ごちうさSS 「意味深なごちうさSS Case2:千夜」

 

 

――学校 お昼休み――

 

ココア「わぁ、千夜ちゃんのおかず豪華だね!」

 

千夜「昨日の夕飯の残りなの、おばあちゃんがシャロちゃんのためにって作り過ぎちゃって」

 

ココア「いいなぁ~さて、わたしのは――」カパッ

 

ココア「うっ……やっぱり今日も入ってたよ」

 

千夜「ココアちゃんは野菜ほとんど苦手だから高確率でアウトね」

 

ココア「千夜ちゃん……今日も食べて?」

 

千夜「いいわよ。じゃあはい、代わりのベーコン巻き♪」

 

ココア「千夜ちゃんは天使だよ~!」

 

千夜「ふふっ」ニコッ

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

――図書館――

 

千夜「これは尊敬語になるの、自分をへりくだすと謙譲語になっちゃうから気を付けて」

 

チノ「なるほど……では、この場合ですと『頂いてください』でしょうか?」

 

千夜「うーん、悪くはないけど『召し上がってください』の方が自然ね。頂いてくださいだと謙譲語を相手に対して言っていることになっちゃうわ」

 

チノ「うぅ、難しいです……」

 

千夜「大丈夫よ、ゆっくり覚えていきましょう」

 

チノ「千夜さん……ありがとうございます、あと4日間よろしくお願いします」

 

千夜「良い点取って、ココアちゃんやお父さんを喜ばせてあげましょうね」ニコッ

 

チノ「……はい//

 

千夜(内緒でテスト勉強なんて、なにかココアちゃんと約束したのかな……♪)

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

――リゼの部屋――

 

千夜「おじゃまします」ガチャッ

 

リゼ「千夜、遊びに来てくれたのか?」

 

千夜「ええ、ついでにこれも」スッ

 

リゼ「んっ、これって……」

 

千夜「今日までに食べないとダメになっちゃうの、お店のあまりものだけど良かったら」

 

リゼ「ありがとう、頂くよ。千夜も一緒にどうだ?」

 

千夜「うん……」

 

リゼ「おっ、アンコ大福か」

 

リゼ「待っててくれ、熱いお茶でも入れてくるよ」

 

千夜「ねぇ、リゼちゃん?」

 

リゼ「ん?」

 

千夜「やっぱり……和菓子よりも洋菓子の方が好き?」

 

リゼ「そんなことないぞ、和菓子も大好きだ」

 

千夜「ほんと?」

 

リゼ「ああ、確かにウチの家はデザートに洋菓子が多いけど、でも和菓子もおいしいし」

 

リゼ「特に甘兎庵の栗羊羹は最高の味だな♪」

 

千夜「良かった……」ホッ

 

リゼ「でも、どうしてそんなこと?」

 

千夜「……リゼちゃん、あんまり甘兎庵に来てくれないから」ボソッ

 

リゼ「え?」

 

千夜「ううん、なんでもないわ。早くお茶にしましょう、ね?」

 

リゼ「あ、ああ」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

――夕方 甘兎庵 玄関前――

 

 

千夜「♪~♪♪」

 

千夜「あら、シャロちゃんおかえりなさい」

 

シャロ「ただいま~」

 

千夜「今日もアルバイト?お疲れ様」

 

シャロ「ん、ありがとう」

 

千夜「お風呂湧かしてあるから先に入っていいわよ」

 

シャロ「ううん、あとでいい。これからリゼ先輩と買い物に行くの」

 

千夜「リゼちゃんとスーパーに?珍しいわね」

 

シャロ「千夜へのお返しを買うって言ってたわ、リゼ先輩になにかしたの?」

 

千夜「お返し?…あっ、こないだの和菓子かしら。リゼちゃんたら気を遣わなくていいのに」

 

シャロ「ふーん、あんまりリゼ先輩に迷惑かけないでよ。それじゃあね」

 

千夜「いってらっしゃいシャロちゃん。お風呂待ってるわ、帰ったら一緒に入りましょう」

 

シャロ「遅くなっちゃうし先に入ってていいわ、二人だと湯船が狭いし」

 

千夜「そう?」

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

――早朝 甘兎庵――

 

