ごちうさSS ヤンデレリゼとここあ 1話:『偏愛』(閲覧注意)

 

本作は、スペシャル企画のコラボレーションSSです。

アイキャッチの素敵なヤンデレ画像は、『酢飯』さんにご提供いただきました。

 

本作は躊躇ない暴力的な描写や鬱な描写をあえて意識しております故、くれぐれも閲覧は自己責任でお願いいたします。

また、本作の内容は、『幼いココアシリーズ』の本編やifと全く関係ありません。

上記を踏まえ、ご了承のうえお楽しみください。  

 

酢飯さん、mofu mikuroさん、コラボ頂き感謝です。

By砂水クジラ

 

 

――――――――――――――――――――――

 

……。

…………。

………………。

 

 

 

小さい頃から、ずっと羨ましかった。

 

 

 

一緒に遊んだり、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、同じベッドで寝たり。

 

 

 

常に同じ時間を共有できる家族が欲しい。

 

 

 

ある種の諦観にも似た、満たされることのないそんな羨望は。

 

 

 

お前がわたしの前に現れてから、すべてが叶った。

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

 

いつからだったのかな。

 

 

 

お前がそばにいてくれないと。

 

 

 

ココロが――壊れそうになって。

 

 

 

 

リゼ「…………ん?」

 

リゼ「ここあ……?」

 

リゼ「ここあ……?ここあ!」

 

 

――

――――

――――――

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

ここあ「ただいま――……!」

 

リゼ「ここあがいなくなった……ここあがいなくなった……」ブツブツ

 

ここあ「りぜちゃんっ!」

 

リゼ「……?」

 

ここあ「りぜちゃん……」

 

リゼ「ここあ……?ここあっ!」ガシッ

 

ここあ「きゃっ……!」

 

リゼ「……どこにいってたんだ」

 

ここあ「ひとりで『といれ』まで……りぜちゃん、ねてたから」

 

リゼ「っ……どうしてわたしから離れるんだ!」

 

ここあ「!」ビクッ

 

リゼ「前にも言っただろ!」ドン!

 

ここあ「ひゃぅ……」ビクッ

 

リゼ「勝手にいなくなったりしたらダメだって!一人でどこにも行ったらダメだって!なぁここあ!」

 

ここあ「ぁ……」ガクガク

 

リゼ「どうしていうこと聞けないんだ!?」

 

ここあ「ごめんなさい……」グスッ

 

リゼ「……わたしのこと、嫌いなのか…」

 

ここあ「……!」

 

リゼ「わたしはこんなにここあのことを愛してるのに……」グスッ

 

リゼ「ここあは、わたしのことなんて……」

 

ここあ「ちがうよ!わたしりぜちゃんのことだいすきだよ!」

 

リゼ「……なら、どうして」

 

リゼ「どうしてわたしの側からいなくなるんだっ!」

 

ここあ「!」

 

リゼ「……どうして」

 

ここあ「……ごめんなさい、りぜちゃん……」ブルブル

 

リゼ「……!」ハッ

 

ここあ「ひっく……ぐすっ……えぅ……」ポロポロ

 

リゼ「ここあ……」

 

ここあ「ごめんね……ごめんね」ポロポロ

 

リゼ「……っ」ギュッ

 

ここあ「……?」

 

リゼ「ここあ……ごめんな、わたし……」

 

ここあ「りぜちゃん……」

 

リゼ「怒鳴ったりしてごめん、怖かったよな……せっかく気遣ってくれたのに……」

 

リゼ「でも、お前がいなくなると不安になって……怖くて……」

 

リゼ「どこにもいかないでくれ……頼む」ブルブル

 

ここあ「……りぜちゃん」

 

ここあ「……うん、だいじょうぶだよ」

 

リゼ「!」

 

ここあ「ひとりにしてごめんね、りぜちゃん……」ギュッ

 

リゼ「……ここあ」

 

ここあ「よしよし、さみしかったね」ナデナデ

 

リゼ「………っ」ギュッ

 

ここあ「…………」ナデナデ

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――食堂――

 

リゼ「今朝はすまなかったな。お詫びにお昼はなんでも好きなもの作ってあげるぞ」

 

ここあ「ほんと?それじゃあかれーらいす!」

 

リゼ「カレーか、任せろ。ちゃんと甘口にしてやるからな」ナデナデ

 

ここあ「んっ……♪」

 

リゼ「ここあはどうする?部屋で待っておくか?」

 

ここあ「ううん、わたしもてつだう。えぷろんもってくるね」タタタ

 

リゼ「待て、転ぶといけないから一緒に行こう」

 

ここあ「……!うん!」ギュッ

 

リゼ「おっと……」

 

ここあ「りぜちゃん、だっこして?」

 

リゼ「しょうがないな、甘えんぼうめ」ヒョイ

 

ここあ「えへへ♪」

 

リゼ「ここあ……」ギュッ

 

ここあ「やっぱりやさしい……りぜちゃん……」

 

リゼ「んっ?」

 

ここあ「ううん、なんでもない」

 

リゼ「隠し事すると尋問だぞ」コチョコチョ

 

