ごちうさSS ヤンデレリゼとここあ BADエンド:『溺愛』

 

 

本作は、スペシャルコラボレーションSSです。
アイキャッチの素敵なヤンデレ画像は、『酢飯』さんにご提供いただきました。

 

―――――――――――――――

 

ここあ「――うん、わかった」

 

リゼ「……!」

 

ここあ「ずっとずっと……りぜちゃんだけをみてるよ」

 

ここあ「りぜちゃんいがい、もうなにもいらない」

 

リゼ「ここあ……」

 

ここあ「ちのちゃんのこともちやちゃんのこともしゃろちゃんのことも……」

 

ここあ「――ぜんぶ、わすれるね」

 

リゼ「……!」

 

ここあ「りぜちゃん……えへへ、りぜちゃん……」スリスリ

 

ここあ「わたしだけのものだよ……えいえんに、ずっと」

 

ここあ「もう、そばからはなれちゃだめ……」ギュッ

 

リゼ「……ここあ」

 

リゼ「ああ……ずっと一緒だ。今度こそ、ずっと」

 

リゼ「もう、涙なんて流さない……後悔も無い」

 

 

リゼ「――結局、お前といられる以上の幸福なんて、この世にはなかったんだ」

 

 

 

――

――――

――――――

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr――

 

………………。

 

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr――

 

………………。

 

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr――

 

 

ここあ「んっ……」

 

リゼ「……」ガシャッ!

 

 

……………………。

 

 

パープル迷彩のハードケースに包まれたスマートフォンは、銃弾の前に呆気なくその機能を停止した。

 

 

これでもう、外の世界とわたしたちの世界を繋ぐものは存在しない。

 

 

この切り分けられた世界の中では、もう何も。

 

 

ここあ「ふぉぇ……なんのおと?」ポワポワ

 

リゼ「なんでもないぞ……ほら、目を瞑れ」

 

リゼ「たくさん寝たら、ご飯にしような」

 

ここあ「うん……」

 

リゼ「ふふっ……」クスッ

 

 

 

ここあが――天使が、そばにいる。

 

 

 

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――1週間後――

 

千夜「………………」

 

――ガラッ

 

千夜「いらっしゃいま――……おかえりなさい、シャロちゃん。アルバイトお疲れ様」

 

シャロ「ただいま」

 

千夜「……今日も、また?」

 

シャロ「……」コクリ

 

千夜「そう……」

 

シャロ「先輩、学校にもいなかったわ」

 

千夜「………………」

 

 

Prrrrrrrrrrrrrrrrr――

 

 

千夜「あら……?」

 

千夜「チノちゃんからの報告メールね」ピッ

 

シャロ「」チラッ

 

 

『リゼさん、今日も来ませんでした』

 

 

シャロ「………………」

 

千夜「かわいそうに……」

 

シャロ「学校にすら来てないんだもの、ラビットハウスになんて来るわけ……」

 

千夜「ええ……そうね」

 

千夜「でも、こうして報告メールだけでも頼んで少しでも希望を持たせてあげないと……」

 

千夜「――二人の帰りを待っているチノちゃんが、あまりにかわいそうでしょ」

 

シャロ「……千夜」

 

千夜「ありがとうシャロちゃん、家に帰ってゆっくり休んで」

 

千夜「わたしも7時だしそろそろいくわ」

 

シャロ「……わたしたちのやってることだって、チノちゃんと変わりないわよ」

 

千夜「くすっ……そうね」

 

シャロ「…………」グスッ

 

千夜「……行ってくるわ」ニコッ

 

 

 

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――ラビットハウス――

 

チノ「………………」

 

ここあ『ちのちゃん!あっちのおきゃくさん、ほっとみるくとかふぇおれだよ』

 

チノ「………………」

 

リゼ『チノ、大丈夫か?体調が悪いなら無理するなよ』

 

チノ「……………」グスッ

 

ここあ『おわったね~!ちのちゃんりぜちゃん、おつかれさま!』

 

チノ「…………」ジワッ

 