千夜(どうしよう、少し早起きしすぎたわ)

 

千夜(ラビットハウスまでココアちゃんを迎えに行くにしても早すぎるわね)チラッ

 

千夜(朝食はおばあちゃんが作ってくれてるし……支度ができるまで大人しくアンコと遊んでましょう)

 

千夜「アンコー?アンコ?」

 

アンコ「」ピョコピョコ

 

千夜「アンコ、遊びま――あら、なにか拾ってきたの?」

 

千夜「これ……雑誌?」

 

アンコ「」コクコク

 

千夜「それも女性誌ね、お客さんが忘れていったのかしら」

 

千夜「…………」

 

千夜(暇つぶしに少し読んでみましょう)パラパラ

 

 

千夜(ファッションのことばかり……飲食店のことはあまり乗ってないのね)モクモク

 

千夜「あっ、スイーツ店の特集……」

 

千夜(もしかしたら甘兎庵のこともちょっとくらい……ふふっ、なーんて)クスッ

 

千夜(あっ、次は占いだわ)

 

千夜(1分でできる!願いが叶うおまじない、面白そうね)

 

千夜「用意するもの、マジックとカラーペン……あったわ」

 

千夜「えっと、真ん中に星を描いて、その線を青、紫、黄色、桃色、緑で多角形にして……」キュッキュッ

 

千夜(最後に指をかざして、その中心をなぞりながら、心から真剣に叶えたいことを願う……)

 

千夜「そうねぇ……」

 

千夜「…………」ウーン

 

千夜「どうせならいっぱい願ったほうがお得よね」

 

千夜「リゼちゃんが甘兎庵にたくさん遊びに来てくれますように」

 

千夜「シャロちゃんと一緒にいられる時間が増えますように」

 

千夜「チノちゃんがテストで100点取れますように」

 

千夜「ココアちゃんの好き嫌いが少なくなりますように」

 

千夜「みんなが、ずっと優しい気持ちでいられますように」

 

千夜「これで叶うかしら、ふふっ」ニコッ

 

お婆「千夜、ご飯だよ。なにグズグズしてるんだい」

 

千夜「あっ、はーい」

 

千夜「アンコ、いってきます♪」フリフリ

 

アンコ「」コクリ

 

 

――

――――

――――――

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

――1か月後 学校――

 

ココア「今日のおかずは~…――うっ、またにんじんが」

 

千夜「きっとチノちゃんのお父さん、二人に苦手を克服してほしいのね」

 

ココア「千夜ちゃん……今日もお願いしてもいい?」

 

千夜「もちろん、はい肉団子」

 

ココア「千夜ちゃん!」パアァ

 

千夜「チノちゃんのお父さんには内緒にしておくわ」

 

ココア「ごめんね、いつかは絶対克服するから」

 

千夜「♪」ニコッ

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――甘兎庵――

 

千夜「89点!すごいわチノちゃん、おめでとう」

 

チノ「ごめんなさい千夜さん、せっかく教えて頂いたのに90点も取れずに……」

 

千夜「そんなことないわ、苦手な教科で80点以上なら上出来よ」

 

千夜「よく頑張ったわね、チノちゃん。お疲れ様」ナデナデ

 

チノ「んっ……♪」

 

千夜「お祝いに、チノちゃんお気に入りの甘兎庵特製モナカをプレゼントするわ」

 

チノ「そんな、教えて頂いた上にこんなもの受けとれません」アセアセ

 

千夜「このモナカ、今日中に食べないとダメになっちゃうの。たくさん余ってるからたべてもらえると助かるわ」

 

チノ「そうですか……分かりました、そういうことでしたら」

 

千夜「はいこれ、ココアちゃんの分も♪」

 

チノ「ありがとうございます千夜さん、今度ラビットハウスにいらっしゃったときはサービスしますね」

 

千夜「なら今度のお休みにでも伺おうかしら」

 

チノ「お待ちしています」クスッ

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

――天々座家 正門前――

 

リゼ「……――ん、あれは……?」

 

千夜「リゼちゃん、おかえりなさい」

 

リゼ「千夜、どうしたんだこんなところで?」

 

千夜「モナカ、たくさん余っちゃったからリゼちゃんにと思って」

 

