ごちうさSS 「意味深なごちうさSS Case4:リゼ」

 

 

 

――PM4:30 帰り道――

 

 

マヤ「メグ、またね~!」

 

メグ「今日も帰っちゃうの?」

 

マヤ「チノにも言っておいて!」タタタ

 

メグ「あっ、マヤちゃん……」

 

メグ「……いっちゃった」

 

 

チノ「二人とも、お待たせしました」ガラッ

 

メグ「チノちゃん……」

 

チノ「……?マヤさんは?」

 

メグ「それが……今日も」

 

チノ「……そうですか」

 

メグ「なにかあったのかな?」

 

チノ「分かりません……マヤさんのことです、また一人で悩んでいるのかも」

 

メグ「明日それとなく聞いてみよっか」

 

チノ「いえ、わたしたちが直接聞くよりは……」ピッ

 

メグ「?」

 

 

―――――――――――――――――――――

 

――2日後 公園――

 

マヤ「ふぅ…………」

 

マヤ「……………………」

 

マヤ「………………」ハァ

 

 

??「ずいぶん深いため息だな?」ツンッ

 

 

マヤ「あぅ…?――リゼ」

 

リゼ「どうしたんだ、こんなところで」

 

マヤ「んー、ただの寄り道?」

 

リゼ「ただの寄り道、か」

 

リゼ「――嘘をつけ」ベシッ

 

マヤ「あいた、上官からの理不尽なムチだ!」

 

リゼ「チノから聞いたぞ、最近は一人で帰ってるみたいじゃないか」

 

リゼ「学校が終わったらいつも慌てて帰っていくって」

 

マヤ「……!」

 

リゼ「またなにか悩んでいるんじゃないかってチノもメグも心配してたぞ?」

 

マヤ「……そっか」

 

リゼ「よっと」スッ

 

マヤ「あはは、リゼは二人の差し金?」

 

リゼ「まっ、そんなところだ」

 

マヤ「………………」

 

リゼ「………………」

 

マヤ「何も聞かれないからさ、二人とも気にしてないんだと思ってた」

 

リゼ「そんなはずないだろう」

 

マヤ「……そうだよね」

 

リゼ「…………」

 

マヤ「よりにもよってリゼか、チノも容赦ないなぁ」

 

リゼ「理由を聞くまで帰さないから、風邪を引く前に白状しろよ」

 

マヤ「………………」

 

リゼ「………………」

 

マヤ「ねぇ、リゼ?」

 

リゼ「ん……?」

 

マヤ「時間ってさぁ、どうやったら長持ちするのかな」

 

リゼ「長持ち?」

 

マヤ「ほら、楽しい時間とかってあっという間じゃん?」

 

マヤ「逆につまんない時とか寂しい時って結構長持ちするからさ……」

 

リゼ「……………」

 

マヤ「でも、それだと全然意味無くて」アハハ

 

リゼ「……なるほどな」

 

マヤ「ねぇリゼ?楽しい時間を長持ちさせる方法ってないかな?」

 

リゼ「……そんなものがあれば苦労しない。マヤだって、悩んでないだろう」

 

マヤ「……そっか……やっぱりか」

 

リゼ「………………」

 

マヤ「こうやって一人でボーっとして、長持ちさせるしかないのかな。……チノとメグとの時間」

 

リゼ「………………」

 

マヤ「意味が無いけどさ、でも、長持ちするし……また前みたいにふんぎりがつくまでは――」

 

リゼ「気のせいだ」

 

マヤ「えっ?」

 

リゼ「……」スッ

 

リゼ「時間は長持ちしない。誰にだって平等に、ずっと流れてる」

 

リゼ「こうしてわたしと話している今でも、時間はちゃんと流れてるんだ」

 

マヤ「……でも、チノとメグとの時間はあっというまじゃん」

 

マヤ「一人でこうしていれば、ずっと長く――」

 

リゼ「全部気のせいだ、お前の」

 

マヤ「………………」

 

リゼ「時間はどうあがいても長持ちしたりしない」

 

リゼ「明日からちゃんと、二人と一緒に帰るんだ」

 

マヤ「………………」

 

マヤ「……嫌だよ」

 

リゼ「マヤ……」

 

マヤ「長持ちさせたい……たとえ少しだけでも、気のせいでも」

 

リゼ「良く聞け、そうやって先のことから目を逸らしたって何も――」

 