リゼ『ちゃんとお手伝いできたな、偉いぞここあ』

 

ここあ『んっ……♪』

 

チノ「っく………ぇぅ………」ポロポロ

 

――ガチャッ

 

チノ「!」

 

リゼ『ただいま!』

 

ここあ『ちのちゃん!』

 

チノ「ここあさん!りぜさん……!」

 

お客「……?」

 

チノ「あ……」

 

チノ「………………」

 

チノ「…………」

 

チノ「……っ」グシグシ

 

チノ(待つって、約束でしたよね……)

 

チノ(たとえ一人でも、二人が帰ってくるまで、ずっと守りますから)

 

チノ(ここあさんとリゼさんとの、大切なこの場所を……)

 

チノ「……」グッ

 

チノ「……いらっしゃいませ、ラビットハウスにようこそ」ニコ

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

千夜「…………」

 

使用人「あっ……」

 

千夜「こんにちは」ニコッ

 

使用人「どうも……」ペコリ

 

千夜「今日も寒いなかお疲れさまです」

 

使用人「いえ、それはこちらのセリフで……」

 

千夜「どうですか、様子は」

 

使用人「…………」フルフル

 

千夜「そうですか……」

 

使用人「……申し訳ありません」

 

千夜「これ、ここあちゃんとリゼちゃんに。使用人さんの分も入ってますので」スッ

 

使用人「……いつも、ほんとに」

 

千夜「気にしないでください、わたしが勝手にやっているだけですから」

 

千夜「気持ちは、みんな同じなんです」

 

使用人「…………」

 

使用人「すいません……できれば黙っておきたかったのですが……」

 

使用人「このお菓子は……お嬢たちは――」

 

千夜「分かっています」

 

使用人「……!」

 

千夜「でも……こうでもしていないと、耐えられないんです……」ジワッ

 

千夜「無駄だと分かっていても、諦められないんです……」ポロポロ

 

使用人「………………」

 

千夜「……ごめんなさい」グシグシ

 

使用人「いえ……お嬢は、あなたみたいにとても良い友人を持っていたんですね」

 

使用人「なのに……」

 

千夜「……ここあちゃん、りぜちゃん……」

 

使用人「待っててください、いつかは必ず」

 

使用人「その時までどうか……お嬢たちのこと、見捨てないで頂けると」

 

千夜「もちろんです、二人ともわたしの大切な親友ですから」

 

使用人「ありがとうございます……」

 

千夜「……明日も、持ってきていいですか?」

 

使用人「ええ、お待ちしています」

 

千夜「……」ニコッ

 

 

 

――

――――

――――――

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――深夜 天々座家――

 

 

使用人「………………」スタスタ

 

使用人「…………」

 

使用人「……お嬢?」トントン

 

使用人「………………」

 

使用人「……」ガチャッ

 

 

キイィ……

 

 

リゼ「ここあ……」スリスリ

 

ここあ「あははっ……りぜちゃん、ふふっ……」

 

リゼ「かわいい、かわいいな……」

 

ここあ「りぜちゃんすき……もっとぎゅってして」

 

リゼ「ああ、壊れるくらい抱きしめてやるぞ……」ギュッ

 

リゼ「しあわせだ……こんなにお前がそばにいる……こんなに、お前のぬくもりを感じられる」

 

リゼ「お前を、独り占めできる……」

 

リゼ「やっとわたしだけのものになった……もう、誰にも渡さない……」

 

リゼ「ここあ……わたしの、わたしだけのここあ、ははっ、あはは……!」

 

ここあ「りぜちゃん……わたし、しあわせだよ」

 

ここあ「どこにもいかないで……」

 

リゼ「ここあ……」

 

 

使用人「………………」

 

使用人「……」

 

――ガチャッ バタン

 

 

 

……………………。

…………。

……。

 

BADルート――END

 

TRUEルート

感想

  1. 匿名 より:

    使用人「このお菓子は……お嬢たちは――」
    千夜「分かっています」

    詳しい理屈は説明できませんが、故人にお供え物をする文化に僅かに重なったような?

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