リゼ「嬉しいけど……わたしなんかよりもシャロやココアにあげたほうがいいんじゃないか?」

 

千夜「もちろん二人にも配るわ、これはリゼちゃんの分なの」

 

リゼ「そうか……すまないな、今度ヘアアクセでも贈るよ」

 

千夜「ううん、余りものだから気にしないで。もうお返しなんて買っちゃだめよ?」

 

リゼ「ははっ……」

 

千夜「約束」スッ

 

リゼ「んっ……しょうがないな」

 

千夜「この前リゼちゃんがくれたスーパーのティラミス、すごくおいしかったわ」

 

リゼ「だろ?あそこのスーパーのスイーツ類はメーカーの手作り品だからおいしいんだよ」

 

千夜「洋菓子も悪くないわね、一度研究してみようかしら」

 

リゼ「ああ、今度一緒に食べに行こう。おすすめのお店があるんだ」

 

千夜「楽しみにしてるわ」

 

リゼ(体重、気を付けないとな……)

 

千夜「?」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

――甘兎庵 玄関前 夕方――

 

千夜「♪~♪♪」サッサッ

 

シャロ「………………」

 

千夜「あらシャロちゃん、おかえりなさい」

 

シャロ「……ただいま」

 

千夜「……?どうしたの、いつもよりアルバイト大変だった?」

 

シャロ「ん……まぁね。今日は疲れたから早めに寝るわ」

 

千夜「お風呂湧いてるわよ、今日こそ一緒に入りましょうか」

 

シャロ「……うん」

 

千夜「えっ?」

 

シャロ「着替え持ってくる……」

 

千夜「あっ……」

 

ガチャッ バタン

 

千夜「…シャロちゃん……?」

 

 

 

……………………

 

 

シャロ「ただいま……」トボトボ

 

千夜「シャロちゃん……大丈夫?なんだか最近辛そうだけど……」

 

シャロ「大丈夫よ、ちょっと疲れるだけ……」

 

シャロ「明日はフルールドラパン……良かった」

 

千夜「………………」

 

 

 

……………………

 

 

千夜「シャロちゃん、ちゃんとご飯食べてる?少し痩せたんじゃない?」

 

シャロ「そうかしら……気のせいよ」

 

シャロ「バイト、行かなくちゃ……」フラッ

 

千夜「待って!」

 

シャロ「……?」

 

千夜「お願い、正直に言って。一体なにがあったの?」

 

シャロ「何もないわ……」

 

千夜「うそ!ならどうして……!」

 

シャロ「……大丈夫」

 

シャロ「みんながいれば、大丈夫だから……」

 

シャロ「千夜……ありがとう」ニコッ

 

千夜「待って、シャロちゃん!」

 

 

 

……………………

 

 

千夜「………………」キョロキョロ

 

千夜「……!」

 

シャロ「…………」フラフラ

 

千夜「シャロちゃん、しっかりして!シャロちゃん!」

 

シャロ「……千夜」

 

千夜「……!」

 

シャロ「ごめんなさい……できる限り、頑張ったんだけど……」

 

シャロ「――もう……だめかも」ジワッ

 

千夜「シャロちゃん……シャロちゃん!」

 

シャロ「ごめん、千夜……ごめんね……」ポロポロ

 

千夜「シャロちゃん!……なんで、どうして………」

 

千夜「いやぁあ!!」

 

 

 

……………………

 

 

――

――――

――――――

 

 

――学校――

 

ココア「千夜ちゃんのお弁当、今日も豪華だね」

 

千夜「……シャロちゃんが作ってくれたの」

 

ココア「そっか~さすがはシャロちゃん」

 

ココア「わたしのは…――生姜焼きかな、おいしそう」

 

千夜「にんじんと玉ねぎ、大丈夫?」

 

ココア「うん、頑張って克服してみる。シャロちゃんも頑張ってるから」

 

千夜「…………」

 

ココア「ラビットハウスが終わったら、またみんなでいくね」

 

千夜「ありがとう、ココアちゃん……」

 

ココア「ううん、シャロちゃんのためだもん」

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

――千夜の部屋――

 

チノ「見てください、シャロさんのおかげで英語100点取れました」

 

シャロ「ううん、チノちゃんが頑張ったからよ……」ニコッ

 