マヤ「リゼにわたしの気持ちなんて分からないよ!」

 

リゼ「!」

 

マヤ「……っ!」タタタ

 

リゼ「あっ、おいマヤ……!」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

マヤ「………………」

 

マヤ「…………」

 

マヤ「……」

 

『時間はどうあがいても長持ちしたりしない』

 

マヤ「……っ」

 

マヤ「…………」

 

マヤ「チノ……メグ…………」

 

マヤ「…………」ウツムキ

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

――翌日 PM4:30 公園――

 

リゼ「………………」キョロキョロ

 

リゼ(やっぱりいない……)

 

リゼ(今日はまっすぐ家に帰ってしまったのかな……無理もない)

 

リゼ「………………」

 

『リゼにわたしの気持ちなんて分からないよ!』

 

リゼ「…………」グッ

 

 

 

リゼ「ハァ……」

 

千夜「あら、リゼちゃん?」

 

リゼ「んっ?千夜……」

 

千夜「おかえりなさい、今日は遅かったのね」

 

リゼ「ちょっと寄り道しててな……」

 

千夜「良かったらウチにも寄っていかない?珍しくマヤちゃんが来てくれてるの」

 

リゼ「っ!マヤが!?」

 

千夜「?」

 

 

――ガラッ

 

マヤ「あっ、千夜、この緑茶ちょっとにが――!」

 

リゼ「…………」

 

マヤ「……リゼ」

 

リゼ「公園にいないと思ったら、こんなところにいたのか」

 

マヤ「……………………」

 

リゼ「チノから聞いたぞ、今日も一人で帰っていったって」

 

マヤ「……………………」

 

リゼ「マヤ……いい加減にしないか。こんなことしてたって何も――」

 

マヤ「気のせいでも、いい」

 

リゼ「……!」

 

マヤ「こうしていたほうが、気が晴れるから……」

 

リゼ「………………」

 

千夜「リゼちゃん?」ガラッ

 

リゼ「……気が晴れるか」

 

マヤ「………………」

 

リゼ「そうか、なら確かめてやる」

 

リゼ「こい」グイッ

 

マヤ「!」

 

リゼ「千夜、お勘定ここに置いとくぞ」バン

 

千夜「リゼちゃん待って!どうしたの?」

 

リゼ「この分からず屋を借りていく」ガラッ

 

千夜「あ、マヤちゃん……!」

 

バタン

 

千夜(まさか……喧嘩!?)

 

千夜(どうしよう、ココアちゃんに……いや、先にチノちゃんに!)

 

千夜(追いかけなきゃ……でも、おばあちゃんもシャロちゃんもいないし)オロオロ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――天々座家 自宅前――

 

リゼ「…………」スッ

 

マヤ「どういうこと?」

 

リゼ「自転車だ……後ろに乗れ」

 

マヤ「………………」

 

リゼ「気のせいでも時間を長持ちさせられるんだろ?わたしも試してみたくなった」

 

リゼ「早く乗れ、それとも嘘か?」

 

マヤ「………………」

 

――スッ

 

リゼ「……いくぞ」

 

マヤ「どこに?」

 

リゼ「さぁな……ただ、誰もいないところだ」

 

リゼ「ココアもチノも、千夜もシャロも、メグもな」

 

マヤ「…………」

 

 

――

――――

――――――

 

―――――――――――――――――

 

リゼ「次はどうする?」

 

マヤ「みぎ」

 

リゼ「…………」

 

 

――――――――――――――――――

 

リゼ「次は?左か?まっすぐか?」

 

マヤ「……まっすぐ」

 

リゼ「…………」

 

 

―――――――――――――――――

 

リゼ「次は?」

 

マヤ「…………」

 

リゼ「何もないならまっすぐ行くぞ」

 

 

――――――――――――――――――

 

リゼ「次は?」

 

マヤ「……もういい」

 

リゼ「どうした?」

 

マヤ「…………」

 

リゼ「気が晴れるんじゃなかったのか」

 

マヤ「…………」

 

リゼ「気が晴れるんならずっとこのままでもいいだろ」

 

マヤ「もういい。……分かったから」

 

リゼ「………………」

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

――土手――

 

マヤ「…………」

 

リゼ「ほら、カフェオレで良かったか?」

 

マヤ「ん……ありがとう」

 

リゼ「ふぅ……ずいぶん遠くまで来てしまった」

 

マヤ「…………」ズズッ

 