ここあ「あははっ、くすぐっちゃだめぇ」

 

リゼ「ふふっ」ニコッ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

ここあ「この『かれー』おいしい!」

 

リゼ「そうか、たくさん食べるんだぞ」

 

ココア「……」キョロキョロ

 

リゼ「んっ、どうした?」

 

ここあ「ゆうしゃさんやおとうさん、今日もいないね」モグモグ

 

リゼ「親父や使用人たちは忙しいからな、心配しなくても後で食べるだろう」

 

ここあ「わたし、よんでくる」

 

リゼ「こら、ご飯の最中に行儀が悪いだろ。明日でいいよ」

 

ここあ「でも、みんなでいっしょにたべたいよ……」シュン

 

リゼ「……」ピクッ

 

リゼ「……………………」

 

ここあ「おとうさんたち、よんできちゃだめ……?」

 

リゼ「…………」ウツムキ

 

 

リゼ「……――のか」

 

 

ここあ「え…?」

 

リゼ「ここあは、そんなにわたしと二人が嫌なのか……」

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

リゼ「どうしてなんだ……」ギリッ

 

リゼ「わたしと二人でいるのが、そんなに楽しくないのか……」ギリギリ

 

ここあ「そんなことない!りぜちゃんとふたりでもすごくたのし――」

 

リゼ「ならどうしてそんなに悲しい顔をするんだ!!」ガンッ!

 

ここあ「ひゃっ!?」ビクッ

 

リゼ「どうしてわたしより使用人や親父のことが出てくるんだ!!」ガンガン!

 

リゼ「わたしのことが嫌いなら!わたしといっしょにいるのが嫌ならはっきり言えっ!!」バキッ!

 

ここあ「…………」ガクガク

 

リゼ「……!」ハッ

 

リゼ「スプーンが……――!ここあ……」

 

ここあ「…………」ブルブル

 

リゼ「ここあ!」

 

ここあ「ううっうぇええぇ……!」ポロポロ

 

リゼ「ごめんここあ……!わたし、また……」

 

ここあ「りぜぢゃん……ぐすっ……ごめんなさい」ポロポロ

 

ここあ「ちゃんということきくから…きらいにならないで……!」ポロポロ

 

リゼ「違うんだ、ここあ……!わたし……」

 

リゼ「ごめん、ごめん……」ギュッ

 

ここあ「りぜちゃん……うぇっうぇええんっ!」ポロポロ

 

リゼ「ここあ……くっ……」

 

 

リゼ「……落ち着いたか?」

 

ここあ「ぐすっ……うん」

 

リゼ「すまない……さぁ、ご飯を食べよう」

 

ここあ「ん……りぜちゃんのとなりでたべてもいい?」

 

リゼ「ああ、もちろんだ。ほら」カチャッ

 

ここあ「えへへ……りぜちゃんといっしょ」

 

リゼ「向かい合わせだと寂しいもんな、わたしもだぞ」ヒョイ

 

リゼ「ずっとここあの隣でいたい……」ギュッ

 

ここあ「りぜちゃんもあまえんぼう……?よしよし♪」ナデナデ

 

リゼ「ここあは、優しいな……それにあったかい」スリスリ

 

リゼ「このまま、ずっとお前に触れていたい……」

 

リゼ「ずっと離れないで、永遠に……」

 

ここあ「リゼちゃん……?」

 

リゼ「どこにも行っちゃだめだぞ……どこにも」

 

ここあ「うん」ニコッ

 

リゼ「……」クスッ

 

 

 

――

――――

――――――

 

――――――――――――――――――――――

 

 

……。

…………。

………………。

 

 

 

おかしいな……。

 

 

 

前と変わらず、幸せなはずなのに。

 

 

 

毎日お前がそばにいてくれて、何もかもが満たされているはずなのに。

 

 

 

――なのに、どうして。

 

 

 

どうしてこんなに、怖いんだろう。

 

 

 

わたしは、なにに怯えてるんだ。

 

 

 

……いつから、こうなったんだっけ。

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

シャロ「――んぱい、リゼ先輩!」

 

リゼ「――!」

 

シャロ「先輩、大丈夫ですか?」

 

リゼ「……ああ」

 

シャロ「………………」

 

シャロ「なにか、悩みごとですか?」

 

リゼ「………………」

 

シャロ「あっ、言いにくいならいいんです。……でも最近のリゼ先輩、なんだか様子がおかしい気がして」

 

リゼ「……おかしいか、わたし」

 

シャロ「いえその、変な意味ではなくて……」アセアセ

 

リゼ「……そうか」

 

シャロ「リゼ先輩……?」

 

リゼ「シャロ……少し聞いてくれるか?」

 

リゼ「ここあのことで、実は最近……な」

 

シャロ「……?」

 

 

 

シャロ「ここあのことになると、感情がおかしくなる……ですか」

 

リゼ「……ああ」

 

リゼ「ここあに嫌われているのかもしれないって思うと、もうまともな判断が出来なくなって……」

 

リゼ「気が付いたときには、いつもをここあを怒鳴りつけて……泣かせてしまって……」

 