チノ「シャロさんの教え方が上手だからです。ほら、数学も100点でした」

 

シャロ「良かった……良かったわ、ほんとに」

 

チノ「シャロさん……」

 

千夜「…………」

 

チノ「……っ」キュッ

 

千夜「チノちゃん、お疲れ様。シャロちゃんもね」

 

チノ「千夜さん……」

 

シャロ「わたしは、なにもしてない……」

 

千夜「……みんなでお茶にしましょう、昨日考えた新作があるの」

 

チノ「はい……そうですね」

 

シャロ「………………」

 

千夜「……持ってくるわ、まってて」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

――深夜 千夜の部屋――

 

シャロ「千夜……千夜ぁ……」グスグス

 

千夜「よしよし……大丈夫よ、シャロちゃん」

 

シャロ「こわい……たすけてぇ……」ブルブル

 

千夜「ちゃんとここにいるわ、心配しないで……」ナデナデ

 

シャロ「うぇぇ……」ポロポロ

 

千夜「……っ」グッ

 

千夜「だいじょうぶ……だいじょうぶよ」ギュッ

 

千夜「わたしたちが、シャロちゃんを守るから……」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

――甘兎庵 PM4時半――

 

ガラッ

 

千夜「いらっしゃーい――あら、リゼちゃん♪」

 

リゼ「千夜、遅くなったな」

 

千夜「ううん、いつもごめんなさいね」

 

リゼ「……昨夜、またか?」

 

千夜「うん……明日は、たぶん大丈夫だと思う」

 

リゼ「そっか……また迎えに来るよ」

 

千夜「ありがとう、助かるわ」

 

リゼ「学校にいる間は任せてくれ、帰りもちゃんと送り届けるから」

 

リゼ「だから、何も心配しなくていいぞ」

 

千夜「ええ……」

 

リゼ「千夜……大丈夫か?」

 

千夜「わたしは平気よ、元気いっぱい」

 

リゼ「……少し休んでいくか」ストン

 

千夜「えっ、でもラビットハウスは……」

 

リゼ「遅れるって言ってあるから大丈夫だ、ココアもチノも分かってくれてるよ」

 

千夜「……そうね」

 

リゼ「ぜんざいでも貰おうかな。千夜、良かったらお客さんが来るまで話さないか?」

 

千夜「………………」

 

千夜「うん……ありがとう、リゼちゃん」

 

 

 

リゼ「んっ……おいしいな」

 

千夜「………………」

 

リゼ「千夜……」

 

千夜「………………」

 

リゼ「千夜!」

 

千夜「!」ビクッ

 

リゼ「どうしたんだ、ボーッとして?」

 

千夜「……ちょっと」

 

千夜「……ねぇ、リゼちゃん?」

 

リゼ「?」

 

 

千夜「神様って、残酷ね……」

 

 

リゼ「え……」

 

千夜「それとも、わたしが欲張りしたからかしら……」ポロ

 

リゼ「!」

 

千夜「こんなつもりじゃなかったのに……ふふっ……ふふ……」ポロポロ

 

リゼ「千夜……?千夜っ!」

 

千夜「充分……しあわせだったのにね……」ポロポロ

 

リゼ「……!?」

 

……。

…………。

………………。

 

――残酷な因果律にまつわる、無欲で得た不条理な結果。

感想

  1. はなまるびぃ より:

    全っ然わかんないですorz
    え!?なんで急にシャロちゃんがあぁなっちゃったの!?Case1も何度読み直しても分からないですし…
    もし、これ以降も意味深シリーズを連載するのでしたら、最終回でまとめて意味を教えてくださると幸いです…

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      本シリーズは細かい描写をしっかりと読み取り、哲学的な観点を持って考察しないとなかなか分かりにくいですね。
      他の閲覧者さんのコメントなどを参考にされるとご理解いただけるかもしれません。
      どうしてもご理解いただけない場合は、また気軽におっしゃってください。
      解答をお出ししますので。

  2. 名有り より:

    一体シャロちゃんになにがあったのでしょうか…台詞から察するにフルール以外のバイト先でなにかあったようですが…正直嫌な予感しかしません。
    何気に千夜ちゃんの願い事は全てきちんと叶っているという事実が皮肉のように感じましたね。
    …なにがあったのかなんて想像さえしたくないなあ…