リゼ「悪かったな、いきなり連れ出して」

 

マヤ「……ううん」

 

リゼ「………………」

 

マヤ「……ねぇ、リゼ?」

 

リゼ「んっ?」

 

マヤ「時間を長持ちさせたいって、思ったことある?」

 

リゼ「……あるよ、何回も」

 

マヤ「……そっか」

 

リゼ「そうだな……ココアがこの街にやって来てからは、ずっとだ」

 

マヤ「!」

 

リゼ「ココアやチノと働いているときも、千夜と話しているときも、シャロと一緒に帰ってるときも……マヤやメグと遊んでいるときも」

 

マヤ「…………」

 

リゼ「でもな、いくら惜しんだって、無駄なんだ」

 

リゼ「時間はどうやったって流れていくし、遡ることもできない」

 

リゼ「マヤだって高校生になる。わたしも大学生にな」

 

マヤ「……うん」

 

リゼ「わたしだって、ほんとはずっとこのままでいたい」

 

リゼ「変わらないなら、ずっと今の幸せにすがっていたい」

 

リゼ「……ずっと、このままで」

 

マヤ「……リゼ?」

 

リゼ「小さい頃、あんなに早く過ぎてほしいと思っていた時間が……今は、何より惜しいんだ……」

 

 

リゼ「長持ちさせる方法なんてあるなら、わたしが教えてほしいくらいだ」ニコッ

 

 

マヤ「っ……リゼ!」

 

リゼ「?」

 

マヤ「……あんなこと言って、ごめん」

 

マヤ「わたしの気持ちなんて、分からないって……」

 

リゼ「……マヤ」

 

マヤ「リゼは、わたしよりずっと分かってたのに……」グスッ

 

マヤ「っく……ごめんなさい……」ジワッ

 

リゼ「……」クスッ

 

リゼ「泣くなよ、気にしてないって」ナデナデ

 

マヤ「グスッ……ヒック……」ポロポロ

 

リゼ「なぁ、マヤ?」

 

リゼ「一人ぼっちでいたら、確かに時間は長く感じるかもしれない」

 

リゼ「『今』の時間が、長引いた気がするかもしれない」

 

リゼ「でもな……そうやって長引かせても、得られるのは結局後悔だけだぞ」

 

リゼ「たとえ短く感じても、チノやメグ……みんなと一緒にいれば、絶対後悔なんてしない」

 

リゼ「どうせ同じ過ぎていくなら、みんなと楽しくしているほうがいい……そう思わないか?」

 

マヤ「りぜぇ……」ギュッ

 

リゼ「よしよし……みんなとの時間が無くなっていくのが、怖くなったんだよな……」

 

リゼ「今を大切にしていればいいんだよ……大丈夫、みんなずっと一緒だって」ナデナデ

 

マヤ「……っ!」ポロポロ

 

リゼ「…………」ギュッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――

――――

――――――

 

 

――PM6時30分 ラビットハウス――

 

マヤ「おじゃましまーす」ガチャッ

 

チノ「マヤさん……!」

 

メグ「マヤちゃん!心配したよ!」

 

マヤ「おっ、チノ!メグー!」タタタ

 

ココア「リゼちゃんおかえりー!」

 

シャロ「リゼ先輩、マヤちゃんと喧嘩なんてしてませんよね!?」

 

リゼ「なんだこの騒ぎは……」

 

千夜「リゼちゃんが怖い顔でマヤちゃんを連れて行ったから不安で……」

 

リゼ「千夜か……すまない、心配かけたな」

 

シャロ「一体どうしたんですか?」

 

リゼ「話せば長くなる……まぁ、とりあえず解決した」

 

千夜「なにか悩み事とか?」

 

リゼ「まぁ、そんなところだ」

 

ココア「そんな……!お姉ちゃんであるわたしを差し置いて、リゼちゃんに……!」ガーン

 

シャロ「マヤちゃん、リゼ先輩と仲良いですもんね……本当の姉妹みたいに」

 

千夜(あら、ヤキモチ……?)

