

 

ここあ(りぜちゃん……えへへ//

 

――ドンッ

 

ここあ「きゃっ……!」ドサッ

 

アッ オマエナニブツカッテンダ?

 

ここあ「……!」

 

ブザケンナヨガキガ!

 

ここあ「ご、ごめんなさい……」ガクガク

 

……チッ ドガッ!

 

ここあ「あっ……」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

リゼ(そろそろ5時……ここあ、まだかな……)チラッ

 

シャロ「はい、キングのペア」

 

千夜「次、リゼちゃんの番よ?」

 

リゼ「あっ、ああ、1のペア」

 

ピンポーン

 

リゼ「!」ビュッ

 

千夜「あっ、ここあちゃんかしら」

 

シャロ「下まで迎えに――って、リゼ先輩!?」

 

千夜「早すぎて見えなかったわ……」

 

 

 

リゼ(ここあが帰ってきた♪)

 

――ガチャッ

 

リゼ「ここあ、おかえり!」

 

ここあ「………………」

 

リゼ「――ここあ?」

 

ここあ「……ただいま」

 

リゼ「おかえり、遅かったから心配したぞ」

 

ここあ「………………」

 

リゼ「……?ここあ……どうしたんだ?」

 

ここあ「………………」

 

リゼ「チノと、喧嘩でもしたか?」

 

ここあ「…………」フルフル

 

リゼ「――んっ、その袋……」

 

ここあ「…………」グスッ

 

リゼ「!」

 

ここあ「うっ……ひっく……」ジワッ

 

リゼ「ここあ……?」

 

ここあ「ちょごれーど…こわれぢゃった……っ!」ポロポロ

 

ここあ「せっかく…ちのぢゃんとつくったのに……いっしょに、がんばったのに…っ」ポロポロ

 

ここあ「りぜちゃんに…みんなに、さぷらいずしたかったのに……ううっうぇええぇ……!」ポロポロ

 

リゼ「ここあ……っ!」

 

ここあ「ごめんなざい…りぜちゃん、ごめんね…!」ポロポロ

 

リゼ「くっ……!」ギュッ

 

千夜「リゼちゃん、ここあちゃんは……――っ!?」

 

シャロ「ここあ、どうしたの!?」

 

ここあ「ぅぇっうぇええんっ!」ポロポロ

 

リゼ「よしよし…泣かなくていいんだぞ……」ナデナデ

 

千夜「ここあちゃん、落ち着きましょう……大丈夫よ」ナデナデ

 

シャロ「何があったの、どうして泣いて……!ここあ……っ」ギュッ

 

ここあ「ぇう…ぐすっ……ひっぐ……!」ポロポロ

 

リゼ「……………」ナデナデ

 

 

――――――

――――

――

 

 

――PM7時 リゼの部屋――

 

チノ「……っ」ポロポロ

 

リゼ「チノ、気にするな。お前のせいじゃない」

 

シャロ「悪いのはその最低人間よ……許せないっ」ギリッ

 

千夜「わたしたちも迎えに行けばよかったわ……ごめんなさい」

 

チノ「ここあさん……」グスッ

 

ここあ「…………」Zzz

 

チノ「あの時わたしが、ちゃんと送って行ってあげていれば……!」ポロポロ

 

チノ「お姉ちゃんなのに……ここあさん、ごめんなさい……ごめんなさい……っ!」ギュッ

 

シャロ「チノちゃん……」

 

千夜「誰のせいでもないわ……だからみんな、もう自分を責めるのは止めましょう」

 

リゼ「千夜の言う通りだ……わたしたちがするべきは、ここあがプレゼントしてくれた気持ちを感謝して受け取ることだ」

 

チノ「んっ……」グスッ

 

リゼ「みんな……食べよう」

 

ガサッ……

 

千夜「『だいすき』、かしら……?それとこれはアンコ?」

 

シャロ「『ずっとしんゆう』……あと、ワイルドギース」

 

リゼ「……!」

 

リゼ「ハートマーク……この似顔絵はわたし…か?」

 

千夜「ふふっ、リゼちゃんのこと、愛してるってことかしら?」

 

シャロ「やっぱり、リゼ先輩のは特別みたいですね」クスッ

 

リゼ「………………」

 

千夜「そういえば、使用人さんやリゼちゃんのお父さんの分は?」

 

リゼ「ああ、さっき渡しといたよ。なんだか複雑そうだった」

 

シャロ「そうですよね……喜んでいいのか、悲しむべきか……」

 

チノ「ここあさん……みんなのために、本当に一生懸命作ってました」

 

チノ「ですので、その……笑顔で、おいしく食べて貰えたらと……」

 

リゼ「ああ……そうだな」

 

千夜「それじゃあ、頂きます」ニコッ

 

シャロ「ん……」モグモグ

 

 