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      千夜ちゃんの願い事は、確かにみんなに対するものは全て叶ったのですが、自分自身の『みんながずっと優しい気持ちでいられますように』という願い事だけは叶わなかったという皮肉が本作のハイライトでございます。
      ここまで言ってしまいますと、ほとんどネタバレですね。

    • にわ より:

      あまりこの場で言いづらいのですが、シャロの「着替え持ってくる……」というセリフから、ろくでもない男に暴行されたというのはあり得るのでしょうか?てなければ、わざわざ風呂に入る時にこんな事言ったりしないと私は思うのですか?

  3. はにすけ より:

    最初はシャロちゃんは嫉妬してるだけかと思ったけど、思わぬ展開に驚きです。
    そして千夜ちゃんがなぜ思い悩むのかと思いましたが、なるほど千夜ちゃんの願いが
    ある意味で全て叶ったわけですね…。

    シャロちゃんに何があったのかも気になりますけど、このシリーズでは主題を
    深く広げる物語ではなく、主題にまつわる出来事の一つの因果関係とか、一連の
    流れを取り上げる感じですかね?

    この意味深シリーズ、かなり好みです。
    ぜひとも今後も読みたいです。楽しみにしております。

    (Twitterでも書きましたが、シャロちゃんが精神的に辛くなるお話は、
    過去の作品で読んでいて、今でもその感動を胸にしまっています。)

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      さすがははにすけさん、しっかりと物語のハイライトをご理解してくださっています。
      願いは全部叶ったのですが、しかし皮肉にも千夜ちゃん自身の『みんながやさしい気持ちでいられますように』という願いだけは叶わず終いなんです……。
      そして他の願いは全て、シャロちゃんが不幸になるという最悪なカタチで叶うことになるという、全く救いのないお話なんですね。

      このシリーズの特徴としまして、起こった出来事は全て読み手側の想像にお任せするというあえて答えのないスタンスで執筆しております。
      故に、何が起こったのかは各個人それぞれが自分なりの考察をしていただきたいと思います。(そのせいか、既に意味が分からないといった苦情が山ほど;)
      おっしゃいます通り本作は、物語ではなく因果関係や不条理なテーマに主軸を置いております。

      こんなストーリーまで気に入って頂けるなんて、はにすけさんは心の広い読者様ですね。
      お言葉に甘えて、今後もシリーズSSとして更新させていただきます。

      (あのようなSSを描く際は、わたし自身も鬱でないと心情描写などがとてもかきあげられなくて……機会があれば、また挑戦してみたいと思いますのでその時は厳しめのご感想をぜひ!)

      • はにすけ より:

        > しかし皮肉にも千夜ちゃん自身の『みんながやさしい気持ちでいられますように』という願いだけは叶わず終いなんです……。
        なるほど!!!”全て”ではなかったのですね…これには気づいておりませんでした。
        「シャロちゃんと一緒にいられる時間が増えますように」という願いも、
        シャロちゃんが病んでしまう形で実現するというのがまた皮肉な結末です。

        伏線が張られたり、読み手の想像・考察の余地を残したお話は、一度読み切って
        終わりではなく、お話を遡って要因やきっかけ、前後関係を探したりする
        楽しみ方ができて面白いですね!やっぱりかなりの好みです♪

  4. しーさーすーせーそー より:

    千夜はシャロのどういう行動で悲鳴をあげたかがわかりません。教えてくだせぇm(__)m

    • 砂水クジラ砂水クジラ より:

      どういう行動……ですか。
      この描写はどう解説すればよいのか……まず、千夜ちゃんが悲鳴をあげたのはシャロちゃんの『行動』に対してではありません。
      シャロちゃんの一連の過程、その果てに辿り着いた結末について、場面転換の際に千夜ちゃんの心情描写を『悲鳴』という形で表現した、といえばよいでしょうか。

      • しーさーすーせーそー より:

        そういうことでしたか。千夜の言う通り、神様は残酷ですね・・・
        解説、ありがとうございました。

  5. ラグっち より:

    個人的に一番難しかった意味深でした。シャロが病んだ理由とか

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