 

リゼ「チマメ隊に、笑顔が戻って良かったよ」

 

 

 

マヤ「チノ、メグ、わたしたち学校が離れてもずっと一緒だよ!」

 

チノ「はい、もちろんです」クスッ

 

メグ「チマメ隊だもんね~」ニコッ

 

マヤ「明日からは残りの中学生生活を、1秒たりとて無駄にしちゃダメだ!」

 

チノ「ずっと無駄にしてたのはマヤさんじゃないですか」

 

メグ「そうだよ~一人で帰っていって。寂しかったよ?」

 

マヤ「うぅ、ごめんなチノ、メグー!」

 

 

キャッキャッ ワイワイ

 

 

リゼ「…………」

 

千夜「リゼちゃん、お疲れ様」

 

リゼ「ああ」

 

シャロ「リゼ先輩?」

 

リゼ「……ほんとに、時間が止まらないかな……」ボソッ

 

シャロ「えっ……?」

 

リゼ「さて、掃除だけでも手伝うか」

 

シャロ「あっ……」

 

 

――――――――――――――――――――

 

――更衣室――

 

リゼ「…………」

 

ココア「リゼちゃん?」

 

リゼ「んっ……ココア?」

 

ココア「もしかしてマヤちゃん、チノちゃんとメグちゃんのことで悩んでた?」

 

リゼ「……ああ、二人との時間が過ぎていくのが、怖くなったみたいだ」

 

ココア「……そっか」

 

リゼ「気持ちは分からなくもない、わたしも怖くなるときがある」

 

ココア「リゼちゃんも?」

 

リゼ「ああ」

 

ココア「…………」

 

ココア「リゼちゃん」

 

リゼ「?」

 

ココア「――えいっ」ギュッ

 

リゼ「!」

 

ココア「大丈夫、リゼちゃんが大学生になっても、わたしたちずっと友達だよ」ニコッ

 

リゼ「……ココア」

 

ココア「これからもみんなで、たくさん楽しい思い出作ろうね?約束!」

 

リゼ「…………」

 

 

――ギュッ

 

 

ココア「ふぉぇ?リゼちゃん……?」

 

リゼ「ありがとう……ココア」グスッ

 

リゼ「ふふっ……お前は、優しいな……」ジワッ

 

ココア「リゼちゃん、どうしたの?」

 

リゼ「なんでもないよ……なんでも……」ポロポロ

 

ココア「泣かないで……よしよし、大丈夫?」ナデナデ

 

リゼ「ああ……大丈夫だ……」

 

リゼ「ごめん……もう少しだけ、このままで」ポロポロ

 

ココア「うん、いいよ……リゼちゃんが泣き止むまで、ずっとこうしてるから」

 

リゼ「ココア……」ポロポロ

 

リゼ「……っ」ギュッ

 

ココア「リゼちゃん……?」

 

リゼ「……っ!」ポロポロ

 

 

……。

…………。

………………。

 

 

『幸福な時間』の二律背反。

 

もしくは消ゆる『幸せ』への戦慄。

感想

  1. Rem より:

    つらい……

  2. はにすけ より:

    とっても良いお話でした。マヤちゃんの気持ち、痛いぐらいにわかります。
    そんなマヤちゃんのために、懸命に寄り添って導いてあげるリゼちゃんが素敵です。
    本当は自分も辛いのに…

    そんな二人の様子を知ると駆けつけてくる皆、そして最後にリゼちゃんをしっかり
    受け止めてあげるココアちゃん。原作ともリンクする、家族愛にも似た優しい関係性を感じます。

    今回のお話はストーカー回のif版としても楽しめました。最近の原作でもガレットデ
    ロワ回の「たくさんの今だけ」のように、限られた時間の尊さに気づくお話があり、
    大切な時間の共有という点の共通性にとても惹きこまれました。

    今回、幸せな時間の体感的な短さ、そうでない時間の長さという2項の関係に加えて、
    リゼちゃんの強さを見せる場面と、弱さを見せる場面という2項関係も感じました。
    いずれはリゼちゃんもマヤちゃんに弱い面やちょっと違った面を見せる日が
    来るかもしれませんね。そしてマヤちゃんがその助けになったり。

    私も今だに、楽しい時間を少しでも長くしようと、物凄く早く始めてみたり、
    逆に楽しい時間が始まるのが惜しくて先延ばしにしたりすることがあります。
    マヤちゃんと全く同じことしてます(笑)

    でも結局「楽しい時間だった」と記憶している事って、ちょうど良い時間の長さ
    なんだろうなと思います。むりやり引き延ばしても、つまらない時間事が増えたり
    して、結果として楽しさが薄れたりするんですよね。それならばリゼちゃんの
    言う通り、もっと時間を自分が良いと思えることに使いたいです。
    楽しいことばかりだと楽しさを感じなくなるし、辛いこともあるからこそ楽しさを
    尊く感じるようにもなりました。

    長々とすみません。今回のお話には、色んな気づきがありました。
    意味深の名の通り、色んな感じ方ができる、とても面白いシリーズです!!