シャロ「………………」

 

リゼ「ほんと……なにやってるんだろうなわたし」

 

リゼ「こんな調子じゃあ、ここあに嫌われてしまう……」

 

シャロ「……嫌いになったりしませんよ、ここあは」

 

リゼ「え……?」

 

シャロ「リゼ先輩、やっぱり少し変ですよ」

 

シャロ「先輩らしくないです、どうしてそんなにここあのことを疑うんですか?」

 

リゼ「疑う……?」

 

シャロ「リゼ先輩がここあのことを想っているのと同じくらい、ちゃんとここあにも想われているってどうして思えないんです?」

 

シャロ「ここあのこと、そんなに信じてあげられませんか?」

 

リゼ「……!」

 

シャロ「大丈夫です、ここあは、リゼ先輩のこと大好きですから」

 

リゼ「………………」

 

リゼ(わたしが……心のどこかで、ここあを疑っている?)

 

リゼ(あんなに、純真なここあを?)

 

リゼ(………………)

 

リゼ(……そうか)

 

リゼ(……だから、こんなに)

 

シャロ「リゼ先輩?」

 

 

リゼ「……どうすれば、いいんだ」ガクッ

 

 

シャロ「っ!?」

 

リゼ「わたしは……ほんとうにここあの側にいてもいいのか……」

 

リゼ「こんなわたしが、ずっとここあに愛してもらえるのか……」

 

シャロ「リゼ先輩……?」

 

リゼ「分からない……怖い……」ブルブル

 

リゼ「この気持ちをどうすればいい……教えてくれ、ここあ……」ガクガク

 

シャロ「先輩!しっかりしてください!」

 

シャロ「どこか座る場所……!」

 

シャロ「――もしもし千夜!手が空いてたら公園まで来て、リゼ先輩が……!」

 

リゼ「ここあ……ここあ……」ガクガク

 

 

 

――

――――

――――――

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

リゼ(今日はチノにも千夜にもシャロにも、みんなに迷惑かけてしまったな……)

 

リゼ(……すっかり遅くなった)

 

リゼ(ここあ……いなくなったりしてないよな?)

 

 

――リゼの部屋――

 

リゼ「…………」ガチャッ バタン

 

ここあ「すぅ……すぅ…………」Zzz

 

リゼ「……良かった」

 

リゼ「ここあ、ただいま……」ナデナデ

 

ここあ「ん……♪」Zzz

 

リゼ「……ここあ」スッ

 

リゼ「ふふっ、かわいいな……おまえは」ナデナデ

 

リゼ「それに、優しい……」スリスリ

 

ここあ「…………」Zzz

 

 

リゼ「……だから、なのかな」

 

 

リゼ「いくら側にいても、抱きしめても……」

 

 

リゼ「こんなに不安が消えないのは……」ギュッ

 

 

ここあ「んっ……」Zzz

 

リゼ「お前がずっとそばにいてくれるって、確証がほしい……」

 

リゼ「一生どこにもいかないでくれるっていう、確証がほしい……」

 

リゼ「……どうすれば、手に入るんだろう」

 

リゼ「なぁ、ここあ……」

 

ここあ「ん……りぜちゃん……?」ポワポワ

 

リゼ「おはよう、ここあ……ただいま」ニコッ

 

ここあ「んっ……」クシクシ

 

ここあ「りぜちゃん、おかえりなさい!」ギュッ

 

リゼ「おっと……ふふっ」

 

ここあ「きょうはおそかったね、おつかれさま」

 

リゼ「!」

 

ここあ「ちょっとだけ寂しかったよ、えへへ」ニコッ

 

リゼ「……!」

 

リゼ「……………………」

 

ここあ「ん……リゼちゃん?」

 

 

リゼ「……すまない」

 

 

リゼ「そっか……そうだな」

 

 

ここあ「?」

 

 

――ギュッ

 

リゼ「ここあ……大丈夫だ」

 

リゼ「もう、邪魔させないからな」

 

リゼ「もう誰にも……お前との時間を」スリスリ

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

リゼ「ふふっ……ここあ……」スリスリ

 

リゼ「なにがあっても、お前と一緒にいるぞ……ずっと、ずっと」ハイライトオフ

 

リゼ「ここあのためなら、わたしは……」

 

 

………………。

…………。

……。

 

続編:『ごちうさSS ヤンデレリゼとここあ 2話:『盲愛』』

感想

  1. Beyond the Average より:

    Twitterで砂水さんが『リゼちゃんの狂気日記』について、引き返す人が多いという話をされてたので、私は恐いもの見たさでここから読んでみることにしました。←1話で既に怯えている
    砂水クジラさんのおっしゃる通り、自己責任で読み進めていきますのでご心配なさらずに!(なので、もし最後まで読めなかったらごめんなさい。)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      このシリーズはどれも、わたしの本来の作風をそのままに執筆した作品で構成されています。
      非常に人を選ぶ作風ゆえに、くれぐれもトラウマにならぬよう覚悟のうえ続きを拝読ください。
      (最後まで読めなくても構いません、ご無理なさらず)

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