リゼ「……おいしいな」

 

千夜「ええ……どんな高級なチョコよりも、ずっと」

 

シャロ「………っ」グスッ

 

チノ「ここあさん……大丈夫です、みんな笑顔になりましたよ……」ナデナデ

 

チノ「例え形が崩れていても、ここあさんの気持ちは、ちゃんと伝わっていますから……」ギュッ

 

千夜「お返し、考えなくちゃね」

 

シャロ「ここあの好きなジャムクッキーでも作ってあげましょうか」

 

リゼ「…………チノ、千夜、シャロ」

 

千夜&チノ「?」

 

シャロ「リゼ先輩……?」

 

リゼ「ここあの気持ち……受け取ってくれて、ありがとう」

 

千夜「……」クスッ

 

シャロ「当たり前じゃないですか、そんなの」

 

チノ「ここあはさんはわたしたちの親友で……――大切な、家族ですから」

 

リゼ「…………」グスッ

 

リゼ「ここあ……良かったな」ナデナデ

 

ここあ「んっ……」Zzz

 

 

――

――――

――――――

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

使用人「………………」

 

使用人「…………」ガサッ

 

使用人「……!」

 

使用人「かっこいい…ゆうしゃさんへ……」

 

使用人「………………」

 

使用人「…………っ」

 

使用人「…………」ガタッ

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

リゼ父「…………」

 

リゼ父「……」ガサッ

 

リゼ父「……!」

 

『おとうさん いつもありがとう』

 

リゼ父「………………」

 

リゼ父「…………」チラッ

 

リゼ父「…………」

 

――ガタッ

 

 

―――――――――――――――――――――

 

――PM 10時 IN ベッド――

 

 

リゼ「今日はありがとうな、ここあ。チョコ、おいしかったよ」ナデナデ

 

ここあ「うん……」

 

リゼ「ここあが眠るまでずっとこうしてるからな……だから、安心しろ」

 

ここあ「……っ」ギュッ

 

リゼ「もう、気にしなくていいんだぞ」

 

ここあ「…………」

 

リゼ「怖かったな……」ギュッ

 

リゼ「守ってあげられなくて、ごめん……」

 

ここあ「ううん………りぜちゃん……っ」グスッ

 

リゼ「よしよし……」ナデナデ

 

リゼ「明日になれば、また笑顔に戻れるさ」

 

リゼ「チノと一緒に働いて、千夜と話して、シャロと遊べば……みんなと一緒にいれば、すぐに」

 

ここあ「うん……しってるよ」

 

ここあ「だって、りぜちゃんとこうしてるだけで……」

 

ここあ「リゼちゃん……ありがとう」

 

リゼ「ここあ……っ」ギュッ

 

ここあ「んっ……」

 

リゼ「大好きだからな……ここあのこと、いちばん……」

 

リゼ「今日のことも、お前の優しさも忘れない」

 

リゼ「わたしも、愛してるぞ……」

 

ここあ「うん…」

 

ここあ「ちのちゃんも、ちやちゃんも、しゃろちゃんも」

 

ここあ「――りぜちゃんも、みんな、すき//」ニコ

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

……ツカツカ

 

……ガチャッ

 

使用人「…………」

 

リゼ父「二人とも、寝てるか?」

 

使用人「!」ビクッ

 

リゼ父「よし……これなら安心だな」

 

使用人「……もしや」

 

リゼ父「ああ……いくぞ」

 

使用人「……!」

 

リゼ父「なんの解決にもならないが……このまま奴が反省しないのも面白くない」

 

リゼ父「この世に暴力以上に怖いものがあることを知る、良い機会だろう」

 

使用人「……考えていることは、一緒でしたか」

 

リゼ父「……いいのか、かっこいいゆうしゃさんなのに」

 

使用人「サンタクロースも、存在すると信じている人間の元に現れる。……そんなものですよ」

 

リゼ父「……なるほどな」

 

リゼ父「よし、ついてこい」

 

使用人「へい!」

 

リゼ父「その後はタカヒロのところで祝杯だ。なに、手荒なことにはならない……」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――ラビットハウス――

 

 

ティッピー「また新しい写真が増えたのぉ」

 

タカヒロ「ああ……チノが飾っていた」

 

タカヒロ「今日手に入れた、大切な思い出の一つだそうだ」フッ

 

ティッピー「ふむ……」

 

 

――おしまい♪

感想

  1. 名有り より:

    ああ、可愛い可愛いここあちゃんが…スパスを用意しろ、ミンチにしてやる

  2. Beyond the Average より:

    リゼ父から殺気を感じます…。
    天々座家がいくら金持ちとはいえ、どうやって犯人を追跡するのでしょうか??それとも見当がついている?
     とにかくリゼ父のインパクトが強く残ってしまってチョコレートのこと一瞬忘れてました!(笑)

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