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      念願のリゼマヤ、やっと一つの作品にすることが出来ました。
      更に意味深シリーズのリベンジ、二つの意味でとても感慨深いです。

      おっしゃいます通り、ベースはリゼマヤストーカー回を軸にしております。
      あのお話をさらに突き詰めてみたのが今作、という認識を頂ければ嬉しく思います。
      リゼちゃんとマヤちゃんは、二人とも『実は寂しがり屋』という鏡合わせの二面性を多く見せるキャラクターですので、限られた時間への恐怖というテーマととてもマッチしており、ハイペースで楽しく書かせて頂きました。

      個人的な見解ですが、はにすけさんに限らずマヤちゃんの行動は人間であれば誰しも一度はやってしまう行動ではないかと思います。
      時間の体感や流れに逆らおうとするのは、楽しい時間を惜しむ人間の自然な感情なのではないでしょうか。もちろんわたしも経験済みです;

      楽しい時間はちょうど良い時間、正にその通りだと思います。
      無理に引き延ばしてつまらない時間を作ってしまえば、それは楽しい思い出では無くなってしまうんですよね。
      楽しい時間は、もっと味わいたいなと思うところで止めるのが結果として一番良いのかもしれません、それは後に『楽しい思い出』として形に残ります。
      人間の矛盾感情は不思議で、また非常に興味深く思います。
      楽しいことも毎日続いたら、退屈と変わらなくなるとか……人間は難しいですね。

      はにすけさんを筆頭にご支援くださる読者さんたちのおかげで本シリーズ、再び継続のチャンスを頂くことができました。
      今後も意味深というテーマの初心を忘れず、日々精進して参りたいと思います。
      今後も本シリーズ共々、当サイトの作品をご愛読のほどよろしくお願いいたします!
      BY砂水クジラ

  3. 名有り より:

    楽しい時間は本当に早く過ぎ去ってしまう… とても幸せである中、少し辛いですよね… それでも、前に進まなければ何も始まらない。マヤちゃんや他のみんなが、後悔しないくらいに楽しい思い出を作ってくれることに期待ですね。(不思議とマヤちゃんは普段は明るく振る舞う反面、こういったことは素直に打ち明けられず、一人で抱え込んでしまうイメージがありますね)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      名有りさんに同意です、マヤちゃんってきっと人一倍色んなことを深く考えられる子なのだと思います。
      本作は、ごちうさの中で特に一人で抱え込んでしまうタイプである二人をテーマに描かせて頂きました。
      幸せな時間を早く過ぎ去りますが、不思議と後悔はあまりしませんよね。
      それをマヤちゃんに教えてあげたリゼちゃんもまた、理屈では納得できても割り切れていない……実は最後の描写にはそんなカタルシスが隠れております。

  4. 匿名 より:

    「あのときは楽しかった」ではなく「あのときも楽しかった」(ある漫画のセリフ)と思えるようになるのは難しいこと
    幸せなときをそのとき実感していても後悔する自分は、もう少し前向きに生きられればと、常々思っています
    このシリーズを3,4作目を続けて読んで寝ぼけていたのですが目が覚めました

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      この作品で描きたかったテーマは『幸福の矛盾』というものでした。
      マヤちゃんのやっていることは、幸せすぎる故にそれを手放したくないと幸せを遠のける、という何とも背反した行動なんですね。
      後悔しない人生は無い、というように例えどれだけ幸福だとしても、誰しもが少しは後悔してしまうものではないでしょうか。

  5. Beyond the Average より:

    マヤの気持ち、ほんとよくわかります!(私もあと半年で卒業なのですが友達と離ればなれになるのが怖いです。)
    だから今回のリゼいつもよりかっこよかったです。リゼの言葉が私の心に響きました!(でもやっぱり友達と離れるのはさみしいです!!)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      本作は意味深シリーズ故、実はマヤちゃんよりもリゼちゃんの方が過ぎゆく時間に怯えている、という裏設定が隠れていたりします。(最後のシーンがそうですね)
      過ぎゆく時間に向き合うか怯えるか、がテーマでした。

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